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【実話】ど田舎の地元が好きで嫌い〜長野脱出編②〜

↑これの続きです。
見苦しい文面や構成ですみません。。
note初心者なのです。。
暖かく見守って頂けれは幸いです!

〜〜〜〜〜〜〜続き〜〜〜〜〜〜〜

母親に上京の事を打ち明けようとすると、さきに母親が口を開いた。

『お前にとってあまり嬉しくない話をしなくちゃいけない。』
と、言いました。
僕はもうこの時点で、何故か母親が伝えてくるだろう内容を見抜いていました。理由はありません。勘です。
それでも、違っていて欲しい気持ちも込めて先に僕から聞きました。それも明るく。

『なに深刻そうな顔して病気にでもなった?笑』

と聞くと、母親はニヤリと少し笑い、そして
顔を縦に振りました。


全身から血の気が引いていくような感覚と、言葉では表現できないような、まるで一瞬世界中の時計が止まったような空間にいるとでも思えました。
最悪を想定していたのにも関わらず、受け入れられませんでした。

その後、病気が『乳癌』である事と、ステージⅢ
だという事の話をされました。気が動転しているのであまり鮮明に覚えてはいませんが、母親は『大丈夫、治るみたい!』と気丈に振る舞っていました。どっちが病人かわからないです。笑

その日の夜、僕は寝る前に色々考えました。
・上京すると言い出せなかった事
・転職サイトのメッセージ返信の事
・母親の病気のこと
それともう一つ、
・上京を中止すること

いくら軍資金貯めて『自分の可能性に挑戦するんだ!』と息巻いても、母親の病気の事を聞いてからは『今じゃない。また機会を伺えばいい。』
と、楽しみだった上京計画を諦めようと考えてました。中止じゃない、一旦保留だ。と自分に言い聞かせて。

数日後、昼間の仕事と夜のバイトが終わり家に帰ると、母親が台所で座っていました。
僕に作ってくれたのであろう、サランラップに包まれたなにやら揚げ物らしきおかずの皿の前に。
どうやら僕の帰りを待っていたようです。
先日の病気の話を聞いて以来、僕は母親に話かけるのをなんだかためらっていました。
そんな僕の不自然な振る舞いに母親は気づいていたようで、『何か話があるんじゃないの?』と優しい表情で僕に聞いてきました。

そういえば、昔から頑固で負けん気の強い母親は、学生時代の僕ともよく些細なことで口喧嘩してました。けれどお互い時間が経つとすぐ忘れる性格なので引きずる事はなくすぐ普通に戻り、いつも優しい表情で僕に接してくれていました。

その表情で聞かれた僕は、『言うべきかな。』
心の中でつぶやいて、母親の座る台所に向かい、正面のイスに腰掛けました。


③へ続く

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