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私を構成する42枚 Part3

最終回、私を構成する42枚の上位14枚について
前回記事は↓


14.フジファブリック/TEENAGER (2008)

 フジファブリックの3枚目のアルバム、そして志村さんとの出会いのアルバム(存命時にライブ観に行けなかったこと今でも後悔してる) チャット・アジカンとあわせて高校生の頃にめちゃくちゃ聴いてて、まさに自分のティーンエイジを彩ってくれた 「TEENAGER」は前作までと少し雰囲気変わって、かなりロック色・ポップ色が強めになった感はあるけど、曲の完成度は変わらず(むしろより一段高みに到達したと思う) 曲も粒揃いで、邦楽ロックの金字塔M4「若者のすべて」、M2「記念写真」、M12「星降る夜になったら」、M13「TEENAGER」、、若者に刺さる曲が多数入ってるのでまだ聴いてないティーンエイジャーはいますぐ聴いて青春の1ページにしてほしい

全然話変わるけど、志村さん存命時のフジファブリックは好きだけど、山内さんボーカルになってからのフジは全然聴いてないって人、かなりいると思う(この記事を読んでくれた人の半分以上はそうじゃないかな) 確かに志村さん時期と比べてアプローチは変わったかもしれないけど、名曲・名盤揃いなので、一度は聴いてみたほうがいいです 自分のおすすめアルバムは「LIFE」「F」です

■特に好きな曲
 M2 記念写真:フジファブリックで1番好きな曲 自転車で疾走してるようなイントロ、明るいサビが大好き でも歌詞はかなり切ないこと歌ってる、その反比例がよりこの曲の良さを引き立てていると思う

 M4 若者のすべて:フォロワーさんが企画してくれた「邦ロックベストソング100」で見事1位だった フジファファンにとってもそうでない人にとっても、永遠に大切にされる大名曲だと思う

 M8 ロマネ:QUEENの某曲的なリズムに合わせて日々誰もが思うような感情を歌う ギターソロも意識してる感ある 歌いやすくてメロディーが超いいのでカラオケでよく歌っては涙目になる

13.毛皮のマリーズ/Gloomy (2009)

 4枚目のアルバム 「毛皮のマリーズ」との出会いは2010年春の頃 もともと自分は「すかんち」ってバンドが大好きで(このバンドも後で語る)、似たような音楽をネットで探してみたところ「ボニーとクライドは今夜も夢中」って曲にたどり着き、妖艶な志磨さんのボーカルと西くんのロックンロールなギター、好みすぎるグラムロック・サウンドに衝撃受けて、少ないお小遣い切り崩し当時出てたアルバム全部即買った 初めてライブで志磨さん見れたときはマジで泣いた 親にお金借りて地元から数時間かけてラストライブにも行った 2011年12月31日の解散まで、(他のバンドもいろいろ聴き漁ってたのもあるが)人生で一番濃い1年半だったと思う

 アルバムの話が全然できていない、、、そんな思い入れあるマリーズ(+ドレスコーズ)の作品群の中でも「Gloomy」が一番好き 初期3作のガレージ路線とは打って変わって内省的・諦観的・宗教的な世界観 サウンドは60年代を彷彿とさせるオールドロック、というか所々モロだ 厭世的なM1「チャーチにて」からはじまって、ぶっとんでるM2「人間不信」、暴動のようなM3「愛する or die」、ビートルズライクM4「Honey Apple」、歌詞が泣けるM5「ザ・フール」、M6「人生II」を挟んでヘビーメタルM7「God Only Heavy Metal」、泣けるバラードM8「超観念生命体私」、洋楽と邦楽の融合M9「小鳥と私」、アンセムM10「恋をこえろ」、歌詞が泣けるピースフルソングM11「平和」、旅立ちの歌M12「The Heart Of Dixie」、1曲目に繋がるM13「悪魔も憐れむ歌」、どれも印象的 歌詞の世界観とオマージュはありつつも見事に志磨色に昇華させたオールドロックサウンドが融合した、2000年代後半の大名盤だと思う

■特に好きな曲
 M6 人生II:めちゃくちゃかっこいいストレートなガレージ・ロック メロディラインも超綺麗 尾崎豊みたいな世間に対する反抗を綴る歌詞も影響受けまくった

 M8 超観念生命体私:ピアノから始まる美しすぎるメロディー、何回泣いたかわからない 純粋で一途でどこか悲しい歌詞も大好き 特に冒頭の「いつか出会った人が、皆僕を嫌ってたっていいのだ 君がいるなら」って歌詞はすごすぎる

