進行性の病気で完治はしない?
こんにちわ、ねこまねきです。
ギャンブル依存症になったとき(なったと自覚したとき)、自助グループで説明されたこと。
「ギャンブル依存症は進行性の脳の病気で、完治はしません。回復し続ける必要があります。」
実はこの説明がずっと引っかかっていました。
病気としてのイメージがあまりにも湧かなかったからです。
だから最初から病気のことを調べたわけですが、今回の記事では、改めてこの説明のことを考えてみようと思います。
言葉を区切って考えてみる
全体像がぼやけて良くわからない場合は分解してみればいい。
ということで次の3つの項目に分けて、それぞれ考えてみようと思います。
進行性の脳の病気?
完治しない?
回復し続ける?
同じような病気はないか?それらとギャンブル依存症に違いはあるのか?
この点について見ていきます。
「進行性の脳の病気」
病気が進行するというのはどういうことでしょうか?
一般的に「進行性の病」というのは「時間経過とともに自然に進行していく病」のことだと思います。
代表例としては、アルツハイマー病やパーキンソン病、がんなどが挙げられます。
これらの病気が進行するというのは、身体の内部で組織や機能が徐々に悪化していくプロセスを指します。
神経細胞が徐々に失われるアルツハイマー病、がん細胞が時間とともに増殖するがんなどは、外部からの介入がない限り病気は進行します。(投薬や手術)
つまり、外部から進行を遅らせる努力をしない限り、内部では勝手に病気が進んでいく ということです。
ではギャンブル依存症はどうでしょうか?
自助グループでは数か月~数十年にわたってギャンブルを止めている方がいます。
これらの方は 時間が経っているが ギャンブルをやらないでいられる、という状態です。
一方、ギャンブルが止められない方もいます。この場合は段々ギャンブルに対する掛け金が大きくなったり、コントロールがより効かなくなったりします。
このことからギャンブル依存症は「時間とともに自然に進行する病気」ではなく、「ギャンブルを続けることで進行する病気」 だと言えるのではないでしょうか?
「完治しない病」
「完治しない病」、というのは言い換えれば「現代の医療では治しきれない病」のことです。
アルツハイマー病、パーキンソン病、糖尿病、てんかん、リウマチ
など一度発症してしまうと治せない病気です。
これらの病気は症状を和らげる薬や、進行を遅らせるという方法があるけれど、完全に原因を取り除くことはできない、というのが現状です。
ギャンブル依存症に関しては、治療法も薬も確立しておらず、自助グループなどに参加することで発症を抑えることができるようだ、という対処法しかないと言われています。
これは少し乱暴な言い方をしてしまえば、「医療では治療できないと言えるほど調べられてもおらず、放置されている病気」だとも言えます。
つまり、「よくわからないから今は治せない病気」だということ。
「回復し続ける必要がある」
実はこの文言が一番意味がわからなかったのです。
回復し続けるってなんだろう?
だって、ギャンブルしてない間は進行しないんですよ?
それなのに 回復し続ける ってなんだろうって。
炎症が続いて組織が崩れていくわけでも、がん細胞が際限なく増えるわけでもない。
むしろ、ギャンブルをやっていない間は特に何も起きないわけです。
それなのに 回復し続ける って・・・
これは依存症が「アレルギーのような病気である」と表現したシルクワース医師(AA創設者のビルに助言したお医者さんです)の言葉を考えているうちにピンときましました。
花粉症のように、きっかけとなるものがきたら反応してしまうのがアレルギー。
きっかけとなるもの、つまりトリガーですね。
このトリガーを発動させなければ、症状が出ないはず。だからこのトリガーを避けようね、ということなんじゃないかと。
回復し続ける=トリガーを避ける努力を続ける
トリガーになるのは人によって違う。ギャンブルそのものだけでなく、心配事や悲しみ、喜び、肉体の疲れなど。
だからまずは自分のトリガーをしっかり見つけること。
取り除ける原因はなるべく取り除くこと。
この行程をうまくロジックとしてまとめたのが12ステップなのかな。
結論:まだまだ分からないことだらけの病気だという事
「ギャンブル依存症は進行性の脳の病気で、完治はしません。回復し続ける必要があります。」
これは言い換えると
「ギャンブル依存症はギャンブルをやり続ける限り進行する病気で、残念ながら現在の医療では治療法はわかりません。発症しないように自分でトリガーを見つけて避け続けてください。」
となります。(ちょっと乱暴かな)
これが今のギャンブル依存症の現状。
病院で相談しても、専門的な知識を持つ医者はあまりいない。
自分では対処できないから、GAという自助グループを薦める。
当事者たちは集まって、他の依存症で効果があったというミーティングや12ステップといった方法論にすがるしかない。
家族も病気のことを理解しようと家族会などの自助グループを作って、お互い相談し合っている。
結局ね、みんなよくわからないまま苦しんで、治す方法を探してるんだと思います。
早く、治療法が見つかると良いな。
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