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あの頃の情報はこれから猫

ザ・ブルーハーツの「人にやさしく」という曲をリピートしながら作業しております。「期待はずれの言葉を言う時に、心の中ではガンバレって言っている」の所でいつも感極まります。うう、ガンバルンバ…!

今回は言葉の添え木様のお題で作った詩を5編と、オリジナルお題の詩を1編、セットにしました。言葉の添え木様、本当にいつもお世話になっております!



眠るアラザンは
光り、示す

いつかのバレンタインデー

みなしごの薬

一緒に照れたこと

チョコは食べれずとも

花束のような時空を分け合ったこと

君がいるのに、いないこと


いつも暗闇にはアラザン
示す光

君はいないけど、いるのだ



これから

やましい

まやかし

たとえば

人種とかホットワインの噂とか

国境とか葉の上の約束とか

くるしい

まやかし


これから

肺いっぱいに酸素を

これから

雲を払うラッパを吹くために

これから

さよなら

まやかし



楽しい

心がくすぐったくて
じっとしていられない

空を飛んでいるみたい
成層圏は目と鼻の先

楽しい

楽しさが連なって

今日と明日が繋がった


消えては生まれる楽しさよ

あなたを忘れることはあっても

失う日は来ないのでしょう



傍にいるどころか

膝の上にいる

お腹の上にいる

肩の上まで登って

あまつさえ

頭の上に

そこまでいくと

お互いパニック

猫っ毛はぐしゃぐしゃ

知らんぷりで雲隠れ

服は穴だらけ


それにしても

愛しの君も猫っ毛なのが

いつも嬉しいのです



情報

三角錐のプリズムを橋の欄干に並べて

情報を伝達

下は排気ガスの森で
上は二酸化炭素多めの空で

屈折しながら疾走する虹色

橋の端にいる私たち
待ち望みながら発信して


朝に繋がる橋で思い出す

スリリング・コミュニケーション

真夜中のプリズム

目を閉じた



あの頃(オリジナルお題)

一言も、一小節も拒んでた頃

軍艦のように重い心の中に風船が詰まってた

どの風船にも名前があったはずなのに
思い出せない


けれど安心

運で針路が決まるのだから

私は結果を飲み込みさえすればいい

信じて油断


「今なら、自分で舵を取れますよ、ほら、今ですよ」

軍艦が小さな小舟になる頃

最後の風船を抱き締めてた頃

聞こえた誰かの声

無意識にオールを掴んだ


もう誰にも期待されない

その代わりに

活きていられる

活きたら生きなきゃならない

風船を胸にしまって

思い知った頃


自由の潮風が傷に沁みた、あの頃

軍艦の誰かの風船を守りたい、これから



お気に入りいただけましたら、よろしくお願いいたします。作品で還元できるように精進いたします。