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BLANKEY JET CITY 魂の全曲レビュー

BLANKEY JET CITYの全曲レビュー


 Red Guitar And The Truth(1991)

 ファースト・アルバム  伝説の音楽番組「イカ天」でイカ天キングを獲得し、東芝EMIとのメジャー契約を結び、満を辞してリリースされた記念すべき作品(自分が生まれる前の話なのでイカ天はリアルタイムで観たことない、観たかった…)
 この後に「BANG!」「C.B.Jim」というブランキーを代表する作品が控えているのでどうしても影が薄くなりがちなアルバムだけど、初期衝動と暴力性、ベンジーの鋭い感性が全面に発揮されていて、今でも聴く愛聴盤
 一点だけ不満点を挙げると、、色んなところで言われてきているけど、サウンド(というかミックス)がペラペラで、音が悪い 当時のプロデューサーの意向と合わなかったみたいで、メンバー自身も納得してないみたい 初めてブランキーを聴く人がこの作品を聴くと拍子抜けするかもしれない   
 というわけで、ブランキーを初めて聴くなら、1stアルバムでなく、「C.B.Jim」「SKUNK」辺りをお勧めしたい

■全曲感想
 M1 CAT WAS DEAD:イカ天初出演で披露された、伝説の始まりとなる曲 イントロは1分近くあるけどスリリングで何度も表情を見せる名イントロ(なんとなくストレイキャッツっぽい) 歌詞はタイトル通り「猫が死んだ」ときの歌、誰も救われない世界観に胸が締め付けられる

 M2 僕の心を取り戻すために:初期ブランキーの代表曲でライブの定番曲 70年代の洋画のような情景が思い浮かぶようなストーリー仕立ての歌詞と、ベンジーのどこまでも純粋なボーカルが聴きどころ

 M3 胸がこわれそう:ベースの照井さん作曲 この曲大好き、どこか粘り気のある横ノリロック 冒頭の「彼女の置手紙」の情念マシマシの歌詞が物凄く印象的 ボーカルの側で鳴り響くピアノの旋律も曲の世界観を作り上げてくれている

 M4 不良少年のうた:メジャーデビューシングル、この曲も初期ブランキーの代表曲と言っていいと思う 音作りがどことなくルースターズっぽい タイトル通り「不良少年」の生き様を歌う、高校生の頃かなり影響受けた

 M5 TEXAS:セカンドシングルで、ベースの照井さん作曲 アルバムの中でベスト3に入るくらい好きな曲 疾走するギターで全てを置き去りにするロックンロール この曲大好きなんだけど例によって音が悪い、、 「LIVE!!!」に収録されてるTEXASはめちゃくちゃかっこいいので、ぜひライブバージョンを聴いてほしい、ぶっとぶので

 M6 公園:ダークな雰囲気を纏ったジャズ風味の曲 サビの解放感と「大人になること」のさみしさを歌ったような歌詞が好き

 M7 ガードレールに座りながら:1分以上あるイントロから超かっこいいロックナンバー ベンジーの鬼気迫るボーカルも完全にキマってる 歌詞は少年のどこまでも純粋な夢を語る、大人になって聴き始めてもこの世界観はハマらないと思う

 M8 あてのない世界:ここからの3曲は全部暗くて絶望的な雰囲気 この曲は綺麗なメロディなんだけど、とにかく歌詞が悲しすぎる

 M9 狂った朝日:「もしも僕がこの世界に生まれてこなかったなら」という歌いだしから始まる、絶望的な曲 そして雷鳴のような中村達也さんのドラムがかっこよすぎる

 M10 MOTHER:間違いなくアルバムで一番好きな曲 ベトナム戦争を綴った残酷な歌詞と鬼気迫るサウンド、そしてラストの悲痛な叫び声、、聴くたびに圧倒される ラストに相応しい超名曲

 BANG!(1992)

 2枚目のアルバム たびたび話題に挙げているけど個人的にブランキーで一番好きな作品 まずアルバムジャケットからただならぬ雰囲気、リーゼント・タバコ・タトゥーと不良のアイコンのそろい踏み(歌詞カードは赤ちゃんが全身タトゥーまでやってる) 前作の音の悪さが見事に改善されていて、骨の髄までロックンロールなサウンドを堪能できる
 歌詞もものすごい 人の本性をえぐりとったM10「ディズニーランドへ」、昔の洋画をワンシーンを切り取ったようなM1「RAIN DOG」、非日常な歌詞だけど情景がありあちと目に浮かぶM3「SOON CRAZY」、少年が純粋さを失っていく様を描いたM8「クリスマスと黒いブーツ」、、、ベンジーにしか書けない歌詞もこのアルバムの良さを引き立ててる
 どの曲も不思議と統一感があって、主観抜きにしてもトータル・アルバムとしての出来はブランキーの作品のなかでトップクラスだと思う

■全曲感想
 M1 RAIN DOG:ただごとじゃないイントロから爆走するロックチューン 「追放された天使」を綴る歌詞も意味深で想像力を掻き立てられる 一番の聴きどころは2番のサビ終わりからのギターソロ、超かっこいい

 M2 冬のセーター:シングル曲 1曲目からの流れが超クール 終始鳴り響く印象的なギターリフは一度聴いたら忘れない 戦争批判を綴ったAメロと「冬のセーター」の対比は天才的

 M3 SOON CRAZY:ベースの照井さん作曲 気が狂っていく男を綴った歌詞なんだけどリズム隊の技術と熱気が異常、かっこよぎる スタジオ版もいいけど、ライブアルバム「LAST DANCE」のSOON CRAZYはより凄い