 M12 The Heart Of Dixie:実はアルバムで一番好き 自分はバイクで色んな所旅するのが好きなんだけど、いつも旅立ち前にこの曲を聴いて気持ち奮い立たせてる 洋画のワンシーンを切り取ったような歌詞も大好き

■Gloomyの影響元(と個人的に考えている)一覧
 M1 チャーチにて:ベルベット「candy says」
 M2 人間不信:ビートルズ「Birthday」(いうほど似てないかも)
 M3 愛する or die:ベイシティローラーズ「Saturday night」
 M4 Honey Apple:ビートルズ「Get Back」
 M7 God Only Heavy Metal:ビートルズ「Helter Skelter」、「I am the Walrus」
 M8 超観念生命体私:ビートルズ「Cry Baby Cry」
 M9 小鳥と私:ビートルズ「And Your Bird Can Sing」
 M10 恋をこえろ:ビートルズ「A Hard Day's Night」(最後だけ)
 M11 平和:ビートルズ「Strawberry Fields Forever」、「In My Life」
 M12 The Heart of Dixie:ビートルズ「Lady Madonna」、「I Want To Tell You」
 自分がわからないだけで他にも絶対あるはずなんで、フォロワー、教えてください

12.andymori/andymori(2009)

andymoriの全曲レビュー書いたので、↓に移行しました


11.サニーデイ・サービス/東京 (1996)

 2枚目のアルバム 特に10枚目の「DANCE TO YOU」以降、傑作を産み続けてライブパフォーマンスでも最高を更新し続けるサニーデイ・サービスの大名盤 音で選ぶなら最近の「いいね!」「DOKI DOKI」のが正直好みなのだけど、「構成する」という観点なら絶対これ サニーデイは20歳くらいのとき「東京」を聴き始めて、このアルバムの叙情的・感傷的・多幸的な歌詞とサウンドに心打ちぬかれてそこから大学卒業くらいまでの3年間、心の拠り所になってくれた(大学4年間で1番聴いたアルバムだと思う)
 M1「東京」から既に桜満開の風景が目に浮かんでくる そこから大名曲M2「恋におちたら」の繋ぎも美しすぎる ハッピーなM3「会いたかった少女」、朴農的なM4「もういいかい」、美しいイントロM5「あじさい」、大名曲M6「青春狂走曲」など特に前半の流れはすごすぎる もちろん後半のアコースティックな曲が並ぶ構成も好き 夏と冬の曲もいくつかあるけど、「サニーデイ・サービス」は春の季語だと思う

■特に好きな曲
 M2 恋におちたら:イントロのウッドベースから名曲の予感 静かな曲展開から爆発するサビの曲構成で心全部持ってかれる 恋人との情景を綴った歌詞はもう文学の域だと思う

 M6 青春狂走曲:個人的にも一般的にもサニーデイ・サービスといえばこの曲 早口なボーカルで若者の焦りややりきれなさを歌う ライブでもほぼ毎回演奏してくれる定番曲

 M8 真赤な太陽:アルバムで一番好きな曲 ハーモニカとアコギとピアノの絡みが美しすぎる 彼女とうまくいってる感あるけど「二人はからからから回りするんだ」らしい、、「歩き疲れたらそこのコーヒー屋で休むふりしてほかの女の子を見るんだ」、男なら誰しもやるよね

10.くるり/図鑑 (2000)

 2枚目のアルバム 「くるり」はフォークロック、エレクトロニカ、和ロック、UKロック、クラシック、、アルバムごとにテーマが変わるので掴みどころがなくて、バンドについて語るのが難しい 「図鑑」は初期くるりならではの、イライラや焦燥感を見事に曲に昇華させた大傑作だと思う
 サウンドもいろんな要素のごった煮で、M1「イントロ」からカオスな雰囲気、そこからM2「マーチ」・M3「青い空」で疾走、前衛的なM4「ミレニアム」・M5「惑星づくり」、不穏なM6「窓」、イライラしたオルタナティブM7「チアノーゼ」、きれいなバラードだけど歌詞がやばいM8「ピアノガール」、環境音楽のようなM9「ABULA」、きれいなフォークソングM10「屏風浦」、歌い出しから衝撃的なM11「街」、キチ●イとしか思えないM12「ロシアのルーレット」、明るいのに無常観あふれるM13「ホームラン」、長尺エレクトロニカM14「ガロン」、アルバムの良心M15「宿はなし」 、、超バラエティ豊かなのに不思議と統一感がある 

