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クリーン・エア

この作品はフィクションです。
私が所属しているHEARシナリオ部で書いた作品です。
月に一度テーマを決めて、部員で作品を書き合います。
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■登場人物

 

◎将一郎…被害者。

 

◎キミカ……将一郎の妻、アオイの母。

 

◎アオイ……将一郎とキミカの娘

 

◎カジタ イクエ……将一郎の不倫相手。

 

◎刑事(トミヅカ)……男性でも女性でも可、言い回しや語尾を変えても結構です。

 

◎アナウンサー

 

■スマホのメッセージ

 

(スマホのメッセ―ジアプリの画面。機械音声などの表現で)

 

―― どうしても別れないなら、家に火をつけてやる。

 

■書斎

 

(ファンヒーターの音 キーボードをカタカタ打つ音)

 

(扉を開く音。カランカラン ドアベルの音扉が閉じる音 キーボードの音)

 

将一郎: ん?……なんだー? 今は……あっ! うあッ がッ! うッ う……

 

(鈍器で後頭部を叩きつける音。何度も)

 

犯人: 重いものを置く音(しばらく間)。軽いものを置く音。ごそごそしながら、戸を閉める音。

 

(間)

 

 

 

(扉が開く音、カランカラン ドアベルの音、扉が閉じる音)

 

目撃者: ……えっ?(息を乱す)。

 

(扉が開く音、カランカラン ドアベルの音、扉が乱暴に閉まる音)

 

(走る足音)

 

 

 

ファンヒーターの音。スイッチ音と、ファンヒーター止まる。ファンヒーターの燃料カートリッジを取り出すような音。パタンとい蓋を開ける音。引き出すがちゃっという音。液体がトクトク出る音。

 

ライターかマッチの音。燃え上がる音。

 

(間)

 

消防車の音。

 

 

アナ:…………次のニュースです。16日深夜あきね市で二階建ての家屋が全焼し、焼け跡から一人の遺体が発見されました。この家のエトウ将一郎さん46歳と連絡が取れなくなっていて、亡くなったのは将一郎さんではないかとみて、身元の確認を急いでいます。なお、将一郎さんの妻と娘は、避難して無事だったとのことです……

 

 

■ホテル

 

(ピンポン)

 

刑事: (インターフォン)すみません。警察の者です。電話でお伝えしたトミヅカといいます。

 

アオイ: ………………はい……

 

(扉を開ける音)

 

刑事: あ、≪エトウ アオイ≫さんかな。(身分証を見せながら)……何度も、話しを聞いてごめんね。

 

アオイ: 火事の時とは違う人なんですね。

 

刑事: ああ、火災の時に話しを聞いたりする係は、違う担当だったりするんだ。何度も違う人間が、話しを聞いたりしてごめんね……。

今回は、大変だったね……お父さんだけじゃなくて、おうちも……

 

アオイ: ……………………

 

刑事: キミカさん……お母さんは、どうしてるかな?

 

アオイ: ベッドに……

 

刑事: 無理もない……おうちがあんなで、ホテル住まいじゃ……

 

アオイ: ……お世話になれる人がいないし、記者みたいな人が(ため息)…………母は……今は……無理だと思います。

 

刑事: そうみたいだね。もし、アオイさんが大丈夫だったら、アオイさんの話も聞きたいんだけど。

 

アオイ: わたしですか?

 

刑事: そう。ここだと、ちょっとアレなので、ロビーでお話聞いてもいいかな? 

 

アオイ: はい……

 

■ロビー

 

刑事: ほんとに大変なときにごめんね。このごろ冷えてきたよね。ここで寒くない? 

 

アオイ: いえ……大丈夫です。

 

刑事: 火災当時は、一階で寝てたんだったよね。本当に早く気がついてよかった……

 

アオイ: においは凄かったけど、まだそこまで火は回ってなくて……でも、家が……

 

刑事: うん……ほんとにそうだね……

ほかに……何か気づいたことはないかな? 

辛いことを聞くけど、お父さんを見つけたときのこととか。

 

アオイ: 父の部屋に入ったときは、もう火が凄くて。消せなくて。

父が、机でぐったりしてるのは、見えたけど……もう……

 

刑事: いや でも、一階の台所から、二階のお父さんの書斎まで、消火器を持ってきて消そうとしたんだよね。

なかなか、火事になったら消火器の事なんて気づけないものだよ。凄いなって思ったよ。それに、寝ていたお母さんも、助け出した……

 

アオイ: うちの学校、割合、災害の時に、どうしたらいいかっていうのを授業でやってて……お母さんも、そんなにすぐに、起きれない人だから……

 

刑事: ……アオイさんは、ベストを尽くしたと思う。悪いのは、犯人。お父さんを殺して火をつけた人間だ。

 

アオイ: …………はい。

 

刑事: ほかに何か気になったこととかないかな?