 M4 ヘッドライトのわくのとれかたがいかしてる車:前曲3曲が異常なテンションだったのでここで箸休め が気怠いわけじゃなくて、3人の演奏力の高さが際立つシリアスなミディアムロック

 M5 絶望という名の地下鉄:ベースの照井さん作曲 不良の日常と矜持が直接的に表現されたロックンロール 6分あるけど異常なテンションと歌メロの良さが光ってて、何回聴いても飽きない

 M6 とけちまいたいのさ:レコードだとこれがA面最後の曲 「BANG!」の中だと捨て曲扱いされがちだけど、ゆるい絶望を表現した世界観が好き

 M7 ★★★★★★★:アルバムで1番好きな曲、「BANG!」で一番殺傷力のある曲だと思う タイトルは伏せ字になっているけど「人殺しの気持ち」らしい 自分はセブンスターを愛飲してるんだけど、この曲が大好きだからです

 M8 クリスマスと黒いブーツ:イントロのギターフレーズが美しいミディアムチューン 少年が純粋さを失う様をシリアスな曲展開にのせて歌う 聴いてて哀しくなる

 M9 BANG!:アルバムの中でベスト3に入るくらい好きな曲、珍しく二拍子な曲 歌詞に綴られる「俺」の恋愛観/人生観がかっこいい 初めて聴いたとき、こんな大人になりたいと心から思ってた

 M10 ディズニーランドへ:「ディズニーランドへ」と楽しそうなタイトルだけどイントロのアコギから何だか雰囲気がおかしい ノイローゼになってしまった友達にディズニーランドに一緒に行こうと誘われ、約束するけど「一緒にいるのがとても恥ずかしくてたまらないから」とその約束を破る曲 純粋な心を持ち続けようとする「友達」と心が汚れてしまった「僕」の対比に心が締め付けられる

 M11 2人の旅:希望を歌った歌詞なのにどこか不穏な雰囲気が漂う 7分ある曲だけど後半はひたすらギターソロ、かっこよすぎるからずっと聴いていたい

 M12 小麦色の斜面:アルバムの中でベスト3に入るくらい好きな曲 明るくて軽快なロックンロール 60年代のフィルム洋画のような世界観が大好き ラストライブは「目を潰すだけさ」とベンジーが叫ぶ、かっこよすぎる幕切れ

 C.B.Jim(1993)

 3枚目のアルバム 前作「BANG!」と並び人気のある作品 ブランキーの代表曲「PUNKY BAD HIP」、「D.I.J.のピストル」、「3104丁目のDANCE HALLに足を向けろ」、「悪い人たち」などブランキーの代表曲が多数収録されているし、それ以外の曲も名曲多数  
 全曲シングル・カットしてもいいくらいクオリティ高いアルバムなので、まずはここから サウンドは前作と比べてよりソリッドかつ暴力的に、歌詞はより独自性が高まり、演奏技術もより高度になって、唯一無二の世界観が完全に確立したと思う 90年代を代表する名盤 

■全曲感想
 M1 PUNKY BAD HIP:1曲目から強烈なロックンロール、初期ブランキーの代名詞というべきナンバー ドライブ感あふれるサウンドとヤンチャな世界観の歌詞がたまらない、バイク乗ってるときによく聴く 「新しい国が出来た 人口わずか15人」というフレーズは、ブランキー結成後初めてのライブの観客数が15人だかららしい 

 M2 RED-RUM(夢見るBell Boy):シャッフルビートが印象的なミディアムロック タイトルは名作ホラー映画「シャイニング」が元ネタ シャイニングの雰囲気を表現したような歌詞の世界観 

 M3 D.I.J.のピストル:ブランキーの代表曲 「D.I.J」とは「ドキドキするようなイカれた人生」の略語 この曲の影響受けて、一時期モスバーガー行ったら「メロンソーダとチリドック」を注文してた 歌詞に登場する「野イチゴ」「ミートソース」「メリーゴーランドのロバ」は、ベンジーにしか書けない直接表現/比喩表現だと思う スタジオVerも大好きだけど、ライブVerはもっとかっこいいです

 M4 死神のサングラス:ベースの照井さん作曲 歌詞通り腰を揺らしたくなる横ノリ・ロック 冒頭の「いいだろう?オレのこのサングラス」が大好き 数年前まで活動してたTHE PINBALLSっていうバンドがいるんだけど、バンド名はこの曲の歌詞のワンフレーズからとったみたい
 
 M5 12月:ベースの照井さん作曲 求心力のあるサビが光るロックナンバー あんまり人気なさそうだけど、アルバムの中でもベスト3に入るくらい好きな曲 怪しげなベースリフが印象的なイントロ、刹那的で感情的な歌詞、メロディー、、、すべてがハイレベルの名曲だと思う 「もう駄目だと思うから手伝ってくれるかい?」ってフレーズのベンジーの擦れそうな歌い方もぐっとくる

 M6 ROBOT:夜の静寂に似合う、アコースティックナンバー 孤独を歌った歌詞に乗せた泣きのメロディーの絡みが良い

 M7 ライラック:この曲も繊細なアコースティックナンバーなんだけど朝方に聴きたい、キラキラした眩しい曲 ブランキーファンの中でかなり人気あると思う

 M8 ヴァニラ:ドラムの中村達也さん作曲 スローでムーディーな曲調に乗せて、エロティックで悲壮的な歌詞を歌う あんまり聴かないかも…

 M9 車泥棒:攻撃的な歌詞とサウンドで突き抜けるロックナンバー タイトル通り「車泥棒」の歌なんだけど、車を盗む気持ちを「子供の時によく飛び降りた あのブロック塀が壊された時の気持ち」って表現する感性は天才的

