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猫可賃貸の難易度

丸1年かけて部屋を決めた

同棲を始めるにあたり、新居(賃貸)を探したのだけど本当に苦労した。難易度で言うと攻略サイト無しで進めるボス戦くらいだった。具体的には検討段階から契約まで、トータル1年はかかった。ただの賃貸マンション探しなのに。何も建てないし買わないのに、である。

もしかすると家探しが原因で別れる可能性すらあったのだから笑ってしまう。が、どうにか決まったので少し振り返る。なお、賃貸にこだわったのは同居予定人に転勤の可能性があるからだ。


さて、長引いた理由は主に以下の3点だと思っている。

  1. 希望条件が厳しい

  2. 23区外での家探し(首都圏)

  3. 同居相手の仕事が忙しく、土日しか内見できない

ここに「23区外」と書いたのは、都内23区ならばペット可物件が割見つかっていたからだ。なお、都内NGの理由は駐車場代が高いから、だそうでである。「駐車場代を稼げるようになってから車買えよ」と喉元まで出たのを何度か飲み込んだ。

詳細な希望条件は

必須:猫可、2人入居(未婚)可、2DK以上、軽量鉄骨造を除く、駅徒歩10分以内
希望:近隣駐車場あり、コミコミ8万円以下

まぁペットOKじゃなくてもそこそこ厳しくなるワガママぶりだ。ただでさえ数十件しか出てこないのに、「ペット相談可」にチェックを入れると物件数はだいたい1/10になる。
さらに、猫NGで小型犬のみ可の部屋が多く、実際に検討できるのはその中の2/3ほどだ。

「金も時間も無いけれど、猫と住みたいのです」

理想の家に住みたければ金を出せというのは道理だ。だが私は自由業で、同居人はペーペーの平社員のため、そんなに裕福ではない。情けないが、自由業の中でもかなり収入が少ない方だ。
一方的に相手の収入と希望のミスマッチばかりを責めていたらいつ自分に矛先が向くかもわからなかったのでぼちぼちで自重はした。

条件の中では、部屋数のこだわりがかなり災いした。同居人が、集中できるような密室が欲しいと言って聞かないのだ。広めのリビングにパーテーションを置くのも嫌だ、自室がいいと頑なに言う。
感染症云々で会社から残業禁止令が出ているから、自宅で残った仕事をするらしい。そんな会社なんて、不動産屋の前に労基に駆け込むべきだが、結局休日に労基はやってないので、ポータルの情報を頼って不動産屋にお邪魔する。
金を稼ぐための部屋を借りるための金を稼げない。負のスパイラルだ。いや、そもそも持ち帰り仕事には残業代は付かないんだよな?そんな会社なんて(略)

「2人入居不可、夫婦や家族は可」な部屋

いわゆるカップルNGというやつだ。1人暮らし+ペット可の物件はそこそこ出るのだけど、2人入居可で希望の間取りのところはどの駅周辺で探しても少ない。
いやいやこっちは大事な猫と同居人が一緒に暮らせるかどうかをテストするんだよ。ついでに私が他人と暮らせるかも試すんだよ。不動産という資産を他人に貸すわけだから色々と条件をつけたいのはわかるが、頭では、わかるが・・・。

家探しは平日休み勢が有利説

また、理由3の「土日しか内見できない」といいうのは地味に痛かった
ただでさえ件数が少ないのにペット可は倍率が高いため、空き情報を入手しても土日の内見予定日までにはほぼ埋まる(又はそもそもおとり物件)という話である。
逆に言うと、こういう曜日に縛られる人間を出し抜くためにも平日の内見がオススメだ。

思い出に残るハズレ物件

忘れもしない物件がある。ある休日、おとり物件に釣られてまんまと不動産屋まで行くと、「ちょうどさっき埋まりましたね〜笑」と小太りの副店長がヘラヘラしながら言った。閻魔様に舌を抜かれるだろう。
またかと思ったところで「仕方がないから特別にいい部屋見せてあげるよ」と小太りがドヤ顔で言い出した。不動産屋が空室情報を入手してから一般ポータルに掲載されるまでのブランク期間中の部屋だ。

行ってみると、駅から非常に近く、ギリギリ予算以内。下階は店舗なので夜の猫ダッシュもあまり気にしなくていい。好条件じゃないか、嫌なのは副店長の顔と態度くらいだと思って、いい加減旧居の更新も迫っていたので仮押さえをした。やっと決まったお祝いだと安い焼肉屋で食事をしてから家に帰って改めて調べると、隣室が隠れメンズエステだった
せいぜい許せるとしても近隣の建物に入っている程度で、隣室がそれは論外である。しかも看板は確か整体だった。

してやられた、とムカムカしながらメンエスの体験レポートのURLを同居予定人に送ると「なんかそんな気がした」などと言い出した。なんとなく性的なニオイを感じていたが、言わぬが華だと思ったらしい。いや、言えよ。わかっていながらお前は肉を焼いていたのか。
翌日朝に電話して、仮押さえは解除してもらった。デブは「そっすか」とだけ鳴いた。
結局その物件は数週間後にはポータルサイトに掲載されていた。外観写真には例の部屋のベランダに「肩こり・腰痛・マッサージ」と青い横断幕が掲げられていた。間違って女性客が入ることはないんだろうか。

結局、ひょいと空いた物件に偶然滑り込んだ

すったもんだの末、新居を決定できたのは地域密着型の不動産屋さんだった。結局契約までスルスルと進んだ。
たまたま新着で表示された物件を、これまでに当たってみた全国チェーンはやめて個人営業っぽい不動産屋に内見依頼した。
土日しか行けない旨を伝えると、「同じ部屋の内見希望が平日にも休日の夕方にも入っているので、できるだけ早めがオススメです」と教えてくれたので、土曜の朝イチに予約した。
現地で色々と確認し、条件合致度の高さと小綺麗な感じが気に入って、「ここに決めます」と言った途端、スーツのオジサンが入ってきた。何が起こるのか緊張したが、どうやら別の不動産屋の内見らしい。
我々の担当者さんによる「すみません、決まりました」の一言で相手は退場して、「ちょうどさっき決まりました」が現実にあることを知った。

なお、入居が決まった家は以下のような部屋である。
駅徒歩5分、2LDK、8万円以下、南西向き、ベランダ付き、猫2匹まで可、2人入居可、駐車場付き、風呂トイレ別。
本当に嬉しくて安心して、最後の鍵の受け取りの時には菓子折りを渡した。

結局、家探しは運頼りなのか、金が無ければどうしようもないのか、と絶望させるような記事になってしまった。
しかしながら、猫OKかどうかは地域色が見られたし、家探し終盤では普通の不動産ポータルサイトだけでなく色々とサービスも利用したので、時間ができたら紹介しようと思う。

陽当たりのいい部屋でよかった!

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