見出し画像

旅行記 / 三陸・阿武隈 内陸と沿岸を結ぶ路線に乗る (2023/03)

春先の東北太平洋側で乗り鉄を進めてみました。


東北の路線もだいぶ乗り進めることができており、まだ乗れていない路線は少なくなってきています。今回は旅行とは別の用事で東北方面へ行くことになったのですが、そのついでに足を延ばして未乗路線も訪ねてみました。…結局乗り鉄かい!


何に乗って、どこへ行ったか

● 主なJR路線:東北新幹線、東北本線、釜石線、山田線、東海道新幹線
● 主な私鉄路線:仙台市交通局、三陸鉄道、阿武隈急行
● 主に行った場所:ふくしん夢の音楽堂、浄土ヶ浜
● バランス:[観光]・・・・★[鉄道]

◆Day 1◆ 初日は乗り鉄ではなく…?

さて今回は「声楽アンサンブルコンテスト全国大会」に出場する機会を得たので、まずは福島に向かいました!この大会のついでと言ってしまえばそれまでなのですが、今回の東北旅行を計画した立派な背景です。

福島までの夜行バスは何と2階建て。これは初めて!そもそも夜行バスに2階建て車両があることに驚きです。しかも何も知らずに予約した座席は2階席!階段横で明るかったですが、荷物を置けるスペースがあり快適でした。


…とはいえ考え直してみたら、夜行バスは東京までにして、福島へ新幹線で向かう方が楽でしたね。結局のところ集合に間に合うか微妙な感じになったので、郡山で途中下車して新幹線に課金してしまいました。

一駅なので自由席なら安く乗れます。やって来たやまびこ号はE2系でした。そろそろ引退も近づいているので乗るなら今のうちですよ!

郡山はそうでもなかったですが福島はよく雪が降っていました。ホームからコンコースに降りるとこんな幟が!ちょっと嬉しくなりますね。

駅前の温度計いわく気温は1度…。朝からしっかり直前準備をして本番に臨みました。

ふくしん夢の音楽堂」は客席の段が高く、ステージから壁みたいに見えたような記憶があります。残念ながら二日目の本選出場は叶いませんでしたが楽しかったです!Day 1はこれにておしまい。

◆Day 2◆ 仙台近郊の路線に乗る

この日はうってかわって快晴でした!雪を被った山々が遠くに綺麗に見えていました。本選出場できなかった場合のプランで、東北の乗りつぶしを進めます。


福島市は作曲家・古関裕而氏の出身地ということで、駅前から伸びる通りはその名も「古関裕而ストリート」。そこに「古関裕而メロディーボックス」なるおもちゃを発見しました!

阪神ファンである私はもちろん六甲おろしのボタンをポチっと…押すと前奏から勢いよく爆音で流れ始めました!日曜の朝で周りが静かだったので冷や汗。龍飛崎の石川さゆりもびっくりです。でもこのボタンを押したおかげで(?)今年は38年ぶりの日本一に輝きましたね!

福島から仙台方面の東北本線に乗車。この区間で乗るのはかなり久しぶりで、初めて東北に行ったとき以来でしょうか。

大河原と船岡の間にある「一目千本桜」の横も通過。シーズンはもう少し先なのでまだ色味も何もなかったですが、満開の頃にはどんな景色が広がるか見てみたいです。


仙台までは行かずに手前の名取で下車。ここから仙台空港アクセス線に乗り換えです。高架で伸びる線路がホームから見ました。北越急行ほくほく線の犀潟を思い出しますね。

自社車両でも車内はJRと同じく狭いボックスシートでした。普通に座っても窮屈に感じるのに、荷物も多いであろう空港利用者にとっては果たしてどうなのでしょうか…?