 M10 ICE CANDY:前曲に引き続き攻撃的なロックナンバー 「アイスキャンディー」を純粋な子供の頃の象徴と紐づける感性が好き そして中村達也さんのドラムが終始とんでもないことになっている

 M11 3104丁目のDANCE HALLに足を向けろ:暴動のようなイントロとマシンガンのように放たれるボーカルですべてをぶっ壊すキラーチューン 非現実的でベンジーにしか書けない歌詞も良い 1人でカラオケ行ったらよく歌う

 M12 悪いひとたち:アルバムで一番好きな曲、そしてブランキーとの出会いの曲 2010年くらいにYouTubeでディグってたらこの曲のライブ映像に流れ着いたのがすべての始まり 残酷的ながらもこの世の歴史をすべて表現したような歌詞に衝撃を受けたのと同時に、涙が止まらなかった 歌詞の引用はしないけど、一つ一つの言葉がとんでもないです
  ただ、、「C.B.Jim」に収録されているVerは一部歌詞が削られている(レコ倫通らなかったみたい) 「悪い人たち」を聴くのであればベストアルバム収録Verもしくはインディーズレーベルで発表されたシングル・バージョンが一番いいです
 この曲の作曲はベースの照井さん、照井さん作曲のナンバーはいい曲ばかりだよね

 Metal Moon(1993)

 4枚目のアルバム 個人的なブランキーのベストアルバムは「BANG!」だけど、2番目に好きなアルバムを選ぶなら「Metal Moon」かな 6曲しか収録されていないけど、全曲が強烈な個性を放っていて、アルバムの流れも素晴らしい 歌詞はこれまでの作風から一歩離れて、繊細で心に訴えかけるようなものが多く、メロディーも歌詞の世界観を見事に表現していると思う
 有名なエピソードだけど、椎名林檎が某音楽雑誌のインタビューで「無人島に一枚だけもっていくCD」としてこのアルバムを挙げていた 初期林檎嬢は間違いなくこの作品の影響受けていると思う
 ちょっととっつきにくさはあるけど、中期ブランキーを代表する大名盤なので、死ぬまでに一度は聴くべき

■全曲感想
 M1  おまえが欲しい:再生時間の半分以上がインストゥルメンタルだけど、ブランキー全曲の中で5本の指に入るくらい大好きな曲 ジャジーな演奏を2分以上奏でたあとのベンジーの叫びに圧倒される 確固たる意志を持った歌詞も大好き 解散ライブの1曲目(というかSE)はこの曲だった

 M2 Sweet Milk Shake:この曲も大好き、軽快なポップロックナンバー 歌詞はシュールだけどかなり重い 一番の聴きどころはサビの「アイスクリームパーラー襲うのさ」からの展開、ベンジーのシャウト・ZEPみたいな必殺ギターリフが炸裂する

 M3 Orange:イントロのアコギの旋律と、ギリシャ神話のような世界観が印象的 その中でもどこかやりきれない孤独を歌った歌詞が美しくも哀しい

 M4 脱落:たぶんブランキー全曲の中で一番暗い曲 この世に絶望した人を綴った歌詞と激重のグループサウンドが完璧にマッチしてる 何かのレールから「脱落」した人にこそ聴いて欲しい

 M5 綺麗な首飾り:断言するけど、ブランキーで一番好きな曲+これまで聴いてきた何万の曲の中でも好きな曲ベスト10に絶対入るくらい大切な曲 世界の終わりが近づく中でも将来の希望(子供達)と愛する人への想いを込めた歌詞は芸術の域だと思う 希望がこもった爽やかなメロディーも曲の完成度を格段に引き上げている 極めつけはベンジーの優しく力強いボーカルとキラキラしたギターサウンド 2番のサビ終わりの間奏と「Yeah!」で毎回泣きそうになる バイクで旅しているとき、夕暮れに海岸線走りながら聴いたらこれ以上ないくらい良かった 世界が終わるその時まで大切にし続けていきたい、生涯の名曲

 M6 鉄の月:静と動のサウンドの対比が美しい壮大なナンバー 戦争に行って人殺しになった主人公の乾いた絶望を綴った歌詞はとにかく悲劇的かつ儚い

 幸せの鐘が鳴り響き僕はただ悲しいふりをする(1994)

 5枚目のアルバム 思わせぶりなタイトルとメンバーが女装しているジャケットがインパクト大 これまでのロックンロールやロカビリーの要素は少し影を潜め、ジャジーでアコースティックな作風 歌詞も過去一強烈で毒があるナンバーが多い
 このアルバム、大人になるまで全然良さがわからなくて、「青い花」くらいしか好きじゃなかった(多分子供の頃はわかりやすいロックンロールやバラードが好きだったからかも)
 初めて聴いてから5年後、色んな音楽を聴いてきて改めてこのアルバムを聴いた時、初めてその凄さに気付かされた、遅れてきた名盤

■全曲感想
 M1 円を描く時:ベースの照井さん作曲、スウィング感あるジャジーなロック 残酷性そのものの歌詞は「悪いひとたち」にも通じる

 M2 親愛なる母へ:イントロのパーカッションが印象的なアコースティックソング 優し気な曲名とは裏腹に歩んで来た人生への後悔と決意を歌う 

 M3 風になるまで: 先行シングル曲 ストリングスが主張したサウンドと、誰かに愛を求める虚無な歌詞、徐々に盛り上がる曲展開が聴きどころ ベンジーの歌い方もこのころから変わった気もする

