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自分にララバイ

みなさん、寝つきはいいほうですか?

私はあまりよくなくて、寝入るまでに少なくとも30分はかかってしまいます。寝る前にスマホを見ず、照明を落とした部屋でゆっくり過ごし、眠気が来たなと思ったところですかさずベッドに入るのだけど、目を閉じてもやっぱりすぐには眠れない。常備してある文庫本を開き、やっと読めるほどの灯りの中で5、6ページ読み進めると、本格的にうとうとしてくる。スタンドの電気を消して就寝、という流れでした。

1週間前までは。

横になったらすぐに寝られるという、大変羨ましい体質の人が、こんなことを言ってたんですよ。

「寝ようと思ったら30秒で寝られる」

いつもなら、ああそうですか、いいですね、で聞き流すところだけど、ふと引っかかったんですね。

"寝ようと思ったら”

という言葉に。

「寝ようと思う」ことは、寝つきのよくない私にとっては禁忌です。寝よう、寝ようと思うほど眠れない。寝よう、寝なければ、早く寝ないと明日がしんどい、早く寝よう、寝るのだ私!と言い聞かせるほど目が冴える。眠れない。

それが辛いから、「眠れないときは無理に寝なくてもいいんだ。どうしても眠れないならベッドから起き出して、何かやりたいことをすればいいんだ」と考え、なかなか眠れない自分を許し、ケーブルテレビで映画を見たあと、朝5時頃から眠り出す。7時起床。睡眠2時間。頭が働かないまま一日を過ごすはめになる。

こういう自分と長年つきあってきました。寝つきが悪いのはもう仕方がない。そういう体質なのだ、自分は。いまさら睡眠の質を向上させることなどできるはずもない。そう諦めていました。

「寝ようと思えば寝られる」

たった30秒で入眠できる人の言葉に、私が感じた、ある引っかかり。

もしかすると私には、「さあ、いまから寝よう」と思う素直な心が足りないのではないか?

ベッドに横になったって、どうせすぐには眠れないんだ。私は寝つきが悪いんだ。まあ一応目は閉じるけどね。だからってすぐには寝られないんだよ。そんなことはわかってますよ。目は閉じますけどね。

それから20分ほどが経ち、ほーら、やっぱり今夜も寝られない。わかってましたよ。寝られないんだよ。すぐに寝られない人なんですよ、私は。

毎晩繰り返しているこの「どうせ眠れない」思考を手放し、まず寝る気になってみるのはどうだろう?

と言っても、「寝よう、寝なければ」といういつもの「追い込み型」ではダメです。
もっと自然と自分を眠りへ導くことができる、何かいい方法はないものか。


ありました。


子守唄です。


こどもを寝かしつけていると、親も一緒になって寝ちゃうという話をよく耳にします。寝かせるためには、眠くなるように部屋の環境を整え、こどもの隣で親も横になり、さも「いまから君と一緒に寝ちゃうよ〜」という雰囲気を出すことが必要です。親も一緒に寝てくれそうだと安心したこどもが寝入る姿を見ているうちに、自分の瞼も重くなる。

とても自然な入眠の形。

これを応用してみよう。


寝かしつけたいのは、こどもではなく私です。
寝かしつけるのも私。

つまり、自分で自分を寝かしつけるのです。

手順は次の通り。


  1. ベッドに入り、横になる。

  2. 目を閉じる。

  3. 「さあ、寝る時間だよ〜。寝ようね〜。いい子だね〜」と自分の脳に語りかける。

  4. いつのまにか入眠。



1週間試しました。

夜中、トイレに起きたあとも、これをやりました。

その結果、成功率100%!


30秒とはいかないまでも、3分で寝られます。本当です。
寝入るのに30分もかかっていた、これまでの数十年間が嘘のよう。


やり方に少しコツがあります。
恥を捨て、本気でやること。
ほかに誰も見る者はありません。心の底から「寝かしつけられるこども」になりましょう。

「さあ、寝ますよ〜。寝ましょうね〜。いい子ですね〜」と脳に語りかける隙間に、たぶんいつものアイツが顔を出します。「明日、朝イチ会議だよ、やだなあ」とか「お弁当のおかず何にしよう」などです。私の場合は「あのキャラのセリフ、もっとしっくり来るワードないかなあ」です。寝る前に考えなくてもいいことが次々と頭に浮かび、ついそちらに気を取られてしまう。

「あっ、また余計なことを考えてる!」と自分で気づいたら、すぐに寝かしつけモードに入りましょう。
「さあ、寝ましょうね〜。いい子ですね〜……あの資料もう一回見直さなきゃ寝ましょうね〜。ほーら、いい子ですね〜」

間髪入れずに「寝ようね〜」をかぶせます。

自分の脳を寝かしつけながら、ゆっくり呼吸することも大事。吸ってー、吐いてー、寝ようね〜、いい子だね〜、眠たくなってきたね〜、吸ってー、吐いてー。これを3分ほどやっていたら、知らない間に寝ています。ほんとに。


寝つきのよさに必要なのは、こどものような素直さであると、私は結論づけました。

なかなか寝られず困っているあなた。
今夜から、自分にララバイ。
お試しください。

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