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Looking for an honest man

1月の幾日かに、”灯火の人”というタイトルで4コマ漫画を描いた。

こちらのポストに、noteではないが、あるコメントがついた。
”Looking for an honest man”

何のことかさっぱり分からなかったので、検索してみると、ある古代ギリシアの哲学者の言葉であった。
哲学に関して全くの無学であるので、そこから調べたのだが、こちらが大変面白かった。

彼の名はDiogenes、日本語訳では「ディオゲネス」と読む。
犬儒派(Cinicism)の代表的な哲学者である。
”犬”と付くだけあり、彼は犬の生活を真似ていた。学校にて哲学を教え、家に住むだけのお金はあるはずだったが、家を持たず、樽の中で生活していた。公共の場で生活することを恐れず、むしろ己の生活を市民に見せようとしていたようである。

DiogenesはPlatoと同時期に活躍した哲学者なのだが、Platoの方が世に知られている。彼らは互いに競い合っていたとの逸話もある。

そんな彼の代表的な言葉が、”Looking for an honest man” 又は ”a human being”。彼は昼間にランタン(又は蝋燭)を持ち、人々の顔を照らしながら、「本当の人間」を探していた。
はて、我々は全て「人間」なはずであるが、彼のいう「本当の人間」とは、何を指していたのだろう。

この言葉には、このような解釈があった。
「本当に誠実で正直な人などここに誰一人いない」。
私は上記の解釈と併せて個人的に、「人々はいつでも誰かをフォローしていて、自分が見えていない。そして一種の夢の中を生きている。目を覚まして自分自身や世界に気づくべきである」と解釈した。

Diogenesは、貧しい野生的な生活の中にある幸せを見抜いていた。

そして彼の考えは、いかに私たちの人生の状況が変化しても、動じずに自然に寄り添い、己や社会を見る必要性を教えてくれるように思う。

まさに今の私に響く言葉だった。
この世界的なパニックの中で、そしてその後の世界においても、自分と社会、政府、国を冷静に、時に俯瞰して見たい。決して批判を全くしないということではない。どんどん批判をしていく強さも身につけようと思う。

変な出会いではあったが、Diogenesを知らない時に描いた絵が、コメントしてくれた人を通して面白い哲学者に出会う機会を与えてくれた。

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本当に、本当に、
部屋に引きこもってどんどん自分を見失って落ち込んでいる時に、いい哲学者に出会ったと思います。野生臭くて、ちょっとひいちゃうような逸話もあって、とても面白いので、暇な方はどうぞ調べてみてください。

以下のサイトは分かりやすくDiogenesの哲学が学べます。ちょっと英語の勉強をしがてら、読んでみるのもいいかもしれません。

イヌー間戸ゆき

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サポン!で世の中を変えることは難しそうです。しかしやってみる価値にかけてみたいと思います。