ブレイン・デコーディングの方法#1-脳機能マッピングと脳情報デコーディング-
以下,自分の覚えとして,残します.
現在までのブレインデコーディングの研究の大きな流れ
■2005年 機械学習によるfMRIデコーディング(Kamitani&Tong,Nat.Neurosci.,2005;2006.)
■2008年 任意の画像を再構成するためのモジュラーデコーディング法による画像再構成(Miyawaki et al.,Neuron,2008)
■2017年 DNN導入による自然画像再構成(Shen et al.,preprint,2017)
脳機能マッピング
脳機能のマッピングの問題点
統計的仮説検定を用いるので,偽陽性が生じやすい
➡︎・fMRIにのるノイズがガウス分布で近似できない.
・一つ一つのボクセル単位でしか分析していないため,脳活動パターンとして,解析できない.ここのボクセルはわずかな選択性しか持たない.
脳活動マッピングによる脳の物体の認識の仕方
物体の認識について,特定の物体(例 椅子)に対応する脳活動のマッピングがあり,それによって,脳内では椅子が生じている.また,その他の物体(例 靴)では,別のマッピングがあり,それによって,脳内では靴を認識している.(Haxby et al,Science,2001)
機械学習による脳機能マッピング(Voxel pattern VS Individual voxels)
従来,個々のボクセルでしかパターン分析していなかったものを,機械学習を用いて,パターンとして解析.個々のボクセルはわずかな選択肢しか持たないがパターンは強い選択性を持つ.(Kamitani&Tong,Nat.Neurosci.,2005;2006.)
デコーディングとエンコーディング
概要
デコーディング(脳活動➡︎刺激)とエンコーディング(刺激➡︎脳活動)はベイズの定理によって,互いに交換可能.しかし,従来のエンコーディングでは,個々のボクセルを別々にモデリングしているので,脳活動のパターンを扱うことはできない.その結果を用いて,ベイズを用いて,デコーディングした結果は,脳活動を過小評価している可能性がある.また,脳は物理的に見ているものより,想像しているものに対応する脳活動を示す.
応用例(意思決定のデコーディング,クラファン予想)
■右左のボタンを被験者の好きなタイミングで押すとき,ボタンを押す8秒以上前から,どちらのボタンを押すか予想できている.(Soon et al, Nat. Neurosci., 2008)
■ベンチャービジネスの概要を見た際の脳活動(fMRI)を元にビジネスの成功を予想したものとアンケート調査を行って,アンケート調査の内容を元に予測したものを比較した場合,前者の方が精度よく予測できた.
眠たいの今日はここまで...
以上
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