 M4 カモメ:終始鳴り響くベースラインと空をゆっくり駆け抜けるようなエレキギターが印象的な、哀愁漂う曲 子供の頃は全然好きじゃない曲だったんだけど、大人になって大好きになった曲

 M5 嘆きの白:アルバムの中でベスト3に入るくらい好きな曲 サウンドと歌い方は80年代ロックンロールって感じなんだけどどこか怪しげな雰囲気  ドラッグに溺れる様を描いた破滅的な歌詞も良い

 M6 螺旋階段:昭和の都会の夜に似合うロカビリーな曲 音は質素なんだけど3人の卓越した演奏技術が冴えわたっていて飽きさせない 歌詞はストーリー仕立てだけど所々ホラーな雰囲気

 M7 小さなガラスの空:7曲目にして初めてのストレートなロックナンバー 宗教チックで繊細な歌詞と肌寒いギターサウンドが印象的 2番サビでようやく判明するけどクリスマスソング

 M8 幸せの鐘が鳴り響き僕はただ悲しいふりをする:アルバムタイトル曲 鋭いアコースティックギターから始まり、畳みかけるような曲展開は何度聴いても最高 自傷的で社会風刺を綴った歌詞も好き

 M9 砂漠:この曲もジャジーな雰囲気 目立った歌メロはないけど、バックの演奏が物凄いことになっている サウンドを楽しむ曲だと思う これも子供の頃は全然好きじゃない曲だったんだけど、大人になって大好きになった曲

 M10 青い花:アルバムで一番好きな曲 キャッチーで優しいポップナンバー これまでの9曲が激重+シリアスの曲ばっかりなのにこの曲だけ明らかに浮いている感じもするけれど、最後にこの曲が流れることでよりアルバムの完成度を引き上げていると思う この曲は誰が聴いてもいい曲だと思うんじゃないかな

 THE SIX(1995)

 初のベストアルバム 公式では6枚目のオリジナル・アルバムらしいけど、半分以上既発の曲なのでベストアルバム扱いとします 新録は4曲収録されているけど、全部1stアルバム「Red Guitar And The Truth」の曲、メンバーがサウンドプロデュースを気にいってなかったみたいだからもう一度作り直したいという意味合いもあると思う 新録曲はどれもアコースティック・ジャズ的な要素がふんだんに取り入れられていて、完全に生まれかわったと思う 既発曲の選曲も文句なしです

■全曲感想 ※これまでレビューしてきた曲は割愛
 M1 ガードレールに座りながら (NEW VERSON):ロックンロールな原曲とは打って変わってストリングスとアコギが前面に出たアレンジ

 M2 胸がこわれそう (NEW VERSON):クールなベンジーのボーカル、ブルージーでヘビーなリズム隊の演奏、、間違いなく原曲超えしてる このバージョンを聴くだけで「THE SIX」を買う価値ある

 M4 Rude Boy [不良少年のうた] (NEW VERSION):この曲も原曲超えしてると思う 不良少年が大人になって過去を懐古しているような、落ち着きつつも確かにロックンロールを感じさせるナンバー

 M10 僕の心を取り戻すために (NEW VERSION):初期衝動にあふれた爆発的な原曲とは打って変わって、ウッドベースとパーカッションが印象的なジャズ

 M11 Girl:シングル曲 新曲で一番好きな曲かも
世界で一番魅力的な「君」に綴ったラブソング 歌メロと一発で覚えられるくらいキャッチー クールでキレキレなベンジーのボーカルも世界観にばっちりハマってる

 M13 悪いひとたち(完全Ver):ブランキーの代表曲 3rdアルバム「C.B.JIM」収録バージョンは過激な歌詞がカットされていたけど、完全Verはノーカット収録の完全版 「悪いひとたち」を聴くならこっちがいいです

 M14 自由:広い大地をゆっくり歩いているような、壮大なサウンドプロダクションが印象的なミディアム・チューン サビは一転してポップな仕上がり 個人的な思い出だけど、バイクで北海道旅してた時、どこまでも続く直線道路を走りながら聴いてた思い入れある曲

 SKUNK(1995)

初回盤

 6枚目のアルバム(THE SIXってアルバムが直前にリリースされたけどベストアルバムとしてカウントさせてください) 前作から一転して、オルタナティブロックやハードロックを主軸とした、ハイテンションで緊張感ある仕上がり アルバム全体通してギターとベースのリフが全面的に出てる ジャケットはメンバー全員がフルチンで、ブックレットを外すとヘアヌード見れるようになってます
 この作品をリリース後、バンドを解散する予定だったらしい(Wikipedia情報) 実際、この作品までと次作以降でかなり雰囲気が違っているように思う
(曲のクオリティが下がったとかいう話ではないです、勿論後期も大好きなので)

■全曲感想
 M1 SKUNK:アルバムタイトル曲で、ライブの定番曲 印象的でキャッチーなギターリフから、サビで爆発する展開はいつ聴いても超かっこいい 「チェーンソー」ってフレーズが目を引くけど、動物愛護を訴えた曲だと思う

 M2 Dynamite Pussy Cats:前曲からの流れがハマってるミディアム・ロックンロール 音の底で蠢くベースがとんでもなくかっこいい 歌詞は「Dynamite Pussy Cats」っていう架空のバンドを歌っている 大人になると、こういう腰に来るような曲のほうが好みかも

 M3 15才:アルバムの中でベスト3に入るくらい好きな曲 青春感あふれるミディアム・バラード 家出したときの思い出をつづった文学的でファンタジックな歌詞がとても綺麗 メロディーもアルバムの中で一番いいと思う

 M4 Hell Inn:ブランキー髄一の激重ハードロック ギターもリズム隊もどれも異常な熱量、スリーピースとは思えない タイトル通りクスリをキメているときの曲です 