■特に好きな曲
 M3 青い空:イントロからエンジン全快の必殺オルタナティブロック タイトルとは裏腹に焦り・虚無感・イライラ感が見事に表現された大名曲

 M8 ピアノガール:きれいなバラードなのにしょっぱなから「彼は悪魔に血を売ったんだ 歌姫にそそのかされて」と歌う おかしくなった男を見守る女の子の歌

 M11 街:昭和歌謡的なメロディーなんだけどサウンドは感情爆発してる この曲に影響されて夕暮れのスーパーマーケットの前でよくタバコ吸ってた

9.thee michelle gun elephant/High Time (1996)

 伝説のロックバンド、ミッシェルガンエレファントの2枚目 チバさんの影響受けてタバコ吸い始めたし(銘柄はラッキーストライク)ビール好きになったしこれからも永遠の憧れで居続けると思う ミッシェルから1枚選ぶとき、「ギヤ・ブルーズ」と「High Time」どっち選ぶか迷った 「High Time」選んだのは軽快な曲が多くて聴くシーンを選ばないから、という微妙な差(ギヤ・ブルーズは濃厚でヘビーなので腰を据えて聴きたいというのもある)どっちも違う方向性ではあるけどロックンロールの大名盤

■特に好きな曲
 M3 恋をしようよ:曲名の元ネタはルースターズの曲からかな?(曲調は全然違うけど) この曲全然人気ないけどめちゃくちゃ良いと思う 歌詞は不思議な世界観 サウンドはジャキジャキしたガレージサウンドがかき鳴らされててとにかくかっこいい

 M5 シャンデリヤ:天才ギタリスト アベフトシの本領発揮 イントロだけで1分あるけどカッティングがかっこよすぎるからいつまでも聴いていたくなる

 M11 スロー:この曲もあんまり人気ないけど超良いと思う 綺麗なメロディー・かわいらしい歌詞と相反する、力強くて軽快なガレージサウンドが印象的

8.BLANKEY JET CITY/BANG! (1992)

BJC全曲レビュー書いたので、↓に移行しました


7.スピッツ/名前をつけてやる (1991)

スピッツ全曲レビュー書いたので、↓に移行しました

ここからのアルバムは別格で好きなので、全曲語ります

6.大槻ケンヂ/I STAND HERE FOR YOU (1995)

 サブカル界のカリスマ的存在、大槻ケンヂのソロワークの2作目 大槻ケンヂの出会いは親の影響で、中1くらいから筋肉少女帯を聴き始めたのがきっかけ 歌詞と本にかなり人生観に影響を与えてくれたし今の自分を構成した大部分がオーケンだと思う
 このアルバムは鬱と絶望と妄想をフルパッケージそいた問題作「レティクル座妄想」の後にリリースされた作品で、「生きづらさへの救済」というテーマが一貫して貫かれてる 大槻ケンヂの歌い方も歌詞もメロディーもサウンドも何もかもが優しい 死にたいと思っている人・失恋した人・未来が見えない人にはこのアルバムを勧めたい

■全曲感想
 M1:青春の蹉跌のテーマ PART1:「青春の蹉跌」という映画のテーマ曲 儚げなピアノと力強いオーケンのセリフが印象的で、アルバムの世界観を見事に表現している

 M2::モンブランケーキ:大槻ケンヂソロの代表曲といってもいい、「輪廻転生」をテーマにした大名曲 死に別れた恋人たちが、何回も生まれ変わってやっと出会い直すという歌詞は涙なしには聴けない 曲の最後はあの菅野美穂がセリフで参加

 M3:猫のリンナ:チープトリックのカバー、個人的にも大好きな曲で、「人生で好きな曲ベスト10」を企画するなら絶対この曲をセレクトするくらい好き TwitterのID(nekono07)もこの曲のタイトルからとってます ギターはすかんちのローリー寺西、ベースは同じくすかんちのshima-chang、ドラムはユニコーンの西川さんと超豪華(というか俺得すぎる) 歌詞は飼い猫の「リンナ」への愛情を綴っていて、猫飼っている人なら絶対刺さる 

 M4: 青春の蹉跌のテーマ PART2:1曲目のオルゴールVer、ボーカルレスのインスト曲

 M5:ののの唄:オリジナル曲 「のの」っていう女の子を想う男の子の曲 主人公の男の子のやさしさが前面に出た歌詞が大好き 筋肉少女帯の名曲「香奈、頭を良くしてあげよう」の兄弟曲的な立ち位置だと思う

