AIのせいで仕事が増えるのはやり方が間違っているから。
ちょっと面白いタイトルだなあと同じくAI活用で仕事や生活のあり方を根本的に変えようとしている身として興味深く拝見した記事があります。
「悲報:AIすると仕事は減るどころか激増します。」
仕事とは仕組みを作ること
結論から言うと「多分、AIに仕事を振るやり方、ワークフローそのものの設計が根本的に間違えていらっしゃる」なあと感じました。
今日は、ワークフローとはなんぞや?と言うジジ臭い話を具体的に話しようと思います。
ジジイですからね、許してください。
仕事とはパージ(切り離し)できて、初めて「前進」と言う。
仕事でよくある間違い。それは、何でも自分が目を通したり確認しないといけないと言う思い込み(こだわり)です。
この点でプログラマは他のポジション、例えばプロデューサーやプランナーなどと同じぐらい、この能力が試されます。勿論、どんな仕事でも、本当はそうなんですが。
記事紹介した方は配信稼業されておられるようですが、間違いは目を通すワークフローを何の疑問も持たずに変えていない点にあります。だから、自分の能力の限界が仕事の上限になってしまっているのです。これは明確に仕事のやり方の失敗であり、AIだろうが外注だろうがダメです。やり方をそもそも間違えています。
プログラマは恐ろしいほど機械にあらゆる仕事を任せます。コード書く行為さえ近年は機械任せのプログラマも珍しくありません。私も自分がどんなコード書いたか書かせたか掌握する事に拘りません。大事なのは作ったものが成果を出す事だからです。
なんでも目を通したら品質管理していると言うのは仕事ができない時の言い訳でしかない。
ところで、この世では権力者と呼ばれるポジションの職業があります。経営者や議員さんなどは決定の影響範囲が高いのでそう呼ばれます。しかし、彼ら彼女らは果たして部下の確認をしていたら回るでしょうか?回りません。
確認とは厳密に言えば機械ならネジの素材から確認しなければなりませんし、プログラムなら本当は自分が作っても無いコードの細部の仕様まで理解し尽くして初めて「確認した」と言えます。
配信稼業であればコンテンツに目を通すのは「実は大した確認をしてない」のと同じなのです。つまり、やっている気持ちに浸っているだけなのです。
絵を描く人ならPhotoShopやClipStudioなど使うと思いますが、「道具の確認」を徹底している人は何割いるでしょうか。恐らくPhotoShopやClipStudioなどを開発しているプログラマーでさえ全体確認なんてできてません。
車を乗っている人でオーバーホール(全ての部品を解体して確認して整えて再組み立てする作業)までやる人は整備士の人でさえ滅多に居ません。
大切なのは「確認」したつもり、と言う自分への言い訳を作っている事に気づくこと。
現代の社会は複雑です。生成AIは高度なプログラムですがOpenAI社の中でChatGPTのロジックを完璧に理解して把握している人は果たして何人いるでしょうか。ChatGPT使っている人の中で大規模言語モデルを論文レベルで話できるほど理解した人は世界人口の1%もいないと私は知っています。なぜなら、ITエンジニア自体が世界人口の0.02%しかいないと知っているからです。
理解していないないものを理解したつもりになったり、確認してないものを確認したつもりになる事を、思い込み、心理学では認知バイアスと呼んだりします。
スマートフォンの全機能知らなくてもきっとすごい端末なんだろうと皆さんは何万円も払っていると思います。しかし、世の中には理解できないのにカタログスペックにこだわる人がいます。
SNSで1千万人のフォロワーを持つ人がiPhoneのエンジニアでしょうか?大抵はそうではありません。仕組みができている事を理解したら、それ以上、あれこれと詮索せずに使う人の方が大抵はうまく使いこなしています。配信もね。
「確認オタク」から卒業しよう
確認とは本来は細部まで理解する事を指します。そしてそれができない(妥当では無い)のなら、その作業は無駄なのです。
食料の安全問題に気を使うなら生産者の家まで言って検品しないと意味がないように、世の中には嘘の安心と確認依頼が蔓延しています。
ニュースはその代表です。あなたが東京に住んでるとして沖縄の天気を知ることに価値はあるのでしょうか?旅行しない限り知る必要の無いことです。地球の裏側で核実験があったとしてそれが影響あるか?あったとして知って何ができるか?答え:一般人には何もできない=知っても知らなくても実は関係ない。
個人主義とは合理性の追求
周りに気を遣っているフリ、品質を確認しているフリ、マネジメントしているフリ、全て意味のない行為です。仕事ができない奴がいたらどうしたらいいのかって?あなたは、スマホ壊れたら買い替えますよね?交代させればいい、それだけです。今の世の中は資源に満ち溢れています。情報資源、リソース資源、みんな有り余っているのですが、世界で唯一足りないのは個人の時間です。これだけは札束を何兆円積んでも無慈悲に等しく過ぎ去っていきます。
自分の確認がボトルネックなら自分が確認しなければ良いだけなのです。向いてない、それだけです。議員さんが道路を切り開くと言ってたヘルメット被って切削ドリル持って現場に来たらどう思いますか。時間の無駄と思いませんか。
自分がボトルネックになって仕事の上限が見えてしまっていたら、その仕事から降りましょう。それをしなくても目的を達成する方法を考える事が人間に委ねられた創造性であり思考能力でありAIにできない事なのです。
失敗したら品質管理問題のせいにするのもバカげています。本当に問題なのはワークフロー(仕組み)です。だって機械も人間も100%ミスありますよね?失敗しますよね?確認とはこのミスがない状態を期待する愚かな行為です。そうではなく、失敗してもいいように仕組みや考え方を変えてしまえばいいのです。
こう言う話を書くとよく反感を買います。
きっとこの日記も不愉快になる人が大勢いると思いますが、ミスしない世界なんて存在しないのだからミスありきにすれば良いと、考えてしまえ、それだけなんですよ。。。
それではまた、ごきげんよう。
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