 

アオイ: あの……

 

刑事: ん?

 

アオイ: いえ……

 

刑事: 何か気になったことがあったら、ここに連絡してね。別の者が出るけど、私に伝わるようになってるから。

 

アオイ: はい……

 

刑事: 大変な時に、ありがとう。

 

アオイ: いえ……

 

■後日、ホテルの部屋

 

(ピンポン)

 

刑事: (インターホン)すみません。警察の者です。トミヅカといいます。

 

(扉を開ける音)

 

キミカ: ……はい

 

刑事: このたびは、本当に……先日は、娘さん、アオイさんと、お話させていただいて。

 

キミカ: はい……

 

刑事: アオイさん、ほんとに中学生なのにしっかりした娘さんで……中学生とは思えないくらい体も大きい方ですね……

 

キミカ: はあ……あの子は、ちょっと、大人びてるというか……なんかちょっと……いえ……

 

刑事: ……アオイさんは?

 

キミカ: ……今、寝ています。起こしてきましょうか?

 

刑事: いや。寝かせてあげてください。

ちょうどいい。キミカさんにも、お話を伺いたくて。ちょっと、ロビーでお話いいですか?

 

キミカ: ……はい

 

■ロビー

 

 

刑事: 何度も同じようなことを聞いてすみません。将一郎さん……ご主人、の遺体を最初に見つけたのはアオイさん。それで、あなたは、その間、気づかずに寝ていた。そうですね。

 

キミカ: ……はい。

 

刑事: けむたいとか、そういうことは……

 

キミカ: あのときは、薬が効いてて、ぼーっとしていました。薬が効いているときは全然、目が覚めません。いや、覚めてるというか、覚えてないときもあります。アオイに連れ出されなかったら、わたしも……

 

刑事: ああ……睡眠薬とか、メンタルの薬は、そういうのがありますよね。別の担当の者に話されたように、将一郎さん、本当に不倫を……

 

キミカ: ……はい……

 

刑事: そうですか……≪カジタ イクエ≫という名前だった……間違いありませんか?

 

キミカ: はい……

 

刑事: 随分、長い期間、その女性とご主人は関係があったとお聞きしました……


キミカ: はい。長いですね。何年になるか、はっきりわかりません。何度も、その人と別れてくれって言ったのに、あの人、別れずに、ずるずると……

 

刑事: ……(ため息)申し上げにくいのですが、ご主人のスマホを見たことはありますか?

 

キミカ: ……はい。それで、その女の人の名前を知りました。

 

刑事: 最近、ご主人のスマホを見たことは?

 

キミカ: ……いえ。ありません。

 

刑事: ……本当に? 気になったりはしませんか?

 

キミカ: 今さら、何を言っても聞きやしないので、諦めてました……それが……(ため息)だから見てないです。あの……

 

刑事: はい?

 

キミカ: あの、ちょっと、気分が……

 

刑事: ああ、すいません。体調の悪い所、ご協力ありがとうございました。

 

■また後日 ホテルの部屋

 

刑事: 今日は、お二人とも、大丈夫そうですか?

 

母娘: はい……

 

刑事: 今回は、まず、アオイさんから、お話を伺ってもいいですか?

 

アオイ: はい……

 

刑事: ……言いにくい話なんだけど、お父さんが不倫をしていたことは知っていた?

 

アオイ: はい。随分前から……

 

刑事: そう……お父さんのスマホを見たことは?

 

アオイ: あんまり……

 

刑事: あんまりっていうことは見たことはある……

 

アオイ: はい……

 

刑事: 最近、お父さんのスマホを見たことは?

 

アオイ: ……いえ。

 

刑事: そうか……

 

アオイ: ……スマホがどうかしたんですか?

 

刑事: ……お父さんのスマホにあるメッセージが送られていた事がわかっていて。それが、ちょっとね……

 

アオイ: え?……どんな?

 

刑事: アオイさんやキミカさんにまで危害を加えるって、そういうような内容を送った人がいて。

 

キミカ: それって、まさか……イクエって人じゃ……

 

刑事: ……はい。そうなんです。だから、≪カジタ イクエ≫も、署で取り調べをしています。

 

アオイ: (かすかなため息)

 

キミカ: それじゃあ、犯人は……

 

刑事: 実は、≪カジタ イクエ≫も、あの事件のあった日に、現場に来ていて「書斎で死んでいる将一郎さんを見た。でも、自分は殺してないし、火もつけてない」と言ってます。

「家中の電気が消えていて、玄関のドアも空いていたから、変だと思って、そのまま入っていった」と。

ご自宅にいたる経路、今は、いろんな場所に監視カメラがあるから、人の移動経路を追えるんですよ。それをチェックしてみると、確かに、≪カジタ イクエ≫も、現場へやってきたであろうことは確認できたんです。

 

アオイ: それじゃ、その人が犯人じゃ……

 

刑事 いや……引っかかる事がいくつかあります……

 

アオイ: 引っかかることって、何ですか?