 M6:FOOLISH GO-ER:ZELDAのカバー HR風なギターサウンドと感情がこもったオーケンのボーカルが特徴的 歌詞は今でいう「メンヘラ」的な女の子を歌っているけどなかなかヘビーだ

 M7:それでも、また会えたらいいね:筋肉少女帯の名曲「また会えたらいいね」のセルフカバー かなりスローテンポかつ重い雰囲気 原曲のほうが好きかな、、

 M8:青春の蹉跌のテーマ PART3:アルバムの核を成す曲 「PART1」は1分少々のショートVerだったけどこれは5分半あるフルVer とにかくオーケンの歌詞が良い、本当に良すぎる オーケン自身もこれまでたくさん苦しんできたからこんなに優しいメッセージをかけるんだろうな 一番の聴きどころはラストの「生きていこう」、かなりエヴァっぽい(多分エヴァの監督が影響受けたのでは?と思ってる)が泣ける

 M9:お世話になりました:井上順のカバー、前曲が重い雰囲気から一転、昭和の雰囲気漂う名曲 「下宿のおばさん」「煙草のおばあちゃん」「おそば屋のおじさん」、、周りの人生の先輩の優しさに感謝してこれから新生活を歩んでいくっていう歌詞が大好き

 M10: 天使たちのシーン:小沢健二の大名曲のカバー M3「猫のリンナ」と同じく、「人生で好きな曲ベスト10」を企画するなら絶対この曲をセレクトするくらい好き 原曲は淡々とした歌い方だったけど心のこもった情熱的(というかちゃんと歌っていない)な歌い方になっている ギターとピアノは筋肉少女帯の橘高さんと三柴理さん、後半のギターソロ・ピアノソロも痺れるくらい良い とにかく最高のカバーなので、オザケンが好きな人は一度は聴いたほうがいい

 M11: 青春の蹉跌のテーマ PART4:10曲目のストリングスVer 前曲がヘビーで濃かったのでここで一休み、アルバムを締めくくる小曲(もう一曲あるけど) 

 M12:あのさぁ:オリジナル曲 アルバムを締めくくるに相応しい、誰が聴いても涙するであろう優しい名曲 今でもソロライブでこの曲歌うから、オーケン本人も気に入ってそう


5.筋肉少女帯/月光蟲 (1990)

 5枚目のアルバム 筋肉少女帯だけで21枚のアルバム+大槻ケンヂ関連(特撮、電車、ソロ、空手バカボン)も合わせると50枚近くオリジナルアルバムあるし、どれも大好きなアルバムだけど、このアルバムを一番よく聴いている 「月光蟲」はほぼ全曲「月」のことを歌ったコンセプトアルバムで、筋少らしい怪しくて奇怪で猟奇的な雰囲気漂う大傑作 全10曲すべてストーリー性があるので、短編小説を読んでるような充実感も味わえる 代表曲・人気曲も何曲か入っているので、筋少ファンの中でも「レティクル座妄想」と並んで人気あると思う 

■全曲感想
 M1 風車男ルリヲ:不穏なアコギの弾き語りから「月光蟲」がはじまる ただ音像がはっきりしないし謎の足音も聞こえる 大槻ケンヂの歌声がうめき声になるところで毎回鳥肌が立つ 

 M2 少年、グリグリメガネを拾う:メロディーの立った軽快なハードロック なんでも中身が透けて見えるメガネを拾った少年が、見てはいけない物を見てしまった歌  中でも「あの娘の中が見えるよ ひしめきあってるそいつは無数の目玉さ その目玉が涙に濡れ君を一斉に見た」という歌詞にゾクゾクする

 M3 デコイとクレーター:幻想的で月面を旅しているような、静かな夜に聴きたい綺麗な曲 ただ例によって歌詞はかなり不穏、「君」は囮になってこの世から消えてしまう、、

 M4 サボテンとバントライン:シングル曲 全10曲のそれぞれの物語のなかでも一段とスリリングな歌詞 サウンドはブラスの効いた軽快なポップ・ロック、好きな人多そう

 M5 夜歩くプラネタリウム人間:この曲めちゃくちゃいいと思う オーケンと女性ボーカルのデュエットが神秘的な雰囲気を助長させてる サビの「人間!」っていうコーラスが超かっこいい、満点の星空の下で聴きたい

