ありのままの自分を愛されることはできる? ~文化系男子のための恋愛入門②
※この記事は文化系のためのオンラインマッチングサービス「猫Match!」の『「モテたいわけではないのだが」文化系男子のための恋愛入門/読書会&トーク』
より、トイアンナさんトークショーパートの一部を書き起こしたものです。
その①はこちらより
語り手:トイアンナ(作家/恋愛・就活ライター)
聞き手:あじさい(文化系恋愛アドバイザー/猫Matchマネージャー)
■なぜ自分よりカスな男でも彼女がいるのか?
で、そうなると次に多分出てくる疑問が、なぜ自分よりカスな男でも彼女がいるのか? っていう男性が抱きがちな疑問があると思うんですけども。
とある方がですね、一体どういう状況・条件があると彼女が出来るのかっていうのをすべての印象を統計化したデータをとったことがあるんですよ。
その結論はなんと、試行回数、すなわち口説いた回数だけでした。
その人の性格の良さとか、年収とか身長とかではなくって、トライした回数だけでした。その後、結婚しやすさとかはまたいろんな要素が入ってくると思うんですけど、少なくとも彼女ができるかどうかにおいては、口説いた数が多い人間は付き合えるっていうただ単にそれだけ。
――すごい単純な、確率の問題みたいな!
そうなんです。で、今日いろんな(読書会の)グループでお話を伺ってた時に、「こういう態度をとったら女性はどう思っちゃうんだろう?」と思って動けないみたいな話があったんですけど、試行回数が多い人はそんなこと思ってないですよね多分。
■全員褒めちゃえばいいんですよ
――ただのワンオブゼム。
はい。なのであの、いろんな人をとにかく口説く。あ、あじさいさんは性別が男性だ! 口説こう! それぐらいのスイッチが入ってると思ってください(笑)
例えば今日なんですけど、皆さん男女比で男性が多いじゃないですか。女性が少ないからって、この女性を口説こうと思わなかったことは敗北なんですよ。あー女性いるじゃん。お顔はじめて見ましたけどかわいいですねってなんで言わなかったんだろうみたいな。ていうくらい。
なんならこれって口説いてるうちに入らないんですよ。単純に、小さい好意をヒュッて投げつけただけ。これでダメな人は、あっ、ああ……ありがとうございます……みたいな引いた笑いをするのですぐにわかります。そのあとは出さなきゃいい。単に褒めるだけだったら、あのー全員褒めちゃえばいいんですよ。〇〇さんそのTシャツ素敵ですねどこで買ったんですかとか。それを言うだけならタダなのに、それをするかしないかで彼女ができるかどうかにかなり分岐がある感じです。で、カスの男性は単に試行回数がめちゃくちゃ多いだけの可能性があります。
――純粋なっていうか、カスじゃない男性の場合は、大切な人にしかそういうことを言っちゃいけないっていうすごいロマンティックな気持ちをもってたりする。
そうなんですよ! あのー最近ちょうど、女性を妊娠させてそのまま音信不通で逃げたっていう典型的なカスの話を聞いたんですけども、典型的なカスの男性はやっぱりその話を聞いてる私すら口説いてくるわけなんですよ。凄いじゃないですか、だって「俺は妊娠させた女を音信不通にして逃げ切ったぜ」っていう最低の話をしている相手のインタビュアーの女を口説くんですよ。
――最低の武勇伝をしながら。
よく可能性あると思ったなって普通の人は突っ込んじゃうとこだと思うんですけど、それをする位に試行回数が多いからカスなりに……ちなみに彼女4人います。で、これをカスだからモテてるって印象を結びつけると誤解になるんですね。カスだからモテてるんじゃなくて、その人は口説きまくってるんです。
で、これは女性も似てて、女性でも男性を口説きまくれば普通に打率は上がります。これも試行回数ですね。
■デート回数を重ねると友達になる確率が上がっていっちゃう
で、じゃあ好きな……本当に好きになったタイミングで好きになった人だけ口説こうと思うと、具体的にアウトプットでどんな差がでるかっていうと、まずデートの可能性が増えますね。
だって、初対面で絶対この人に告白しようって決めきれないじゃないですか。デートの回数は重なるのに、相手の女性の目線から見ると、なかなかこいつは口説いてこないぞってなるわけですよ。こいつ何のためにデートしてんだ? って思っちゃうんですね。そうすると弱く見えるんですよ。
だから最初から口説いておいた方がいい。好意を小出しにしておいたほうがいいっていうのは、こいつ何のために私と何回もご飯食べてんだ? って。
――その弱く見えるっていうのは、男性として魅力がなくなるみたいな?