 

刑事: ……≪カジタ イクエ≫のスマホのメッセージアプリ……将一郎さんから、こんなメッセージが来てたんです。

「今日、大事な話がある。会いたいから、23時に家に来てほしい」って。

 

アオイ: それの何が変なんですか?

 

刑事: 普通は、人の自宅に行ったら呼び鈴を鳴らすものでしょう? 

それなのに≪カジタ イクエ≫が、家にいた人に気付かれずに、玄関を抜け書斎まで来れてしまったのも、不自然なのですが……

まあ、それは置いておいても、もう一つ。

将一郎さんは、後頭部を鈍器で殴られていた。部屋に転がっていた金属のオブジェが凶器のようですが……

重要なのは傷が後頭部だけにしかないことです。これが、ちょっとね……

 

アオイ: ………………それの何が変なんですか?

 

刑事: 後頭部にしか傷がないってことは、犯人が入ってきたのに、将一郎さんは、振り返らなかったってことなんです。

パソコン作業をしてたみたいで、一回目の殴打のあと、机の上半身がうつ伏せの状態に倒れてしまって振り返れなかったようですね。

何度も後頭部を殴られて死んでいた。


母娘: ……

 

刑事: ……もし、前もって来てほしいと、メッセージを送った相手がいたとして、それを待っている状態なら、その人が来たかもしれない形跡、足音とか……そういう物音があるなら……必ず……振り返るはずなんです。

でも、将一郎さんは、振り返らなかった。

これは、二つのことを示していると思いました。

振り返らなかったということは……この日、誰かが外部から来るかもしれないという認識を将一郎さんは持っていなかった。

不倫相手が来るかもしれないなんて状況で、誰か来たのがわかったのに振り返りもしないというのは、ちょっとね……

ということは、そもそも将一郎さんはメッセージを送っていなかった可能性が高い。

それなら、誰かが入ってきているのに、なんで将一郎さんは振り向かなかったのか?

考えられるのは……犯人は……部屋に入ってきて声までかけられているのに振り向かないという態度ができる相手。

……一緒に住んでいるパートナーとか……家族とか………

犯人は入ってきたとき、将一郎さんに声をかけたんじゃないかと思います。

その声を聞いて……振り返るまでもない相手だと思ったから、将一郎さんは、パソコン作業をやめず振り返りもしなかった。

それで、何度も後頭部を殴られて殺害された。

そのあと、誰かが……まあ、恐らく犯人でしょうけど……将一郎さんのスマホから「大事な話があるから来てくれ」と≪カジタ イクエ≫にメッセージを送った。

 

キミカ: ちょっと! それって、私か娘か、どっちかが、犯人って言いたいんですか? 

犯人が近づく音に主人が気づかなかっただけじゃ……

 

刑事: …………火災が起きた書斎で、ドアベルが見つかってます。

将一郎さん、書斎のドアにドアベルをつけていたんですね。

アンティークなデザインで凄く凝ったドアベルですね。

綺麗な音色ですが、かなり大きな音がする。

ご主人は、こういう趣味をお持ちだったんですか?

 

キミカ: …………それは………私が………若い頃……主人に……

 

刑事: ああー ……奥さまのプレゼントだったんですか。

…………昔のことで忘れてましたか?

 

……調べたら、とても高価なものだし、なんで書斎のドアなんかにあったんだろうと思っていました。

そうだったんですか……個人の書斎にこういうものをつけるなんて、かなり珍しいですからね……


アオイ: …………(息を飲む)

 

刑事: ……これを鳴らさないで、犯人が……将一郎さんの書斎に入れたとは、ちょっと考えられないんです。

火災現場にあって炎に晒されたのに、ベルを振ってみたら、鈍いけど……それでも音がしました。

だから、事件当日、ベルが壊れていたとも考えにくい。

……ドアベルが鳴らないような細工を誰かが事前にやっていたとしても……

それもまた、家の中に自由に入れる人物じゃないと不可能です。

≪カジタ イクエ≫には……無理なんです。

≪カジタ イクエ≫が来て、将一郎さんを殺害したのだったら……

この状況で後頭部だけ殴った……というのは、どうしても……辻褄(つじつま)が合わない……。

 

キミカ: いや……ドアがもともと開いていたかも。

 

刑事: ……暖房をつけるくらい寒い夜に? 

 

キミカ: 換気とか! そう、換気!

 

刑事: ……換気なら、普通はドアではなく、窓を開けますよね。

 

キミカ: イヤホンとか、ヘッドホンで音楽を……

 

刑事: 将一郎さんの遺体に、イヤホンとか、ヘッドホンをしていたような、そういう痕跡はありませんでした……

 

キミカ: でも、だったら……いや……

 

刑事: …………はい?