 M6 僕の宗教へようこそ:ペテン師が「僕の宗教に入れよ!」って勧誘する曲 歌詞のほとんどが誘い文句なんだけど怪しくて絶対関わっちゃいけない感満載 サウンドはポップなんだけど、大サビでオペラ歌ったりで一筋縄ではいかない

 M7 悲しきダメ人間:アコースティックで可愛い曲 ダメ人間同士のカップルを歌った歌詞が物悲しい

 M8 少女の王国:アルバムで一番好きな曲、この曲はすごすぎる 破滅的で叙情的な歌詞が冴えわたったQUEENみたいなバラードロック 満月見ながら聴くと泣きそうになる

 M9 イワンのばか:筋少の代表曲でライブの定番曲 情熱的なヘビーメタルにイワンの人生を歌う 2番終わりのギターバトルも超かっこいい、ライブで聴くとヘドバンしすぎて首もげそうになる

 M10 少女王国の崩壊:インスト曲 音だけで8曲目で作り上げた「少女の王国」が崩壊していく やりきれない感情で「月光蟲」が終わる

4.すかんち/OPERA (1993)

 4枚目のアルバム 「私を構成する42枚」の上段10枚の中で聴いたことない人が最も多そうなのが「すかんち」なんじゃないかな だけど好きなアーティストベスト3に入るくらいすかんち(ROLLY)が好き(他はヒロトマーシーと大槻ケンヂ) 出会いは「さよなら絶望先生」っていうアニメのED「マリオネット」だった この曲のポップなんだけどどこか怪しい世界観が好きで、ROLLYのソロと「すかんち」のCD何枚か買ったら見事ドハマりした そんなROLLYの傑作群でも最高傑作がこの「OPERA」だと思う 

 まず「OPERA」の世界観を完璧に表現したジャケットが超かっこいい 好きなアルバムジャケット何?って聞かれたらこのアルバムを挙げるくらい好き サウンドはQUEEN/レッドツェッペリン/ラズベリーズなどの70年代ロックをオマージュしつつ、ROLLYの天才的な作曲センスで圧倒的な個性を確立してると思う 歌詞もストーリー性ある歌詞が多く聴いててワクワクする 

■全曲感想
 M1 Grave Digger:ZEP的なギターサウンドとロバートプラントを意識したボーカルのハードロック 歌詞は退廃した世界の終わりで僕だけ生き残る、とヤバめな雰囲気

 M2 仏壇返しにはかなわない:前曲「Grave Digger」から引き続きギターリフが印象的なロックンロール ライブの定番曲、これはまじでかっこいい

 M3 恋するマリールー:すかんちの代表曲の1つ、No1モデルの元恋人のことを思うパワーポップ ハードなギターワークとキャッチーなメロディーが超気持ちいい、絶対もっと売れても良かった

 M4 恋人はアンドロイド:キーボードのドクター田中作詞作曲 キャッチーな歌メロにドクターの高音ボーカルがばっちりはまってる ファンにも人気ある曲

 M5 LOVE LOVE HOLIDAY ~ふたりはアイドル~:ベースのシマちゃん作詞作曲 イントロのキーボードリフが大好き ROLLYとシマちゃんのデュエットも聴いててワクワクする

 M6 Thank You:ドラムの小畑ポンプ作詞作曲 この曲めちゃくちゃいいと思う 恋人との別れを歌った曲で、直接的な歌詞の表現がより胸を締め付ける QUEENの某曲に似てる感あるけどそんなことはどうでもいい

 M7 顔の無い眼:2分弱の箸休め曲 次曲への繋ぎだけど、壮大な前振りになっているのでスキップしちゃいけない

 M8 仮面の接吻:「OPERA」の超重要曲 すかんちだけじゃなくて人生で好きな曲ベスト5に絶対入る、好き過ぎる お人形遊びしているような不気味なイントロからもうやばい そこからタンゴビートに乗って仮面の男の猟奇的な犯行を情念的に歌う
 さらに2番のサビ終わりからのイントロの再現→ピアノ→キーボードソロ→女声スキャット→ギターソロの怒涛の展開はやばすぎる 8分あるけど全く長さを感じさせない 1曲目から聴かずにこの曲だけ聴いてもよくわからないと思う、この位置にあるから「仮面の接吻」の凄さが際出つ

 M9 Mr.タンブリンマン:濃すぎる8曲目から一転、爽やかで軽快なロックチューン 古い西洋ファンタジー映画を観ているような世界観 この曲は誰が聴いてもいい曲だと感じるはず

