「ねえ、会社にアイデンティティを捧げた俺のこと、どう思う?」
お風呂に入っていると、チャイムが鳴った。誰か来たようだ。
「はーい」と妻が対応し、何やら玄関で会話している。妻の声のトーンは高い。ということは、親類でもなければ友人でもなく、あまり関係性のない人が来ているとわかる。
「いったい誰だろう…?」
気にはなったが、妻がお風呂場まで来て僕に相談する気配はない。ということは、大したことではないのだ。安心してもうしばらく湯船に浸かる。
お風呂から上がって、妻に来客のことを聞いてみる。
まとめると、自分の家のツバメをモズから守るために、僕の家の敷地に入らせて欲しいとの依頼だ。
はっきり言って、ちょっとおかしい。
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