Kagura古都鎌倉奇譚【壱ノ怪】星月ノ井、千年の刻待ち人(13)
13:かぐら、陰陽に踊る
「さて、おいでなすったようだな。藍子。小舞千。神楽君をよろしくな」
「ええ」
「うん」
少しのツマミと酒で散々話していた益興(ますおき)はいつのまにか酒を飲み干してどこか天井の向こうを見ながら立ち上がって、いたって普通に彼女たちに声をかけた。
そして、当たり前のように彼女たちは返事をして藍子さんは自分の左斜め後ろ、小舞千は自分の右斜め前で益興(ますおき)さんと同じ方向を見ている。
狐少女はそのままテーブルで酒と甘味という、激烈に合わないツマミで