別に面白いこと言わなくていいんですよ ~文化系男子のための恋愛入門③
※この記事は文化系のためのオンラインマッチングサービス「猫Match!」の『「モテたいわけではないのだが」文化系男子のための恋愛入門/読書会&トーク』
より、トイアンナさんトークショーパートの一部を書き起こしたものです。
その②はこちらより
語り手:トイアンナ(作家/恋愛・就活ライター)
聞き手:あじさい(文化系恋愛アドバイザー/猫Matchマネージャー)
■どれだけ相手にボールを持たせたか(自分の話をいかにしないかっていうゲーム)
初手、最初のデートって自分の話をいかにしないかっていうゲームだと思ってもらうと勝ちやすいです。
サッカーの中継をご覧になる方は知ってると思うんですけど、自チームがどれだけボールを占有してたかっていう占有率を出すんです。デートでは逆で、どれだけ相手にボールを持たせたかなんですよね。
相手の話を引っ張り出して、引っ張り出しながら自分に合うかどうか査定していく。っていうのが一番楽な話の仕方です。ただ、相手の話を引き出す時に「そうなんですかー最近リモートが多いんですね」って言いつつ「あたしも実はリモート続いてて、そうなると出不精になりますよね」みたいに、自分の価値観も出せるわけですよね。相手の話を広げつつ自分の話もちょっと入ってるから、価値観のすり合わせも十分できるわけです。
逆に自分が、あー気持ちよかった今日めちゃくちゃ話したなみたいな、今日すごいすっきりしたみたいなデートって悪いデートかもしれなくて、もしかして私・俺、今日相手に接待させちゃってない……? って。自分が気持ちよく話せちゃった会っていうのは、やばい回なんですよね。なので、そこで自分を振り返らなきゃいけないんですよ。今日すごい楽しかった、盛り上がった。……本当か? みたいな。相手にとっても盛り上がってたデートだったか? これはもしかして私、相手にキャバ嬢かホストをやらせてなかったか? みたいな。
――好きな話を聞いてもらえたなってなると危険っていうことですよね。
これは非常に会社の接待に似ていて、会社の接待でも自分語りを取引先にしたら負けじゃないですか。それより相手の話を聞いて、そっすよね! って盛り上がると円滑に進む部分がありますよね。それが非常に重要なんですけども、そのそっすよねってパートをいかに持てるか、最初くらいは逆に接待だと思ってもいいと思います。で、そのあと自分の価値観を徐々に出していく。例えば次は私の趣味の話ちょっとしたいんですけどとか入れていくとか。そういうのでわかっていけばいいかなぁと思います。
■男性って人の話を聞くのが苦手
――僕もそうなんですけど、一般的に男性って人の話を聞くのが苦手なケースが多いと思うんですよね。つい自分の話をしたくなっちゃうっていうか。そういう、人の話を上手に聞く心構えみたいなものってありますか?
やっぱりそれをゲームだと見てもらうのが一番早いと思うんですけど、他の方法としてはそうですね。この話を広げるとしたらどのような質問が適切だろうかって考え続けてもらう、のがいいかもしれませんね。
――向こうがしてきた話に対して、どういう振りをすれば向こうがその話を続けてくれるかとかそういうことでしょうか。
そうです、相手がさらに話を続けたくなるこの場での質問はなんだろう、っていう問いかけを自分に課す。そうすると何が防げるかというと、まずソリューション提供型の会話が防げます。
「それはさぁこういう悩みだからこうこうこうやって解決すればいいよ(ピシャッ)」
みたいな。よくいわれるやつですよね、男女の会話で女性は解決策を求めてないんだよみたいな。これを防げるので、共感型の方に持っていけます。(愚痴に対して)そうだよねそれは確かに会社が辛いよねーって話に持っていけますよね。
で、もう一つは、そうすると質問攻めにしなくなります。会話が苦手な男性って、じゃあ女性に質問をしなきゃ、女性の話を広げなきゃ、がんばるぞ! てやると何をやっちゃうかっていうと、休みの日は何してるんですか? 結構美術館とか行くんですね。それでお仕事は何をしてるんですか? あ、経理。そうなんですか。大学では何を勉強してたんですか? みたいな。ブチッブチッて切るような質問攻め、広げない質問をしちゃうんですけど、相手を盛り上げるためには今どんな質問を今すると適切なのかって問いかけにすると、このブチ切りがなくなるかなぁとは思いますね。