 

キミカ: わたし……わたし……わたし……

 

刑事: ……はい?

 

キミカ: 主人を殺したのはわたし!

 

刑事: ……………

 

キミカ: あんな男、何度殺しても……

 

アオイ: もうやめて……

 

キミカ: 犯人はわたしよッ!

 

アオイ: もうやめて!

刑事さんは、もう、わかってるんでしょう?!

犯人は、ママじゃない。あたし!

 

刑事: …………

 

キミカ: ああああ

 

アオイ: あいつが寝ている間、スマホを見た。あのとき、あいつ、酒飲んでいびきかいてた。

「なんで、奥さんと別れないの? どうしても別れないのなら、家に火をつけてやる」って、あの女がメッセージを送ってきてた。だから!

 

刑事: キミカさん。あなたが、ドアベルのことを忘れていた時点で、あなたは、犯人じゃない。

もうあなたは、何年も、書斎に近づくことすらしなかったんじゃないですか?

家族の犯行だと、私が言ったから、あなたは考えた。自分じゃなかったら残っているのはアオイさんしかいない。

だから、アオイさんをかばって、自分が犯人だと言った……

でも事件当時、キミカさん……あなたは、睡眠薬で眠っていたんですよね。

事件当夜担当した者も……あなたはしばらく朦朧としていて、受け答えがはっきりしなかったと言っていました。

朦朧としてるのを装うなんて、簡単にできるものじゃない。

あなたは、睡眠薬で深く眠っていた。

その間……

アオイさんが、家中の電気を消し、玄関を開ける細工をしていたとしたら……

≪カジタ イクエ≫が、書斎まで入って来れてしまったことも……

あの夜、書斎に入ってきた人物がアオイさんだったのなら、将一郎さんが振り返らなかったことも……辻褄が合う……

 

キミカ: (泣き声)

 

刑事: アオイさん……なぜ、お父さんを……

 

アオイ: ううううっ!(テーブルを殴る)

(怒りの大きな息使い)…………あいつと血が繋がってると思うだけで、本当に気持ちが悪かった。吐き気がした。

ママを傷つけて、不倫して。汚くて。汚くて。汚くて。

酔っぱらうと、あたしにまで、いやらしい目つきをして、迫ってくることがあった。

あんな汚いもの燃やしてやりたかった。

そんなとき、居間で酔っぱらって寝てるあいつのそば通った時、スマホに、何か着信した音がして覗いてみた。

あの女のメッセージだった。

ちょうどいいや。

殺して燃やしてやれって思った。

そうしたら、あの女が疑われる。

別のSNSのアカウントも、あいつのスマホで知って、そっちでもあの女とやり取りをしてるのを知った。

気持ち悪くて大嫌いなのに、なんでだかずっと、あの女のSNSばっかり見てた。

仕事の愚痴ばっかだったけど、ずっと見てたら、あの女の行動パターンとか、予定までわかるようになっちゃった……

それで、あの日、あの女が、仕事でこの近くのどっかに泊るってことも知ってた。

 

……あの日……あいつは、いつもみたいにパソコンに熱中してた。

何やってんだか知らないけど、パソコンやってるときは、いつもそう……

入っていって声をかけても、振り向きもしなかった。

いつも通りいいタイミングだって思って……殴ったのに……

 

あいつが死んだあと、あいつのスマホであの女に「大事な話があるから来てくれ」ってメッセージを送った。

家中の電気消して、玄関のドアを少しだけ開けておいて、あの女が来るのを待ってた。

そんな急に言われても、来れないかもなーって思ってたのに、あの女がやって来たときは笑えた。


そして……死んだあいつを見て、あの女が、びっくりして出ていった。


あたしは、あいつの部屋に灯油を撒いて火をつけた。

消火器も一応やってみたけど、火は消えなかった。

でも、消えないかもって、そんなことも、うっすら思ってたから……

だから「いいや、全部、燃えちゃえ」って思った。

別に捕まってもいい。みんな燃えちゃえって……

 

キミカ: (嗚咽)

 

刑事: …………


アオイ: (泣き笑い)

 

ねえ。なんで、あんなのが家族なの?

 

あんなクズと、離れたかったけど、どうしていいかわかんなかったんだもん……

 

クラスの友だちの話聞いてるとさ。家族の空気がさ。凄く、あったかくて、綺麗で。そりゃあ、家族の悪口を言ってるのも聞いたけど、全然、うちの家の空気よりも、滅茶苦茶、健康的で綺麗な空気だって思ってた。

「なんで? 自分ばっかり?」って、学校に行きはじめたときから、ずっと、ずっと、思ってた。

 

ねえ、刑事さん……どうして、家族って選べないの?

 
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