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バックスファン、リッツカールトン日光へゆく【前編】

ホテル「ザ・リッツカールトン日光」とは?
→「日本有数のすんごい高級なホテルです」~ねこみのだんな調べ

リッツカールトンに泊まることになりました

 ある日、夢を見た。
 それもえらい吉運の夢だ。
 夢占いに興味ある方ならご存じであろう、ようは「運」のつく夢を見たのだ。
 不思議と臭いもなければ嫌悪感もまるで感じない。ただ、借りたトイレは見事なまでの「運」の量だった。そしてレバーを引くと、ものすごい勢いで「運」が吸い込まれていって、みるみるキレイぴかぴかになるのであった。
 これは「何か当たる!!」
 
そう思わない理由はなかった。
 じゃあなんだ?株か?宝くじか?...かと言って欲をかいたところで、庶民が当たるラッキーなどたかがしれている。でもこれは「イイモノ」が当たるに違いない。何だ?何が当たる????!自分は当たりそうなものを探した。
 そこに目に入ったのが「ザ・リッツカールトン日光マッチデー」の文字であった。

・日光アイスバックスのスポンサー様だった

 日本のトップリーグであるアジアリーグアイスホッケー(日本、韓国5チーム)に所属する「栃木日光アイスバックス」の熱心なファンである筆者。
 2024年2月24日に行われる「アイスバックス対HLアニャン」戦は冠スポンサー「ザ・リッツカールトン日光マッチデー」として開催されるとの会場情報が流れていた。
 バックスファン界隈はざわついていた。なぜなら、バックスの有料抽選会「イワシカくじ」の賞品に「ザ・リッツカールトン賞1泊2名様ご宿泊券(ガーデンビュールーム、ご朝食付き」1名様(時価15万円相当・諸説あり)が出現したからだった。間違いなく過去最高の豪華賞品である。さらに「日光御前ランチ2名様ご招待券」「アフタヌーンティー2名様ご招待券」が各2名(各15,000円相当)ずつも出た。
 はっきり言ってランチやアフタヌーンティーでも十分な賞品であるにも関わらず、「宿泊券」まで出してくれた。超太っ腹な賞品群だった。
 名誉のために、毎回提供していたいただいていて、実質特等にあたる「フェアフィールド・バイ・マリオット栃木日光賞ペア宿泊券」も、十分魅力的な賞品だと紹介しておきます(いつもありがとうございます)。

日光アイスバックスのホームリンク、日光霧降アイスアリーナ(日光市)

 「マッチデー」当日。会場入口ではリッツカールトンのホテルスタッフ十数人がPR活動を行っていた。そして、イワシカくじ売り場は明らかに普段の雰囲気とは違っていた。参加する人数が、購入する枚数が、明らかに多い。そして皆が色めき立っていたのだ。 
 イワシカくじは、1人何枚でも購入可能な有料くじである。そして気に入った賞品の箱に、好きな枚数を入れて構わない方式である。この日の売り上げは、普段数万円の三倍になったといわれる。
 普段の自分が買う枚数は5~10枚。しかし、この日は大勝負の日。しかも「絶対に当てる」と言う「根拠のない自信」ではない。自分は「絶対に当てる」と言う「根拠のない十二分な確信」を持っていたのだ。   
 この日購入したイワシカくじは20枚。時は第一ピリオド終了時。「リッツカールトン宿泊券」透明な投票箱の3分の1以上が、すでにくじで埋まっている。そう、相当な数がすでに投票されていた。 
 自分は15枚のくじを(怨)念を込めて、入念に、そしてばらまくように、箱に投じた。残り5枚はランチなどにワンチャン込めて投入した。

・ビジョンに映る当選番号!!!かみさんの頭を叩く

 この日、ほぼ実質韓国代表との試合である、強敵HLアニャンとの試合には勝ったんだけど、あんま覚えていない。
 イワシカくじの当選発表は、第2ピリオド終了後のインターバル中である。バックスの試合に華を添えるアイスガールズが、次々とビジョンに映し出される当選番号を読み上げていく。
 自分はS席に座るかみさんの後ろの通路に立ち、結果を待った。そう、自分には当たる「確信」があった。そして。。。
「6262」
の数字がビジョンに表示された。