前面展望していると仙台空港の手前で突然地下に潜りました!このまま地下かと思っていると一瞬で地上に逆戻り。不思議です。

空港に用はないので改札外のコンコースをうろうろしていると駅スタンプを発見。せっかく押してみたものの、インクがめちゃ薄くて悲しかったです。

仙台空港アクセス線は東葉高速鉄道もびっくりの高運賃路線な気がしますがとりあえず往復。名取から仙台まで出て、続けて地下鉄の乗りつぶしを始めました。

仙台の地下鉄は高低差が激しいのでしょうか?大町西公園や八木山動物公園の辺りでちょっとだけ地上に出るところがありました。そして思いのほか山がちですね。

真っ昼間だからか車内はガラガラでした。東西線も南北線も乗りつぶし完了です。

仙台から東北本線で北へ

広瀬通の利久で牛タンをいただきました!変わらずの美味しさでした。

腹ごしらえして戻ってきた仙台駅のホームには「フルーティアふくしま」が停まっていました!2023年で引退の観光列車、最後にお目にかかれて嬉しいです。

東北本線を北へ進みます。疲れも残っていて寝ていたようで、塩釜から先の記憶がありません…。

小牛田から一ノ関行きに乗り換え。4年前は強風運休があって大変でしたが今回は穏やかな陽気で問題なしです。一ノ関で盛岡行きに乗り継ぎます。

朝の福島の出発からそこそこ時間が経っていて、盛岡に着いたのはもう夕方でした。さすがに乗り詰めだと疲れますね。

晩御飯には駅ビルにある白龍(パイロン)でじゃじゃ麺をいただきました!調子に乗って大盛にしたらわりとデカいのが来ました。美味しい!肉味噌がどっさり乗っていましたが、想像していたより味は濃くなかったです。ラー油をひと回しすると良さが増します。満腹!

〆はたまごスープ「ちーたんたん」。無性に卵を食べたかったのでちょうど良かったです。この日はこれで移動終わりです。

◆Day 3◆ 宮沢賢治ゆかりのドリームライン

朝の盛岡駅では試運転のSL銀河が煙を吐いていました!これももう引退してしまいました。結局乗れずじまいだったのが残念です。前日のフルーティアといい最後に見る機会ができたので、まあ良しとしましょう。

さて私はというと快速はまゆり号で釜石を目指します!釜石線を経由して、岩手県の内陸から海岸まで移動します。普段は停まる駅をどんどん通過するのが楽しみで、乗ってみたかった列車でした。

はまゆり号は指定席車両も連結した列車です。指定席は10人強の乗車、自由席はそれなりに利用がありました。繁閑期で値段は変わりますが、通常期530円で乗れる指定席でも損はないと思います。座席はリクライニングできますよ!

花巻でスイッチバックするため進行方向が変わります。私は花巻から先頭になって前面展望ができる座席を予約していました。

しかし!乗務員さんの鞄で景色を塞がれてしまいました…悲しい。まあ元々、座りながらだとちょっと見辛い角度なので仕方ないですね。

釜石線の各駅には、宮沢賢治にちなんでエスペラント語の愛称が定められています。花巻のホームには全駅分を書いてある横断幕があり、これを眺めるのも面白いでしょう。

晴山あたりまでは田園風景が広がり、その先は山の方へ。川と並走していきました。そして宮守を出て標高を上げた先には大勢の撮影軍団が!SL銀河を狙っているのでしょうか。

遠野は駅舎がお洒落。今回はただ通過するだけでしたが、この辺りの街歩きにも来てみたいです。思っていたより開けた場所が多い印象。


沿線の見所は陸中大橋のオメガループです!かなりの標高差をΩ形の線路で攻略します。釜石行きだと高い場所から低い場所への移動となり、進行方向右側だと窓からお互いの線路が見える位置関係になっています。今回の前面展望座席はこの点でもオススメです。

列車は終点の釜石へ。3度目の三陸海岸です。そのうち2回、3月に来ているのは偶然…ではないかもしれない。

釜石の街歩きと三陸鉄道

釜石にはラグビーワールドカップの名残が置いてありました。三陸鉄道への乗り継ぎ待ちの間に周辺を散策してみます。

海岸沿いの、復興されて新しくなった建物や道路が印象的でした。大震災の津波高さの表示もありました。いざという時に堰き止められる巨大な水門も整備されています。改めて恐ろしい災害です。

駅に戻る途中で一息ついて川から鉄橋を眺めます。列車が来たら撮れるけどさすがにもう来ないかな、と思って歩き出すと…1分後に来てしまいました!時刻表を見ておくべきでした。痛恨の撮り逃しです。

それでは大震災から全線再開した時以来4年ぶりの三陸鉄道へ!列車は初の36-100形でした!普通は汚れが酷くなる海側でも窓がピカピカでめちゃ感動しました。

とても良い天気で、三陸海岸も本当に美しい。海がよく見える場所では減速運転してくれます。何やら色々と思い出されて、自然と涙が…。

クゥエートからの支援車両と途中で行き違いました。生で見たのはおそらく初めて。遠い国からも支援していただけるのは嬉しいことです。

そしてやはり巨大な堤防と水門。上の写真の水門は4年前には建設中でしたが、もう立派に完成していました。

浄土ヶ浜を観光してから山田線へ

列車は宮古に到着。宮古はJR山田線との乗換駅です。…いや、釜石~宮古も元は山田線の一部だったので、乗換駅と言うには変な感じがしますが。

そして車内の案内放送で存在感を見せつけてくる山田線のライバル(?)106急行バス。山田線の未来やいかに…。ちなみに宮古駅前はこんな感じ。

山田線は列車が少なく時間が空くので観光へ。お昼は駅前の「蛇の目本店」で北三陸ごはんをいただきました。…うおお、ものすごいボリューム!一つ一つの魚介が美味しい!一年分の海鮮丼を食べたような気がします。そして毛ガニのトゲとの戦いが地味につらい。