 M10 涙の選択科目:キーボードのドクター田中作詞作曲 切ない恋心を歌ったパワーポップ なんかのアニメのEDテーマだったらしい(詳しく知らない)

 M11 ママの自慢のロックンロールスター:横ノリのサウンドにギターが弾けない男の子のことを歌う この曲もメロディめちゃくちゃいい

 M12 さよならの贈りもの:すかんち随一の傑作バラード 不治の病にかかった子供をコールドスリープする物語 母親の永遠の愛情を歌った歌詞は涙なしでは聴けない

 M13 ROLLY HORROR SHOW:ゴキゲン(死語)で楽しいロックンロール 自分の解釈だけど、前曲で「OPERA」の演劇は終わって、この曲はエンドロール的な立ち位置なんだと思う

3.ザ・クロマニヨンズ/ACE ROCKER (2012)

 ザ・クロマニヨンズの6枚目のアルバム 小中学生の頃にブルーハーツとハイロウズに出会い衝撃を受けて(その頃はハイロウズ活動休止してた)本格的に音楽にのめりこんだ時に結成されたのがクロマニヨンズ そこから2024年現在まで、現役のアーティストで一番好きなアーティストで在り続けている 始めてライブに行ったのもクロマニヨンズのFIRE AGEツアーだった、そこからできるだけ毎年ライブは行くようにしている(数えたらこれまでワンマンライブ20回観に行ってた) そんなクロマニヨンズの最高傑作だと思っているのがこのアルバム
 やっていることはこれまでの5作目以前+7作目以降となんら変わらないけど、このアルバムはより真摯に・より熱量のあるロックンロールを体現していると思う ただしクロマニヨンズのアルバムは全作最高なので、どれ聴いても究極のロックンロールを体験できます、中古CDショップで見かけたらぜひ

■全曲感想
 M1 他には何も:イントロのスリーコードのギターリフから超かっこいい、ど真ん中のロックンロール サビのマーシーのコーラスでぶっ飛んでしまう 歌詞も文学的かつ力強くて、とてつもないインパクトを誇っていると思う

 M2 ハル:ファンから絶大な支持を誇る隠れた名曲 ヒロト得意の感情揺さぶるメロディーとマイナーコード主体の演奏に感情揺さぶられる

 M3 バニシング・ポイント:3曲目なのにまだまだ熱狂は鳴りやむことがない、イントロのスキャットから強烈なロックンロール 歌詞は少な目なんだけど「氷一つストーブに乗せて 世界中に色がついてった」ってフレーズはとんでもなく深いと思う

 M4 欲望ジャック:マイナーコードかつツービートの高速ナンバー 荒々しい演奏と感情むき出しのヒロトのボーカルが熱すぎる、アルバム曲の中でも髄一のキラーチューン

 M5 シャイニング:ここでテンションは下がるけど、見逃しちゃいけない珠玉のミディアム・ナンバー この曲の一番の聴きどころはマーシーの感性がいかんなく発揮された歌詞だと思う 引用しようと思ったけど全フレーズが良すぎるのでやめた

 M6 ボッチ:A面最後の曲はアコースティック調の静かなナンバー、地味かもしれないけど大好きな曲 「太陽も三日月も富士山も一人ぼっちだから気にすんな!」って歌詞はいつ聴いても泣ける

 M7 ゴー ゲバ ゴー:パワフルでエネルギッシュで爆発的なキラーチューン 歌詞に特に意味はなさそうだけど超かっこいいから全然気にならない ライブで聴いた時、ちびりそうなくらいかっこよかった

 M8 ナンバーワン野郎!:クロマニヨンズの代表曲、カップヌードルのCMのタイアップついてたから聴いたことあるって人多いと思う ライブでも最終盤に必ず演奏してくれる、何度聴いたかわからないけどいつ聴いてもかっこいい心の名曲

 M9 雷雨決行:「ナンバーワン野郎!」と双璧をなす神曲、そしてクロマニヨンズで一番好きな曲かもしれない 心のど真ん中に刺さるメロディーラインと、前向きで情熱的な歌詞、何度この曲を聴いて涙したかわからない 

 M10 49cc:アルバムの中でも好きな曲ベスト3に絶対入るくらい好きな曲 イントロとAメロはほんわかしててどこか気が抜けてるけど、サビで一転して爆発する、猛烈に泣けるメロディが鳴り響く あと自分はバイク乗りなので、夜に街中走るときによく聴いてます

