放課後ランプ #毎週ショートショートnote

「あった！」
僕の手にあるのは「放課後ランプ」
学校の七不思議の一つだ。外見はアラビアンナイトに登場するランプだ。
いわく、ランプは所有者の願いを叶えてくれる。
皆が噂だと笑ったが、僕は研究に研究を重ね、ついに今日ランプを手にした。

願い事は決まっていた。僕は呟く
「ランプ、僕を高校1年生の春の林間学校まで時間を戻してくれ」
そこから全てが狂った。学年イチの美女、佐伯さんと付き合えるチャンスだったのに、幼馴染の木村と付き合うことを選択してしまったのだ。
木村も悪い子ではないのだが、どこか平々凡々としていてマンネリしていた。

だから、過去に戻って、佐伯さんと付き合って薔薇色の高校生活を取り戻すのだ。
ランプが怪しく光り、靄が僕を包む。そして僕は時空の彼方へと飛んだ。
静寂のあと、靄の中から男が現れた。彼はランプの魔人だった。

「バカだなぁ。佐伯さんと付き合ったら、木村と付き合っとけばよかったといってランプを探すことになるのに」

了(406文字)

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