満腹になったところでバスで浄土ヶ浜へ向かいました。高台にある浄土ヶ浜バスセンターから浜辺まで歩いてみると…。

風光明媚な海岸!極楽浄土をも思わせる美しい風景というのはダテではありません。白い石が軽めの音でカラカラ鳴り、ウミネコがあちこちで鳴いていました。

ただ、バスで来るにはダイヤの制約が厳しく、10分強での高速観光になってしまいました。もう少しゆっくり過ごしても良かったかな。

バスが経由する道の駅「シートピアなあど」にも津波浸水位置が表示されていました。

途中までバスが遅れていてヒヤヒヤでしたが、結局定刻で宮古に到着。今度こそ山田線に乗り換え!閉伊川(へいがわ)と並走しながら盛岡を目指してゆっくり走っていきます。そして同じく並走する強そうな自動車専用道…。

徐々に「山あいの夕暮れ感」が出てきました。区界(くざかい)駅辺りでの峠越えゾーンでは雪がそこそこ残っていました。

地図上での見た目では山田線も釜石線も似たようなものかと思っていましたが、全然違いますね。トンネルの数も川を渡る回数も山田線の方が段違いに多く感じます。

区界~上米内(かみよない)は、只見線の只見~大白川もびっくりの駅間の長さと鈍足と電波圏外。下り坂の連続で、惰性走行をするのも似ています。


この日は盛岡から仙台まで南下して終わりにするのですが、このままずっと在来線で行くと日付が変わりそう…。ということで一瞬だけワープします!盛岡から北上までは特定特急料金区間なので自由席に安く乗れるんですよ。

で、北上からは大人しく東北本線です。乗り継ぎまくって仙台に到着した頃にはもうヘトヘトでした。さっさと寝ます。

◆Day 4◆ 阿武隈急行で福島に戻る

最終日は阿武隈急行に乗ってみましょう。福島と槻木(つきのき)を、東北本線よりも東側で結んでいる第三セクター路線です。

仙台から直通する梁川行きは新型AB900系。土休日は「ホリデーおとぎ街道号」なる愛称が与えられていますが、普通の列車と特に何か違いがあるわけではなさそうでした。

この日は飛び石の祝日だったからか車内はガラガラでした。槻木で東北本線から分岐した途端、急に線路のグレードが下がった感が出てきました…。

乗車した4両編成の前2両はポケモンのラッピング車両でした。ラッキーやらラプラスやら、懐かしいキャラクターが出ています!

数年前に大雨の被害に遭った丸森を出ると、車窓から阿武隈川が見えてきました。川沿いの岸を走っているのに直線でトンネルが多い…これはおそらく後から開業した区間ですね。国鉄末期以降の路線はこうして線形が良いのでわりとすぐに見分けがつきます。

梁川で福島行きに乗り換え。そこそこの駅数をこなして終点の福島に到着。二日ぶりに戻ってきました。この日は初日とは違って暖かかったです。

さて、ひたすら東北本線を南へ進みます。…と、ここでWBC準決勝の情報が入ってきました!どうやらサヨナラ勝ちしたらしい。すごい試合展開だったということで気になりすぎて、風景が全く目に入ってきませんでした。


新白河は縦列停車での乗り換え。時間が短くて忙しなかったです。郡山から宇都宮まで、もっと山がちの場所を走るのかな?と思っていましたが、全然そうではなかったです。

そして当初スカイツリーのリベンジに行く予定にしていたのですが、相当な疲労に襲われて気力がなくなったので断念しました。こうして先延ばし…。東京からは新幹線でサッと帰ってきました。これにて今回はおしまい。

今回は、福島から岩手にかけての内陸と海沿いをぐるっと巡ってみました。未乗路線に乗るだけでなく、行く先々で有名なご当地グルメも味わうことができて良かったです。そして来年こそは全国大会の本選に出場したい…!
※とりあえず2024年も予選には出場できることとなりました!頑張ります。

次は、東海地方の私鉄・第三セクター路線の話(第3弾)を書きます。

気に入っていただいた方へ:サポートしていただけると大変喜びます。 皆さまのサポートで、私の行動範囲がさらに広がるかもしれません!