【ファミレスを享受せよ】ファミレスを享受しながら振り返る vol.1
こんばんはnekorobiです。
永遠に時間が続くファミレスムーンパレスで雑談したりドリンクバーを飲んだりするゲームをプレイしました。やりおえてなんともファミレス欲が高まり、某ファミレスJからこの記事を書いています。
最近、急な片頭痛で寝込んだり、仕事は大きなプロジェクトがひと段落したと思いきや次の提案が立て続けにあった挙句、お客さんからキツめの指摘が入り打ちのめされてしまったり、プライベートでも悩み事があったりと、不幸じゃないけど、生活できてるけど、人生にデバフがかかっているみたいでちょっと調子が悪く。
今、日曜の夜中ですが、ファミレスから帰れなくなってます。家に帰ると現実という名の地球に帰ることになってしまいそうで。しかも今日、7月21日は月が満ちに満ちた満月の日だそう。このままここがムーンパレスになって、永遠の時が流れてくれれば良いのに。
前置きが長くなりましたが、前半はゲーム概要の紹介、後半プレイ記録となり、未プレイの方はネタバレ含みますのでお気をつけください。
※書いてみたらゲームの内容よりも感想や考えたことが多くの分量を占めてしまい、かつ、かなりの量になってしまったので、記事を複数本に分けています。今回は第一弾です。
ゲーム概要
◇ジャンル ADV
◇開発元 月刊湿地帯
◇プレイ人数 1人
◇プレイ時間 2〜3時間
◇年齢制限 IARC:7+*
*年齢制限補足
何ヶ所か、ホラー?これびっくり系?と感じる部分がありますが基本的には杞憂に終わります。(私は本当にビビリなので本気で目を細めながらボタンを押す場面もありましたが、結果なんともなかったです。)
ただ、一部コンテンツは奇妙さや気持ち悪さを感じる描写が差し込まれることはありましたので、ご留意の上プレイいただけると良いかと思います。(超絶苦手、と言う方はご注意)
こんな人におすすめ
🎮ADVゲームやノベルゲームが好き
📕ストーリーに没入したい
🌍奇妙な世界線、世界観の物語が好き
🌙天体や宇宙がテーマのものが好き
選択式のADVゲームなので、誰でもプレイ自体はできると思いますが言い回しの特有さや、世界観の奇妙さはあるので、SF系やファンタジー好きな方はすんなり楽しめると思います。
また、ADVゲームやノベルゲームに慣れてる方は問題ないと思いますが、会話量が多いので深く読み込んだりこの世界を理解しようと言う心持ちでプレイするとどんどんのめり込めるな、と思います。(逆にサクサクプレイを望む方にとってはしんどいかも)
が、逆にそういったものにあまり触れてない人ほどプレイしてみて欲しい気持ちもあります。短編ADVで2-3時間もあれば最後まで終えられますし、手が出しやすいと思います。(個人的にそういった方の感想が聞きたい、そして話し合いたい)
プレイ記録
注意⚠️以降ネタバレ含まれるので、未プレイの方は以降お気をつけください!
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01.『ムーンパレス』来店
深夜のファミレスって言いようのない魅力がありますよね。人通りの少ない路地に煌々と光が漏れてる建物に向かって歩くそこからファミレスは始まっているような。
今作の舞台は『ムーンパレス』と言うファミレス。三日月のマークが目印です。深夜にふらっと来て、突然アイスを頼めるその門戸の広さがファミレスらしくていい。
ふと気がつくと、さっきまでいたファミレスとどこか違うところに。ドアは開かない構造に変わっており、店員さんも見当たらない。こう言う展開好きです。閉じ込められたけど危機迫る状況でもない。ただそこにはファミレスの時間が流れているだけ。
いわゆる室内からの脱出を目指すゲームは制限時間や焦る描写などがどきどきハラハラな気持ちを高めそれも楽しいのですが、この『ムーンパレス』においては、一生このままドリンクバーでも飲んで過ごそう、と言われても、そうだな、となりかねないゆったりとした世界観が新鮮でした。
02.『ムーンパレス』のお客様
店内を見て回ると、4人、他にも誰かがここにいることがわかります。
ガラスパン、スパイク王、セロニカ、ツェネズ...個性的な人たちに半ば強引に話しかけまくり、ひたすらに雑談を繰り返す...そうそうここはファミレスだから、雑談はファミレスのメインディッシュだからね...