 M5 くちづけ:シングル曲 頭の狂った男を歌ったミディアム・ロックンロール 超かっこいいと思うしかなり好きな曲なんだけどシングル向きの曲ではないと思う、、

 M6 斜陽:アルバムで一番好き かつ ブランキーの全楽曲の中でも好きな曲ベスト5に絶対入るくらい好きな曲 一発で耳に残る、感情をかきむしるようなイントロのギターリフが超かっこいい ゆがんだ愛情とオレンジ色に染まっていく部屋を「斜陽」(ダブルミーニング)と表現する感性は天才的だと思う

 M7 Snow Badge:4曲目~6曲目が濃すぎたのでここで小休止、雪の日に聴きたい綺麗なバラード 歌詞もとっても美しいんだけど「窓の外は すべて嘘だから」ってフレーズが悲しい

 M8 Romance:不穏なイントロから始まりサビで爆発するハードロック 曲展開、サウンドにおいてなんとなくNIRVANAの影響を感じさせる

 M9 Fringe:鋭いギターリフで押していくミディアム・ロック 歌メロ凝ってるし、個人的にも結構好きな曲なんだけど、ここまでアクの強い曲が続いたのでちょっと印象薄い、、

 M10 Purple Jelly:アルバムの中でベスト3に入るくらい好きな曲 不気味なサウンド、7分以上ある長尺ミディアムロック 不審者の行動を綴った歌詞もとにかく気持ち悪い そのただ事じゃない世界観が大好きな、濃い曲が並ぶこのアルバムを締めくくるに相応しい名曲

 LOVE FLASH FEVER(1997)

初回盤(3Dジャケット仕様)

 7枚目のアルバム、かつレーベル移籍後の1枚目のアルバム 後期ブランキーは前作までの作風と比較してより直接的かつシャープでバラエティ豊かな曲が増えたと思う このアルバムはストレートなロックンロールを主軸に、「デニス ホッパー」「海を探す」といった泣けるバラード、「皆殺しのトランペット」「感情」など新機軸の曲など様々なナンバーが並べられつつも、不思議と統一感があって、後期ブランキーの中では一番好きな作品

■全曲感想
 M1 プラネタリウム:1曲目から超名曲、イントロのカッティングとサビ後のギターリフが余りにもクールなミディアムロック イカれた歌詞の世界観も唯一無ニだと思う

 M2 PUDDING:アルバムの中でベスト3に入るくらい好きな曲 異常なテンションと演奏技術が冴えわたった疾走ロックンロール ギターリフはワンフレーズ一本でゴリ押しする構成 破壊衝動を夢見る歌詞もかっこいい

 M3 MICKEY DUCK:ディズニーみたいなタイトルとは裏腹に「オレのアヒルを殺さないで」という歌いだしからはじめるミディアム・ロック この曲もギターリフとサビ後のギターソロがとにかく印象に残る

 M4 皆殺しのトランペット:6分以上あるけど半分以上は語り、翼を切られた白頭鷲をテーマにした曲 自分は動物園好きだけどこの曲はとても悲しい 余談だけどベンジーの語りがモロに名古屋弁、親近感

 M5 感情:地味かもしれないけどこの曲かなり好き 「虚無」「悲しさ」という感情を見事に表現してる 終盤の長尺ギターソロも聴きどころ

 M6 SPAGHETTI HAIR:ブランキーで1,2を争うくらい速いロックンロール 軽快でありつつも激重なギターリフがかっこいい スパゲッティヘアーってベンジー自身のことかな?

 M7 CANDY STORE:カラッと乾いたサウンドが魅力的なアメリカンロック 歌詞の「CANDY STORE」は何かの比喩だと思うんだけど、はっきりしない

 M8 ガソリンの揺れ方:後期ブランキーの代表曲の一つ、バイク乗りにはたまらないキラーチューン 自分がバイク乗るきっかけになった曲が5曲あって(いつか全曲紹介したい)、そのうちの1つです

 M9 デニス ホッパー:アルバムで一番好きな曲、まさかのベースの照井さんがボーカルを取ったスローなロックバラード 1番のサビ以降の展開が劇的で泣ける

 M10 海を探す:ハートにヒビが入るほどきれいなロック・バラード 幻想的な演奏と歌詞が見事に調和した、ラストを飾るにふさわしい名曲 夏の夜、海を眺めながら聴きたい

 国境線上の蟻(1998)

 2枚目のベストアルバム レコード移籍(EMI→ポリドール)に伴って契約消化的な意味合いで出されたような感じもする とはいえ、このアルバムにしか収録されていない未発表曲「水色」「John Lennon」が超いい曲なので絶対に見過ごせない作品

■全曲感想 ※これまでレビューしてきた曲は割愛
 M1 水色:ブランキーの全楽曲の中でもベスト5に入るくらい好きな曲 原曲はベンジーが掛け持ちしてたSHERBET(現SHERBETS)の「水」って曲から(もしかしたらブランキーの水色が先かも?) 美しい湖を見事に表現したような繊細なサウンドと、純粋で愛あふれる歌詞が高次元に融合した超名曲

 M14 John Lennon:草原を駆け抜けていくような、軽快で爽快な曲 ジョンレノンという偉人への最大の敬意が込められた歌詞も良い

 ロメオの心臓(1998)

初回盤(デジパック仕様)