 M11 ライオンとサンシャイン:西部劇的なサウンドが印象的なミディアム・ロック アルバムの中では正直クオリティ落ちる感じはする、、

 M12 メキシコの星:アルバムを締めくくるのはピースフルなメキシカン・ナンバー 牧歌的なコーラスもほのぼのとした演奏も、すべてが楽しそうな雰囲気、地味かもしれないけど結構好き

2.THE BLUE HEARTS/THE BLUE HEARTS (1987)

 邦楽の金字塔といってもいい、ブルーハーツの1stアルバム 度々言っているけれど自分が音楽にのめり込んだきっかけがブルーハーツで、このアルバムは中学生の頃から文字通り擦り切れるほど聴いたし、自分の原点といってもいい
 大人になった今では「DUG OUT」「STICK OUT」のほうがよく聴いているいるけれど、「自分を構成する」という観点で選ぶならこのアルバムしかなかった 全12曲34分をマッハ50で駆け抜ける、捨て曲なしの大名盤   今の中高生もぜひこのアルバムを聴いて人生の価値観を全部変えてほしいと思う

■全曲感想
 M1 未来は僕等の手の中:伝説の始まりにふさわしい名曲 強烈なドラムが響き渡るイントロから、猛々しく放たれる「GO!!!」はいつ聴いてもかっこいい 全面的に人生を肯定してくれる歌詞も大好き

 M2 終わらない歌:ブルーハーツの代表曲の1つといってもいい、すべての悩める若者に捧げるパンク・ロック シンプルだけどいろんなアーティストがリスペクト・オマージュしてるギターフレーズは圧巻

 M3 NO NO NO:ヒロトがブルーハーツ始める前にやってたバンド「コーツ」の曲 キャッチーかつロマンティックなAメロから「NO NO NO」と連呼するサビの流れはいつ聴いても気持ちいい

 M4 パンク・ロック:タイトルとは相反してスロー・ミディアムなロックチューン パンク・ロックが好きな気持ちを全面的に打ち合ける歌詞は正直で愚直でかっこいい

 M5 街:シンプルなパンク・ロック・チューン テーマはM4「パンク・ロック」と似ていて、自分みたいな人に出会えたときの喜びと感情が爆発したときの気持ちを綴った歌詞と、真摯で力強いヒロトのボーカルはいつ聴いても泣ける

 M6 少年の詩:思春期の反抗と綴ったインパクトある歌詞が目を引く 世の中への違和感と気持ち悪さを払拭して「生きる」ことを肯定したメッセージソング

 M7 爆弾が落っこちる時:ここからB面 タイトル通り爆発的なエネルギーを感じるナンバー 有名なサビ「いらないものが多すぎる」は端的ながらもあまりにも力強いメッセージだと思う

 M8 世界のまん中:アルバムで一番好きな曲を挙げるならこれ 世間への決別と命を燃やす自らの生き様の決意を歌った歌 そしてメロディーラインの良さはアルバム髄一だと思う うまくいかないとき・死にたいときに幾度となくこの曲に支えられた

 M9 裸の王様:前曲から間髪入れず「王様は裸じゃないか」と叫ぶ ダサい存在・偉ぶっている存在・嫌いな存在 全部に蹴りを入れる、強烈なキラーチューン

 M10 ダンス・ナンバー:ブルーハーツの中でも屈指の速さを誇るファスト・ナンバー イントロの「Oi! Oi!」から超かっこいい 「君のことを笑う奴はトーフにぶつかって死んじまえ」という歌詞がとても印象的かつあまりにも有名

 M11 君のため:アルバム唯一のバラード、ラストから2曲目にこの曲があるから、このアルバムが最強の名盤になっていると思う 好きな人を想う誠実な歌詞とヒロトの感情あふれる歌い方に何度も泣かされてきた名曲 特に間奏のセリフなんかは凄すぎる

 M12 リンダ リンダ:日本人なら知らない人はいない、ブルーハーツのみならず邦楽を代表する超名曲 恐れ多くて自分から語ることは特にないです

1.↑THE HIGH-LOWS↓/バームクーヘン (1999)

 自分の家には1500枚以上のCDがあるし、親が持ってたアルバムやサブスク・レンタルで聴いたアルバムも含めるとたぶん3000枚近くの作品を聴いてきたけど、その中で一番好きなアルバムがこの「バームクーヘン」 音楽聴き始めたきっかけが小学生の頃に聴いたブルーハーツで、その後すぐにハイロウズに出会い、それから現在までヒロトとマーシーをずっと追っかけ続けてきた ヒロト・マーシーが組んだバンドの33枚のアルバム(ブルーハーツ8枚、ハイロウズ8枚、クロマニヨンズ17枚)はどれも人生に多大な影響を与えた宝物だけど、その中でも最高傑作はこのアルバム