どんどん友達に近づいてくるって感覚ですね。なんかこの人下心なさそう、口説く気なさそう、でも私に親切にしてくれる=友達か! みたいな感じに納得されちゃうので、どんどんデート回数を重ねると友達になる確率が上がっていっちゃうんですね。でそれを考えたら絶対にですね、優しさだけを発揮しないほうがいい。むしろ下心を出してワンオブゼムになるくらい口説く試行回数を増やした方がいい。これは男女問わずそうって話になります。
で、続けてちょっと「そのままの自分を愛して欲しい」っていうテーマに移りたいなーと思ってるんですけども。
■そのままの自分を愛して欲しい
「そのままを愛される」ってすごくいい響きなんですけど、非常に難しいなぁと思っていて。
例えば、私がパジャマのままデートに行ったら振られるじゃないですか。まぁそりゃそうですよね。お前、有楽町なり銀座なりで待ち合わせしといてパジャマで来たんかみたいな話じゃないですか。でもそのままの私っていったらパジャマですよ。すっぴんで髪もガタガタの。それでもそのままで行ったらやっぱり振られるわけですよね。だから人間はある程度、デートっていう時点でパッケージは作ってるはずなんですよ。
で、例えば事前に美容室行って髪切っておこうとか、あるいはさすがにシャワーは浴びるでしょとか、体形が目立たないようなシャツ着よっかなとか、そういう気を使っているわけで、その時点でそのままで本当に来る人ってほとんどいないと思うんですね。やっぱり人が相手を見る時って最初はパッケージを見るじゃないですか。お菓子を買うときに、ズタズタの袋で買うよりも、きれいな缶に入ってる方がお菓子が美味しそうに見えますっていうのは事実で、そういった意味ではそのままを愛されたいと思っていても、パッケージは一回やったほうがいいんじゃないですかっていうのはあると思います。
一方で、じゃあそれだと夫婦生活とか彼女彼氏になった時に続かないよーって言う話があるんですけど、それはどう話したらいいかっていうと徐々に出していくんですよ。
■徐々に出していく
婚活めちゃくちゃ下手な……これは男性より女性に多いミスなんですけど、自分のすごい欠点をいきなりプロフィールの最初にぶち込む。〇〇経験がありますとか。いやそれさ、今言う? みたいなのを入れる。別に付き合ってしばらくたってから、いや実は私こんなことがあってみたいな。そうなんだ、色んな事情があったんだね。って言えるじゃないですか。それをプロフィールの前に入れるなみたいな話なんですよね。あるいは初対面でいきなり、あっこんにちは! あたし〇〇経験三回あるんですけどいいですか? とか言わないでしょう。
――心の穴をむき出しにして近づいてくるってことですよね。
怖いですよね。なので、ありのままの私を愛されることはできるんですけど、まずパッケージを作って、このパッケージきれいだなぁと思ってもらって、付き合ってから徐々にありのままを出していくっていうのは有りなんですよ。でも、いきなりありのままをバーンって出して、これが私ですこれが俺です、この俺を愛してくださいっていうのは、そりゃボロボロのパッケージのクッキーを出すようなものなので、それをいかにそのクッキーが美味しかろうと売れないですよねっていう話にはなっちゃうと思います。
■相手にありのままを見せるチャンスまで失う
――畑から出てきたままで土とか付いてるのにそれを食べろって言ってるようなものですよね。
これが獲れたての愛ですみたいな(笑)。なので出来れば、やっぱり結婚とかいわゆる大事な、戻りづらくなるタイミングの前に自分のありのままであったり、過去のトラウマであったりとかを理解してもらうことだと思うんですけども、それはやっぱり仲良くなる段階で徐々に出していくもの。
実は私昔いじめられてたことがあってそれがトラウマなんだよねとか、過去にこういう恋愛をしたことがあってそれが結構引きずっちゃっててとか、詐欺の被害にあったことがあってとかいろいろあると思うんですけど、その話は付き合ってしばらくしてからこうちょっとずつ出して相手の反応を見るのがちょうどいいと思います。
で、相手のことを好きになってれば大体のことって受け入れられるんですよ。そうなんだいじめにあってたんだ辛かったねって話も出来るじゃないですか。でもこれで初対面で私に、小学校の頃からずっといじめにあってて……みたいな話をしてきたら、なんでこの人初対面でこんな話してきたんだろう……カフェの空気めっちゃ重くなったけど……ってなるじゃないですかあ。だからタイミングってすごく大事ですよね。そのままも愛されたいなら、だからからこそ最初はパッケージをきれいにしておかないと、相手にありのままを見せるチャンスまで失うかなと思いますね。
――手にとってもらえないですね。そもそも。
じゃあ何の話をしたらいいか。ありのままを出さないとして、最初の場面で一体何を出していけばいいのかっていうと、初手、最初のデートって自分の話をいかにしないかっていうゲームだと思ってもらうと勝ちやすいです。
<その③へ続きます!>
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