証拠の連番くじ

 3度見て確認し、さらに手持ちの連番で確認して間違いなく「6262」であった。
 声にならない笑いの後、思わず目の前に座っているかみさんの頭を軽く叩いた。ふくれっ面して振り向くかみさんに小声で言った。
 「当たった」と。
 当たりくじをしっかり握りしめ、人混みの通路を縫って、会場入り口外の引き換え場所まで早足で向かう。
 ボランティアスタッフの女の子に「6262のリッツカールトン当たりました!」と伝えた。「いーなー」と目を丸くする女の子と、顔なじみのバックススタッフにしっかり番号を確認してもらい「上等な封筒」をいただくことができた。

リッツ・カールトン日光のロビーと上等な封筒

・「おめでとうございます!!!」の嵐

 すかさず、リッツカールトン日光のPRブースにいるスタッフに片っ端からお礼を言って回った。単に仕事で来ているスタッフからも「当たったんですか?!おめでとうございます!」とお祝いを言われまくる。
 外国人支配人にお礼を言おうと探しまくったが、見つけることができなかった(会ったところで迷惑なだけであったろうが)。
 かみさんに宿泊券の入った「上等な封筒」を見せた後、バックスの応援エリアにいる通称「売店脇」の面々に、当たりましたと伝えて回った。
 「まじか!?」
 「おーすごい!」
 「おめでとー!」
 選挙で当選した田舎の町議会議員よろしく、仲間に頭を下げて回る自分の姿は、今思えば滑稽であった。
 帰り際、バックスの責任者の一人である土田チームディレクターが来場客のお見送りをしている際、すっと横に立ち。
 「すいません、リッツカールトン当たりました。ありがとうございました」と小声で伝えると、「え!ホントに当たったんですか!?おめでとうございます!」と、こちらも目が丸くなっておられた。
 同じくお見送りしていた、コラムニストのえのきどいちろうさん(バックスと長年関りがある)にも「えー!おめでとうございます!」と祝福された。
 帰りの東武電車(普通)で一緒に帰ったLさんからはこう言われた。
「どんな善行を積んだんですか???」

リッツ・カールトン日光PRコーナー(東武日光駅)

・。。。。。。。俺たちの闘いは実はこれからだった????

 家に帰ってから、一生懸命「ザ・リッツカールトン日光」を調べた。
 名前だけは知っていたが、日光の山の上、中禅寺湖の入口に建つ、リッツカールトンの中でも最新鋭の高級ホテルだそうだ(へー)。
 公式ホームページを見れば見るほど、自分のようなプロレタリアートでなく、ブルジョワ階級の日本人や外国人が1泊数十万の部屋に「長期滞在」するような高級ホテルである。
 そんなところに、単なる庶民が、バックスファンが、アイスホッケーファンを代表してリッツカールトンに泊まることになるのだ。
 1泊朝食付と言うことは、夕食はホテルで頼むか外で食べて来ることになる。タダ券もらった礼儀として、これは「でなー(ディナー)」の一つでも頼まないと「バックスファン代表」として、スポンサー様の手前申し訳が立たないだろう(妄想)。
 招待してやったのに、来たのが「しょぼい客」だとスポンサー様に思われたら、来年はマッチデーをやってくれないかもしれない(続・妄想)。
 ディナーの紹介ページを見る
 「季節のコースおひとり様24000えん」
 うん、そうだよね。そりゃあそんなもんだよね。でも一回遠征で北海道の試合に行くと思えば、人生の良い経験のためだと思えば、そんなもんだよと思える(と思い込んだ)。夕食のコース料理は頼むことに決めた。
 翌日の試合、売店脇エリアでNさんとTさんには、「バックス代表として恥ずかしくないように、そりゃあ夕飯くらい頼まないとねえ~(笑)」と煽られた。
 一方、帰りの東武電車内で一緒になった、えのきどいちろうさんからは「別にそこまで気にしなくて良いんじゃないの~?」とは言ってもらえた。

 そう、結局のところ、庶民がリッツカールトンにまずはたどり着くことさえもめちゃ大変なことで、まさしく「俺たちの闘いはこれからだ!!!」だったのだ。
【後編につづく】


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