ブラック企業|社畜スタート。
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振り返って思うのだが、
DVをする男は外面は果てしなく良い。
あの人がそんなことするなんてと言われるような。
この辻本さんもこのタイプだったのだ。
この時点でひっかかるところは多々あった。
怖いもの見たさもあったと思う。
それを承知でワタシは自ら足を踏み入れたのだった。
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初出勤。
緊張しながら出勤した。
何回も転職してるのだか、初日は本当に緊張する。
自分の実力は通用するのか、
皆んなと馴染めるか…不安だらけだ。
こんないい歳こいてフレッシュな気持ちで出勤してるのに、
通された机は、ボロボロだった…。
ワタシのフレッシュな気持ち返して。今すぐに。
いつの時代の机だよっていう感じ。
ワタシの席だけではなく、他の席もそんな感じだった。
椅子もボロボロ。
ちょっと動いただけで、キーキー言う。
寂れた公園のブランコのよう。
もう帰ってもいいですか?
夕方になったんで。←来たばっかりやろ!
野口さんは、ワタシを席に通すとさっさと自分の席に戻ってしまった。
新人が入ってきた時って
いろいろ会社内の説明とかするもんじゃないの…?
始業時間になったが、ランチの時にいた内3人いない。
あれ?時差出勤かな?
若い男子が声をかけてきた(以下山田さん)。
山田さん「僕も一週間前に入社したんですよ!これからよろしくお願いします!」
猫宮「あ、よろしくお願いします。」
なんか明るくてフレンドリーな男子だ。
しばらく経つと、みんなゾロゾロと別室へ移動し始めた。
朝礼かな?ミーティングかな?
野口さんになにも言われないし、ワタシはこのままで…いいんかな…。
山田さん「朝礼が別室であるんですよ。猫宮さんも行きましょう!」
猫宮「あぁ、はい。」
てか、野口!
オメーがそういうの言わないといけないんじゃないのか!
一週間前に入った人に、中途社員の世話やらせてんのか!
全員揃って、まずは社長から
全員にワタシの紹介をしてもらった。
・・・あれ?半分人がいないような・・・。
半分は某上場企業へ出向しているらしい。
なるほど、だから辻本さんもいないのか。
本社は野口さんがリーダとして、
出向先は辻本さんがリーダー、
そして全体を束ねているのが辻本さんという感じらしい。
この会社の売上は某上場企業90%を占めているらしい。
それって、某上場企業から切られたらおしまいなやつやん。
てことは、かなり無理な納期、単価でやらされてるに違いない。
などと考えながら、朝礼が進んでいった。
みんなが順番に一週間分のスケジュールを発表していくスタイルだった。
その中に社長とソックリな顔の男性がいた。
これは・・・社長の息子か?
やっぱり社長の息子だった。
将来この人が社長になるのかぁと思った。
社長の息子はデザイナーではなく、校閲だった。
朝礼が終わり、席に戻った。
野口さんに何をしたらいいか尋ねたら、
データ整理でもしといて。と言われた。
データ整理って!
ワタシ今日きたばっかりで
データ整理もなんもないんですが!
なんなんだコイツ。
まぁとりあえずMacを立ち上げ、Macの中を様子を見てみる。
ソフトの確認、データの在りか、素材等々…。
なるほど、この会社はこういう感じで仕事をすすめてるのかぁ。
てか、いつまでこれワタシやればいいの?
すんごい放置だな。
山田さんは何やってるんだろ?
…仕事っぽいことしてないな。鼻歌歌ってるし。
てか、野口!
オマエも一緒に歌ってんじゃねぇよ!
(有線が流れてるのでそれに合わせて)
まぁ楽しそうに仕事するのはいいことなんだけどさ。
でもまぁ、初日からやばい感じがプンプンする会社だわ・・・。
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