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引継書のクオリティを上げたい

大学の職員の仕事ってめちゃくちゃいろいろあるよねー
異動しただけなのに、転職したのかと思うくらいちがうよねー
例:病院の医事・患者対応→学部教務系部署→本部総務系部署 など
(志望者の方向けのメモを書いているわけではないので具体的な業務内容は省略。)

ただ、悲しいことに、どこの部署でも新人気分で仕事をじっくり学ぶ時間や人員の余裕はない・・・
となると、短期間で行う「引継ぎ」と「引継ぎ書」、「マニュアル」が重要になる。
ではどんなマニュアルが良いのか?


いろんな部署を経てたどり着いた現在の個人的最適解

異動が多かったので、その業務にすんなり入っていけるかどうかは引継書のクオリティによるということは感じていました。

また、引継ぎを受けることが多い分、自分も引き継ぐ機会が多く、毎回『より良い引継ぎ』って何だろうと悩みながらひな型を作ってきました。

私の業務ごとに作る引継ぎ書のひな型は以下の項目で構成しています。

①業務名
②頻度・周期
③業務趣旨
④担当としての主な業務
⑤カウンターパート・教員等
⑥書類保存場所
⑦昨年度における作業スケジュール(業務実績)
⑧関係法令等
⑨参考資料
⑩手順

①業務名

例えば「学長室会議」「自己点検・評価」などの個別の業務の名称

②頻度・周期

「年に1回」「5月~10月」「毎月第1週」など、作業をする時期

③業務趣旨

なぜこの業務を行うのかという理由や趣旨。

④担当としての主な業務

どんなことをするのか。例えば「会議のロジを担当」「委員の交代管理」など。箇条書きで記載する。

⑤カウンターパート、教員等

この業務を行うにあたって誰と業務をするのかを記載する。
学部の庶務担当であれば「各学部庶務係」
担当理事や副学長がいれば「●●理事(企画担当)」とか。

⑥書類保存場所

過去のものを確認したいときに、共有フォルダがあればそのリンク先(あるいはフォルダのツリー)を、紙で保存しているファイル(法人文書)があればそのファイル名を記載する。

⑦昨年度における作業スケジュール

当該業務について、何月に何をしていたかを記載する。
全ての作業をだらだら書くのではなく、できれば作業の区切りごとに記載する。
実際の様式ではExcelでガントチャートのように作成しています。

⑧関係法令等

法令や学内規則が根拠となっているものは記載する。
例えば認証評価は学校教育法109条2項・・・ など。

⑨参考資料

参考となる資料があれば記載する。答申等は⑧に入れるか⑨に入れるか悩むところではあるけれど、よしなに。

⑩手順

簡単に作業手順を記す。
複雑な場合は別途マニュアルを作成してそれを引き継ぐのでもよい。
(マニュアルを作成するときは、画面コピーなどもあわせて記載するとわかりやすい)


いっぱいあるけど何が重要?

10項目あるのですが、この中で特に重要だと思うのはです。

特に③の「業務趣旨」はあまり書いていない引継ぎが多いのではないかなと思いました。私が受けてきた引継ぎもこれが書いてあったことがあまりありません。
若手だと様々な業務に慣れることが先になってしまい、業務をする趣旨をあまり理解しないまま進めるということが少なくないと思います。
また、経験年数が長くなると逆にあまり意識しなくなってしまう点でもあります。
「何のために業務をするのか」ということを明確にすると、とても大変な業務でもやっている意味を実感することができることや、趣旨を理解することで作業手順を見直すこともでき、「実は不要な作業」というものがあぶりだされることによって業務の省力化・改善につながるのではないかと思っています。

⑤については、自分の業務の影響範囲あるいは協力して進める人が分かることで「安心感」に繋がるところがあるかなと思っています。
自分が分からなければ協力を仰げる相手でもあるということです。(ただし協力を仰ぐときは相手を見定めることも重要です・・・)
連絡する相手などを漏らすこともないので、作業の漏れも減るのではないかと思います。

⑧については現部署が法令を根拠に指示を出したりするというところが大きいため、入れ込んでいます。
もちろん法令によって指示を出すだけではなく、自分の職場(大学)の特徴・特色を踏まえた指示だしなども大事です。が、最終的に法令に立ち戻ることが多いので、大きな柱として踏まえておく必要があります
(なかなかうまく連係できない部局や教員に対して「法令では・・・」というと納得してくれることもあります)

組織的な引継ぎのルール

また、引継ぎについて組織的にこうあるとメンバーがお互いに働きやすそうだなと思うことを挙げてみました。今の職場ではできてないことなのですが、他大学ではこれを行っていると聞いています。制度化できるとみんなが楽になるのはいいところかなと。

  • 職場内で様式を統一化する(異動するたびに毎回引継ぎ書の形式が違う場合、業務に親近感がないと読み取るのが大変だから)

  • 上司や同僚がチェックする(周りが引継ぎ書をチェックすることによって、業務自体の把握やダブルチェックにもなる)


以上、ごちゃごちゃとしたメモでした。


#大学職員


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