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今日もコツコツ花の種を蒔く

私は小さな家に住む、所謂一般人。世間ではサスティナブル、SDGsなどのワードをよく聞くけれど、「未来のために今できる事」がどうにも思いつかずに今日まで過ごしてきてしまった。

そんな私でも、今年から一つだけ始めたことがある。
近所の公園整備のボランティアだ。

私の1日は近所の公園への朝の散歩からはじまる。

変化に乏しい何気ない毎日でも、花や香りで季節を感じさせてくれる。
仕事で失敗してしまった時には、カラフルな色合いが「元気を出して!」と励ましてくれる。
恋をした時は、蝶々がウキウキした気持ちを盛り上げてくれる。

私の暮らしに彩りを添えてくれるその公園は、私の生活の一部なのだ。そんな公園に恩返しをしたいとある時ふと思い、ボランティア募集のチラシを握りしめてとうとう管理棟の門を叩いたのだった。

参加してみると、ボランティアの方々は高齢の方も少なくない。そのためか「無理をしない」をモットーに、皆さんマイペースに活き活きと活動されている。最近よく耳にする「持続可能」の最先端を走っているかのようで、ちょっぴり自慢の団体だ。

その中で、未経験且つ若手の私にできることは何かと探していると、1つだけ重要な作業を発見してしまったのだ。それは、花の種蒔き。季節ごとに色とりどりの花を各花壇に植えるためにはまず、大量の花の種を一粒ずつ種蒔きトレーに蒔く必要がある。しかし花の種はコロコロ転がり小さいものも多く、これが老眼の目には辛い作業となるのだ。

そこで私の出番である。元々手先が器用でコツコツ作業が得意な若手の私は、種蒔きが全く苦にならない。お役に立てるならと、積極的に種蒔き作業をさせてもらうようになった。

公園で作業をしていると、朝夕は犬の散歩の方々がいて、午前中はグラウンドゴルフや体操をしている方々がいて、午後になると子供たちが笑い声と共に走り回るその様子を直に感じられる。「私と公園」だった関係性が、「私と公園と地域」に広がる瞬間だ。

あぁ、私は地域の憩いの場を作っているのだな。将来を担う子供たちが、自然と触れ合い学ぶ場を作っているのだな。お父さん、お母さん世代が歳を重ねても活き活きと集まれる空間を作っているのだな。今だけでなく、ちゃんと地域の未来のために今できる事をしているのだな。

と実感しながら、前かがみの作業で張ってきた背中を伸ばし空を見上げる。そしてちょっぴりドヤ顔で、再び花の種をコツコツ蒔くのだ。

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