スパイク王
王様はおそらく違う時代から来た人だなぁ、しかも王様ということは身分もあるのに、まぁなんと間髪入れず雑談を仕掛ける主人公に優しく接してくれて、これが王の器か...と思いましたね。
特に、好きな映画は?と雑談した時に、君の好きな映画は?と質問を返してくれたり、地球に戻ったら見てみようと言ってくれたり。
自分の国は戦乱真っ只中といった話と同じトーンでこんな雑談もしてくれるとは、人間できているというか、平易な言葉になってしまいますが素敵な人だなぁと思いながら会話を重ねていました。
ガラスパン
ガラスパンはなんだか話を聞いていくと、THE社畜的な働き方をしている会社員のようで、勝手に自分自身を重ねていました笑
言わずもがなですが、言葉選びもとっても素敵ですよね。「なあ君、ファミレスを享受せよ。月は満ちに満ちているし、ドリンクバーだってある」
雑談で聴いたエピソードで、電車から金のカブトムシが見えて、降りるか迷ったけど会社に遅れてしまうし...と見逃してしまったというやつ。それが何かの出口だったんじゃないかともしもの世界で悶々としてしまうこと...全く同じ経験なんてしていないのに、私もそれすごくわかるよ、と向かいに座って話し込みたくなりました。
なんなんでしょうね、こう、今踏み出すことが私の人生の分岐だってなんとなくわかるのに、結局ステイを選んでしまうこと。そして結局ステイする方を選び取っているのに、まるで決断をしなかったかのように感じてしまうこと。ステイじゃない方を選び取っていれば、その先の世界が中身は見えないのに大変に輝かしく感じること。
仕事に明け暮れてる時、よくふと時間ができるとファミレスに来てパフェを食べるのが私のささやかな楽しみで、そんな時にガラスパンみたいな子がそこにいてくれたらダラダラとこんな話をしたいです。疲れたら酒!みたいなのとは違うのです。人間にはドリンクバーのメロンソーダとファミレスの雑談からしか得られない栄養があるのです。
セロニカ
彼は隠れファンが多そうな素敵男子だなぁと思いました。滲み出るいい人感。君の作ったTRPG私にも参加させてくれ...そして手前の物と奥のものの距離感が入れ替わってしまう話は完全に信じ込みましたよ。こうやって少しおちょくってくるところも憎い人ですね。
一方で、死ぬことができないかどうかを確かめるといった極端な動作に出るのも、会話の冷静さとは真逆の行動に見え、彼の存在感を、最初に強めたなと思いました。死ぬ気はなかった、と言いつつ、死んでも生き返るのかといった仮説も持って実行しているあたりその冷静さが少しだけ怖かったり。
ツェネズ
扉の向こうで姿を見せない何か。怯えているようではあるものの、やり取りはちゃんとしてくれる。涙が流せないといった話や、月に怯えることから、もしや人間ではないなお主!と直感で思いました。でも悪者ではなさそうだし、ただ不安がってるだけなのは本当にそうなのだろうなぁと。
主人公の雑談にも付き合ってくれるし、すごくいい子、という印象。コーヒーもすぐ入れてあげるよ!お姉さんに任せな!と思いましたね。
彼女がくれる間違い探しがあの某ファミレスSの超難解間違い探しばりに難しい!めちゃくちゃ楽しみました。途中から解くのが怖かったけど...
03.コーヒーをつごう
さて、雑談を一通りしたのでツェズネのお願いを実行します。選択肢で取り返しがつかないかも...なんて言わないで欲しい。分岐もないし思い切って押すと
溢れる、溢れるコーヒー、黒い液体、止まらない、止まらない、うわ、怖い?怖い?!
とホラー耐性ないので若干テンパりながら、ガラスパン、王様、セロニカが優しく声をかけてくれて落ち着きました。何も特別なことは起こってないのに怖かった...ひとつ目の怖かったポイントここです。
みんなにごめんね、と席をまわって話しかけても誰も責めるどころか本当に優しい...社会がこういう種類の人間構成比だったらきっと日々も平和に過ぎていくのだろうに。まあ損も得もなく、ただ永遠の時が流れるとなると人は皆優しくなれるのかもしれないですね。
さて、コーヒーを所望していた当の本人ですが、部屋にいないじゃあないですか!そうだと思ったけど!意味深なボタンと書類、さっき教えてくれた本、身長計みたいな計測器...ようやっと事態が雑談から動いてきた感じです。
vol.1後記
書いてみたら思いのほか長くなってしまったので、第一弾はここまで。そろそろ現実世界にファミレスから帰還します、嫌だけど。お風呂に入って明日に備えなければ、億劫だけど。
この後も記事を書いていく予定ですが、本当にこのゲームは短編ADVという限られた時間の中にぎゅっと魅力が詰まった素敵な美しい作品です。ありがちな表現になってしまってはいますが、本当にそうなのです。
また次の記事でお会いできると嬉しいです。
拙文をここまでお読みいただきありがとうございました。