 8枚目のアルバム 打ち込みやサウンドエフェクトを積極的に導入し、トータル14曲59分とかなりボリュームある意欲作 音作りはレディオヘッドに影響受けたらしい ただ、ブランキー解散の引き金になった作品でもある(中村達也がアルバム制作時、バンドの方向性に違和感を感じたらしい…)
 不満点を挙げると、ちょっと音が悪い ミキシングが悪いわけじゃないけど、マスタリングがモコモコしていて音が小さい+音圧が低い 次作「Harlem Jets」のキンキン具合と聴き比べるとその違いがよくわかる
 とはいえ、「赤いタンバリン」「ロメオ」「小さな恋のメロディ」などブランキーの代表曲も何曲か収録されてるし、隠れた名曲も沢山あるので、必ず通っておくべき作品

■全曲感想
 M1 パイナップルサンド:サイレンやブレーキ音のサウンドエフェクトが終始鳴り響くアッパーなロックナンバー ブランキーの新境地とも言うべき名曲 しかし曲名の「パイナップルサンド」と歌詞の関連性は未だによくわからない、、

 M2 ぼくはヤンキー: この曲大好き 1曲目の流れを引き継いだファストロック 初っ端のシャウトと一発で覚えられるようなキャッチーメロディーが大好き そして「LAST DANCE」のライブVerはさらにかっこいい

 M3 VIOLET FIZZ:一見地味かもしれないけどこの曲も好きだな 夜に似合う排他的でシリアスな演奏とサビの開放感がたまらない

 M4 彼女は死んだ:強烈なウッドベースと打ち込みでゴリ押していく新境地の曲 随所に挟まれるベンジーのギターソロもかっこいい 

 M5 君の手のひらに:アルバムで一番好き かつ ブランキーの全楽曲の中でもベスト5に絶対入るくらい好きな曲 この世界の美しさを全面的に肯定する歌詞と、泣きのメロディーが炸裂する大名曲 1番のサビ終わりの圧倒的な展開なんか涙無しには聴けない 

 M6 スクラッチ:打ち込みとバイオリンが印象的な静かな曲 好きな曲だけど、前曲と次の曲が大好きなので時々飛ばしてしまう…

 M7 赤いタンバリン:ブランキーの代表曲の1つ、希望と愛が溢れた超名曲 ベンジーが自分の子供に宛てた曲で、「赤いタンバリン」とは心臓のことらしい 希望と愛に溢れた、いつまでも大事にしていたい心の名曲 

 M8 ロメオ:アルバムタイトル曲で後期ブランキーの代表曲の一つ、ストレートで強力なロックチューン 初期ブランキーのような不良の生き様を歌ったような歌詞の世界観がとってもクール

 M9 HAPPY SUNDAY MORNING:軽快で跳ねるようなリズムが印象的な曲 演奏はタイトでミニマムなフレーズ、歌メロも良い

 M10 古い灯台:インスト曲だけどかなり好きな曲 タイトル通り古い灯台が嵐の中、古い灯台が闇夜を薄っすら照らしている景色が目に浮かぶ ライブでバンドの入場曲(SE)に使っても映えると思う

 M11 幸せの人:ベースの照井さん作曲 アルバムで好きな曲ベスト3に入る 壮大なイントロから始まるミディアム・バラード 「幸せの人」の定義について考えさせらせる歌詞も深い 6分以上あるけど全く長さを感じさせない作り込まれた曲だと思う

 M12 ドブネズミ:静かなバラード、6分近くあるけど歌詞は短くてかなり意味深

 M13 小さな恋のメロディ:シングル曲 キャッチーな歌メロに「小さな恋のメロディ」という映画に自分の人生を重ねる歌詞を歌う 希望とたしかな決意が感じられる、大好きな曲 なぜかMVはボクシングの試合やってる 

 M14 ハツカネズミ:12曲目「ドブネズミ」のインストバージョン 米国映画のサントラに収録されているようなブルージーで渋い音像 

 Harlem Jets(2000)

初回盤(デジパック仕様)

 ラストアルバム この作品発表前に朝日新聞での朝刊に「バンド史上最高傑作を世に放ち ブランキー・ジェット・シティは解散します」と解散宣言し、ラストライブの日程が発表されたらしい 当時はインターネットも発達してなかったし、リアルタイムで追っかけてきたファンには衝撃的だったろうな‥
 肝心な中身は、シャープで完成度の高いロックンロールナンバーがズラッと並んだ強力なアルバム ジャケットはベンジーが描いた絵、アルバムの世界観を表現していて好きなジャケット

■全曲感想
 M1 SEA SIDE JET CITY:シングル曲 後期ブランキーらしいポップで力強いロックナンバー この曲はロック好きな人なら全員刺さるんじゃないかな

 M2 CAMARO:かなりヘビーなグルーヴが印象的なミディアム・ロック 腰に来るようなギターサウンドがかっこいい 「CAMARO」はシボレー・カマロっていうオープンカーのこと

 M3 ADVENTURE OF GOOFY:アルバムで一番好き、 ドライブ感あふれるロックンロール 歌詞は「グーフィーの冒険」を描いたファンタジーな雰囲気だけど、個人的には椎名林檎への感情を歌っていると思う

 M4 PANTERA:アコギと日本人離れしたベンジーの歌い方が印象的なロックンロール 前曲と次の曲が強烈なので影薄くなりがちだけどかなりの良曲だと思う

 M5 SALINGER:切れ味鋭いロックンロール クールな演奏とボーカルがとにかくかっこいい ファンからかなり人気あると思う、ベンジーのソロライブでも度々披露される

 M6 不良の森:アルバムの核となる、10分を超える大曲 「不良」がメインテーマだった初期と比較すると、どこか大人になったような雰囲気 だんだん盛り上がりを見せて後半で最高潮に達する曲展開に圧倒される