 「バームクーヘン」は無敵でハイテンションなロックナンバーと、圧倒的な感性で綴る叙情的な曲のバランスが奇跡的だと思う レコーディング・ミックスは全部自分たちでやっていて、かつ一発録り、生々しい純度の高いロックンロールを聴かせてくれる(曲終わりにノイズ聞こえたり、音のバランスが一定だったりするけどそんな細かいことはどうでもいい) バームクーヘン以外もいいアルバムたくさんあるので、ヒロトマーシーの33枚のアルバムについてもいつかnoteで感想書いてみたいな

■全曲感想
 M1 罪と罰:最高傑作の幕開けに相応しい強烈な爆音イントロで幕開け 歌詞はかなり深くて、直接的ではないけど「行動しなよ」とヒロトが力強く背中を押してくれる

 M2 チェンジングマン:1曲目終わりから間髪入れず超かっこいいギターリフからスタートする、マーシーらしいマイナー調のツービート 随所に挟まれるマーシーのコーラスもかっこいい

 M3 二匹のマシンガン:間違いなくアルバムで1番好き、イントロのギターから心全部持ってかれる Aメロから一気に加速していく曲展開で涙出る サビ終わりのギターソロ・ピアノソロも胸熱 「二匹のマシンガン」は自分たちのことなのか、それとも違う意味なのかな、、ってずっと気になってる

 M4 モンシロチョウ:これも印象的なギターリフからはじまる クールなサウンドなのに熱烈なロックンロール、環境問題を批判した歌詞も良すぎる

 M5 ハスキー(欲望という名の戦車):ハイロウズの代表曲で、バームクーヘンのハイライトだと思う 1曲目~5曲目の流れで気分が高揚しないロックファンは存在しない メロディもアルバムで1番いいと思う 歌詞はマーシーに向けた歌なのかな?そうであってほしい

 M6 ダセー:ここで一休憩、ローテーションなロックンロール けど見逃せない名曲 これもギターリフがクールでブルージーなピアノとの組み合わせが最高

 M7 見送り:マーシー作の感傷が爆発した超名曲 空港まで友達(恋人?)を見送りに行く時の心情を歌った曲なんだけど、「ただの風景」「言葉は歯の裏で溶けた」と比喩表現する感性が凄すぎる

 M8 死人:ここからB面 生きることを全面的に肯定するかっこいいロックンロール、おそらく宗教否定も入っていると思う

 M9 彼女はパンク:この曲地味かもしれないけど大好き ラモーンズ風の軽快なパンク・ロックで、AメロもBメロも全部サビかと思うくらい歌メロが良い 「壊れてみたいだけ、粉々に」とパンクな生き方をしたい女の子を歌う

 M10 ガンスリンガー:ガンマンを歌ったロックンロール サビのタイトルコールのヒロトの歌い方が癖になる 何も考えず楽しめる元気になるので好き

 M11 21世紀のフランケンシュタイン:ハイロウズの演奏力の高さが全面に発揮されたロックンロール、歌詞はタイトルの通りなんだけど終盤に向けて加速・疾走していく展開は激熱

 M12 ガタガタゴー:久々のマーシーボーカル イントロのピアノソロからアウトロのハーモニカまでTHE マーシーって感じのブルース・ロック 歌詞が薬物の名称が入っているのでピー音で伏せられている(ライブアルバムでは大麻・シャブって歌ってた) よく平日の仕事始まりに聴いて気合入れてる

 M13 笑ってあげる:マーシーの人生観が前面に出た歌詞は涙無しには聴けない ラストのコーラスも毎回鳥肌立つ 自分の心の支えにしてる大切な曲

 M14 バームクーヘン:歌詞は一見「?」って思うかもしれないけど、人間賛歌だと思う 「翼を持って生まれるよりも 僕はこの両手が好き」って歌詞が大好き 「NHKみんなのうた」に採用されてもおかしくない、生涯で一番大切なアルバムを締めくくる大名曲


自分がなんでこのアルバムを好きなのか振り返るいい機会になった
改めて「私を構成する42枚」っていい企画だと思いました
最後まで読んでくれてありがとうございました

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