Kagura古都鎌倉奇譚【壱ノ怪】星月ノ井、千年の刻待ち人(19)
19:かぐら、玉響に涙す
「待て。様子がおかしい」
烏天狗が全員をそう言って止めた。
「は?何がだ?」
クラブ顧問は新聞部、職員球技大会ではなんとか参考書を読み漁って知識を叩き込み勝ち取る審判役、体育祭は先輩に花を持たせるふりをして適当。
学生時代からゲーム三昧の体が悲鳴を上げている。
中学の頃の先輩に誘われて仕方なくやった高校のサッカー部だけが唯一自分の体の基礎を作り上げている。
あれはしんどかった。
何がしんどいって、モテる上に運動神経があり、勉強もできる奴らと