 M7 SWEET DAYS:シングル曲 アルバムで好きな曲ベスト3に入る、キャッチーでUSロック風味のキラーチューン サビの開放感と、眩しい太陽のような歌詞の絡みが最高な名曲

 M8 動物実験撲滅ソング:物騒なタイトル通りメッセージ性の強い曲 サビの「変えられない運命なんて どこにもないよ」ってフレーズが前向きで大好き

 M9 DERRINGER:「SWEET DAYS」との両A面シングル曲 ファンタジーな歌詞が印象的な曲 この曲聴くと「ロッキーホラーショー」を思い出す

 M10 リス:弾き語り曲、歌詞はかなり意味深  「どうして冷たくなっていくのだろう」は気候のことなのか、歌詞に登場する「彼」のことなのか、、

  M11 COME ON(VERSION1):アルバムの中でベスト3に入るくらい好きな曲 クールなポップ・ロック 前向きで男前な歌詞とキャッチーな歌メロが突き刺さる、ラストアルバムのトリに相応しい名曲

 1991-1995(2000)

 ブランキー解散に伴ってリリースされた前期ベストアルバム(1997-2000と同時発売) 範囲は1st「Red Guitar And The Truth」~6th「SKUNK」まで  
この時期は特に名曲が多いので、どうしても漏れてしまう曲はでてしまうけど、「悪いひとたち」が収録されていないのはよくわからない それと1stアルバム「Red Guitar And The Truth」からは一曲も選曲されてない、メンバーが不満を持ってたらしいから、あえてだと思うけれど、ちょっと寂しい とはいえ「いちご水」という大名曲が収録されているので絶対聴いたほうがいいです

■全曲感想 ※これまでレビューしてきた曲は割愛
 M8 いちご水: シングル「風になるまで」のカップリング曲 「いちご水を入れた透明なビン」の反射する光と、 綺麗な光とこの世界を対比させた歌詞が物凄い サウンドも歌詞の世界観を見事に表現している、透き通るきれいな水を音で例えるからこんな感じなんだろうな カップリング曲に留まっていたのが勿体ないくらい、とんでもない名曲だと思う

 M9 ハイヒール:未発表曲 荒野をバギーで駆け抜けるようなイントロ 歌メロはちょっと昭和歌謡っぽい

 M17 フレッシュ:未発表曲 この曲大好き、ポップな歌メロに乗せた幻想的な歌詞 こんないい曲が埋もれていたのは本当にもったいない

 1997-2000(2000)

 ブランキー解散に伴ってリリースされた後期ベストアルバム(1991-1995と同時発売) 範囲は7th「LOVE FLASH FEVER」~9th「Harlem Jets」まで  
 前期ベストと比較すると、後期の名曲はほぼ網羅されている印象 あとアルバム初収録曲もたくさん入っているので(しかもうち3曲はシングル)、絶対に抑えておくべき作品

■全曲感想 ※これまでレビューしてきた曲は割愛
 M4 左ききのBaby:シングル曲でベースの照井さん作曲 後期ブランキーらしいシンプルでタイトなロックンロール アルバムから収録されなかったのが理解できないほどかっこいい

 M6 ピンクの若いブタ:シングル「ガソリンの揺れ方」のカップリング曲 ベンジーのシャウトが印象的なミディアム・ロックンロール 彼女を「ピンクの若いブタ」と表現する歌詞が強烈 あと、椎名林檎の「丸の内サディスティック」のサビに登場する「ピザ屋の彼女」はこの曲が元ネタ

 M8 I LOVE TOKYO:シングル「ぺピン」のカップリング曲 ボーカルはスキャットとデタラメ英語のみだけど、バックでリズム隊が暴れまくってる とにかくかっこいいのでかなり好きな曲

 M10 Don't Kiss My Tail:シングル「左ききのBaby」のカップリング曲 ポップで軽快なミディアムチューン 珍しく女の子視点で、純粋な男の子を求める心情を「わたしのシッポにキスしないで」と歌う歌詞が印象的

 M14 SATURDAY NIGHT:ラストシングル曲、某掲示板では「サラレナイ」とネタにされていて、歌詞も時代を感じるので全体的に過小評価されている感あるけど、サビ含めて全ての歌メロがキャッチーで、ベンジーのボーカルもかっこいいので個人的にはかなり好きな曲

 M17 古い灯台-The first half-:未発表曲 「ロメオの心臓」に収録された同名曲の前半部分 冒頭からヘビーなバンドサウンドがかき鳴らされててかっこいい、こっちのほうが好きかも

 M18 黒い宇宙:未発表曲 弾き語りメインの静かな曲、SHERBETSにありそうな曲 正直あんまり印象にない曲だったんだけど、久々に聴いたらいい曲だった

 M19 ダンデライオン:シングル曲 直球でポップなキラーチューン けどあまりにも曲のクオリティが高いので、いつ聴いても心のど真ん中にぶっ刺さる大好きな曲 誰が聴いてもいい曲だと思えるはず

 RARE TRACKS(2009)

 解散してから9年後リリースされたアウトテイク&カップリング集 後期はシングルのカップリング曲をアルバムに入れないケース多いからこの作品の存在は大変ありがたい 
 けどアルバム未収録曲が全部網羅されているわけじゃない… 具体的にはシングル曲「ぺピン」や9thアルバム「Harlem Jets」のアナログ盤にのみ収録されてる「JET LAG」が入っていない、ちょっと詰めが甘いと感じる(レーベル主導でリリースされた作品なのでしょうがないけど)

■全曲感想
 M1 ロメオ(London Session on 17 May 1997):アルバム「ロメオの心臓」収録曲の別バージョン ベンジーの歌い方とコーラスがクール 