――そういう広げるゲームだと思って楽しむのが一番いい。
■読書会で練習
はい。でも最初は難しいとは思います。だから、いきなり婚活でこれができるになるとは私は思ってなくて、どちらかというともうちょっとBARであったりとか、趣味のサークルであったりとか、それこそ猫Match!さんとか猫町倶楽部さんでそういうのを出来るようになって挑むのがちょうどいいくらいかなと思ってます。例えば今日のあの読書会のグループの中でどんな話題を振ったらみんな盛り上がるかなって考えるとか。この場で話を膨らます問いかけって考えるとか。それが出来るようになったらかなり、婚活でも恋活でも負け知らずになるんじゃないかなと。これは女性もですね。男性が女性を切るときの理由ナンバーワンは「話をまったく盛り上げてくれない」だったりするんですよ。……ごめんなさい嘘です。一位は外見が好みじゃなかったからです。 これはどうしようもない、頑張ろうみたいな話なんです……。で、二位が、女性って本当に話を男性より盛り上げないんですよね。
■別に面白いこと言わなくていいんですよ
――それは、コミュニケーションが共感型だからとか関係ありますか?
男性が話を盛り上げるものだと思っているから、女性には入れる共感スイッチを男性相手だと入れない人がけっこういて、休みの日何してるんですか? そうですね寝てますかねー。仕事どんな感じですか? まあそこそこ……みたいな、すごいやる気のない返事しちゃう人がいるんですね。
これはもちろん女性から男性でもあるんですけど、これをやられると男性は途方に暮れるしかない(笑)。
さっきの、どの質問をしたら相手が盛り上がるかのスイッチが一切わかんない状態になってしまうので、とにかく相手の話を広げるっていうのは婚活や恋活、デートにおける義務であるくらいに思っていた方が逆に期待値がずれないというか、自分が接待されて気持ちよくなって次のデートに繋がらないっていう失敗がなくなるかなってと思います。
――そう考えると、読書会って自分が話すよりも人の話を聞いてる時間の方が圧倒的に多いわけですから、考える時間もたっぷりあるし、話を広げるための会話の練習としては本当にいいと思いますね。
しかも結構初対面の人も多いじゃないですか、だからまさに何かマッチングアプリで会う時と似たような状況なんですよね。相手のツボが何か全くわかんない、これって結構難しい状況ですよね。で、その上で命綱として同じ本を読んだというテーマだけがある。っていう中で、じゃあ何をしたら盛り上がるんだろうってやるゲームだと思っていただければと思います。
別に面白いこと言わなくていいんですよ。なにか例えば、トイアンナはバキバキのフェミニストだと思うねみたいな突飛なことを言えって言う話じゃなくって「この本のテーマの中でみんなが触れそうなところってここかなって自分的には思ってるんですけど〇〇さんどうですか」って振ってみるとか。で、議論が始まったら「そうですねそういう意見ありますよね、ちなみに〇〇さんどうですか」って人に振ってるだけでも盛り上がっていきますよね。で、そういうのをやっていると自分の脳が停止したままでも話題を盛り上げることが出来るようになります(笑)自分の意見何もないけどみたいな。
――読書会ではファシリテーターって進行役を一人決めてるんですけど、確かにファシリテーターって極端なことをいえば本を読んでなくても出来るんですよ。
あー! そうでしょうね。
――みんなに話してもらったことをうまく汲みとってドライブさせていけばいいので。話を広げる練習としてはすごくいい。
ファシリテーションと一緒で、慣れると脳の機能が停止したようでも割とオートで出来るようになるんですよ。今回のそのデートで相手の話を広げるって最初ものすごい苦痛かもしれないんですけど、慣れてくると出来るようになるので、そうするとさっきみたいに試行回数が多い、チャレンジした回数の多い男性っていうものが生まれて、結局その人は脳を停止したまま女性と会話できるようになるからモテるようになる。あるいはパートナーができやすくなる、っていう流れがあります。
で、そこから先の話なんですけど、自分をいいように使う女性を大事にしないでねって話をしたいと思ってて。
<その④へ続きます!>
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