 M2 EXCUSE ME:シングル「SATURDAY NIGHT」のカップリング曲で実質インストゥルメンタル 照井さんのウッドベース、中村達也さんの超絶ドラミングが映える名演

 M3 リス(VERSION 2):アルバム「Harem Jets」収録曲の別バージョン 原曲は弾き語りだけどこっちはエレキギターがプラスされている このバージョンのほうが好きかな

 M4 シェリル:シングル「ダンデライオン」のカップリング曲 打ち込みとシンセサイザーが印象的 一見地味だけど後半からの怒涛の曲展開は見事

 M5 COME ON(VERSION 2):アルバム「Harem Jets」収録曲の別バージョン ドライでシンプルな音像、ベンジーのボーカルがより前面に出てる印象

 M6 バナナのとりあい:シングル「SEA SIDE JET CITY」のカップリング曲 「I LOVE TOKYO」や「EXCUSE ME」と似たような実質インストゥルメンタル 照井さんのベースが物凄いことになってる

 M7 嫌われ者:シングル「ガソリンの揺れかた」のカップリング曲 リフ主体で押していくミディアムロック

 M8 ロンドン:シングル「赤いタンバリン」のカップリング曲 弾き語りとメロトロン(?)のみの静かな曲 あんまり聴かないかも…

 M9 SEA SIDE JET CITY(VIRGIN TAKE):アルバム「Harem Jets」収録曲のファーストテイク 曲展開はあんまり変わらないけど、荒削りなミックスでこっちもかっこいい

 M10 ルーディー: シングル「赤いタンバリン」のカップリング曲 歌詞は初期のような世界観を継承している雰囲気だけどサウンドはとげが抜けて聴きやすくした印象 地味だけどかなり好き

 M11 コスモス:シングル「ぺピン」のカップリング曲 6分半ある長尺の曲 アメリカンでアダルトな歌詞が印象的 何回か聴いてくと良さに気づくスルメ曲

 M12 fifteen:アルバム「SKUNK」収録曲の原曲 日比谷野音公演参加者にのみ配布されたCDにのみ収録されていたバージョン、つまり激レアトラック 曲はベンジーの弾き語りで、この曲の持つメロディーの良さがより引き立ってる

 その他アルバム収録曲

「MONKEY STRIP ACT2」「LIVE!!!」「Last Dance」

 ライブアルバムにしか収録されていない曲・シングル曲・アナログ盤にしか収録されていない曲なども触れておきます なにか抜けあったら教えてください

 ・悪いひとたち(シングルVer):「麻薬」という歌詞がレコ倫に引っかかったためインディーズレーベルからリリースされたシングルVer.(このCDでしか聴けない) ストリングスが入ってなくて、ボーカルテイクも違う

 ・BABY BABY:ライブアルバム「LIVE!!!」「Last Dance」「MONKEY STRIP ACT2」その他ライブVHS・DVD作品に収録 ライブの最後に必ず演奏されていた必殺ロックンロール スタジオ音源は無いけどライブバージョンで既に完成されているので、それで良いと思う

 ・MY WAY:シングル集「COMPLETE SINGLE COLLECTION SINGLES」にボーナストラックとして収録 シド・ヴィシャスの同タイトル曲の日本語カバー ただ、ワンフレーズのみ、40秒くらいで終わる(フルで聴きたかった…) 曲とは直接関係ないけど、この曲が収録されているシングル集は、全シングル曲をただリリース順に並べた構成 愛がこもってないと感じたのでこのアルバムだけ現物持ってない

 ・ぺピン:シングル曲 ブレイクビーツが印象的なロックンロール UAとベンジーのバンド「AJICO」でもセルフカバーされた 結構好きな曲だけどオリジナルアルバムにもベストアルバムにも収録されず 勿体無い…

 ・Jet Lag:ラストアルバム「Harlem Jets」のアナログ盤のみに収録 この曲大好き、2分半と短い曲だけど怒涛の展開を見せる疾走ロックンロール 中盤のギターソロも超かっこいい なんでCDに収録されなかったんだ…?

 余談:好きな曲ベスト10

 自分が特に好きな10曲を改めて考えてみた

 ・綺麗な首飾り:「Metal Moon」収録 
 ・斜陽:「SKUNK」収録
 ・水色:「国境線上の蟻」収録
 ・悪いひとたち:「C.B.JIM」「THE SIX」収録 
 ・おまえが欲しい:「Metal Moon」収録
 ・★★★★★★★:「BANG!」収録
 ・幸せな人:「ロメオの心臓」収録
 ・君の手のひらに:「ロメオの心臓」収録
 ・Sweet Milk Shake:「Metal Moon」収録
 ・デニス ホッパー:「LOVE FLASH FEVER」収録

 「Metal Moon」ばっかりになってしまった、、既に「BANG!」が一番好きって公言しちゃってるけど、本当は「Metal Moon」がマイベストアルバムかもしれない あと、上位5〜6曲は不動だけど、大好きな曲ばかりなので、後半はその時の気分で変わりそう…

 ブランキーを構成する3要素として、「ナイフのような尖った暴力性」「少年のような純粋さ」「透き通る美しさ」があると思うけど、自分は美しいブランキーが特に好きだな

 おわりに

 BLANKEY JET CITYの全曲レビューでした
 サブスクも解禁されるので、これまでブランキーに触れてこなかった人たちにもその凄さが伝わるといいな きっと価値観や生き方が劇的に変わるはず
 全アルバムのアナログ盤も近々発売されるとのこと、買えるだけ買います

 最後まで読んでくれてありがとうございました



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