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インボイスクソ対応企業オブザイヤー2023

2023年で最も記憶に残ったのがインボイス制度対応だった。
制度への準拠対応をやっていく中で、対応がクソだった企業を3社ピックアップしてお届けする。

ワースト3:Apple

App storeで購入したアプリやアプリ内課金の領収書がインボイス対応するかどうか問い合わせたところ、意味不明な回答が返ってきたのでワースト3にランクイン。
このときの経緯は以下の記事にも書いているので、興味のある方はチェックしていただきたい。https://note.com/nekokusasaibai/n/na242231c0565

総じてプラットフォームビジネスをしている外資は、企業と消費者の需要と供給をマッチングさせる場を提供しているだけで、取引には直接関わりはないという建付のもと運営されているので、こういった細やかな対応は期待できない。GoogleやAmazonも同様の対応なのだが、まだサポートの対応がマシだったのでランク外とした。
アプリ課金でインボイスを希望するユーザーはほとんどいないので、影響度からワースト3とした。


ワースト2:Uber eats

これもAppleと同様だ。
企業として福利厚生としてUber eatsを使用しており、Uber eatsと法人契約しているのだが、各レストランとの取引だからインボイスはレストランから取得しろ、とのことだった。
多くの従業員が使用しているので、今更領収書を取っておいてもらい、提出させるなどできるわけがない。

この辺に企業ごとの色が出てくる気がしている。
同様の取引で外資であっても、Amazonの法人契約は「わかっている」対応だ。物品の購入に関してMarket placeの出品者との取引を行ったとき、インボイスについてAmazonが面倒を見てくれる。具体的には、出品者が適格請求書発行事業者かどうかの区別をした上で購入金額が区分集計される上、適格請求書発行事業者分のインボイスが代理交付される。
法人契約でこういった細やかな対応をしてくれる企業もあれば、Uber eatsのように丸投げといったところもある。
各企業がどれだけ法人対応に力を入れているかが見えてくる気がする。

ワースト1:NTT

国内通信大手が栄えあるクソ対応オブザイヤーに輝いた。
もうほんと聳え立つクソ。
これまでの引落のお知らせなどの書類がインボイス対応しない。
専用サイトでアカウントを作成し、インボイスを出力しろとのこと。
他の通信事業者はこれまでの書類がインボイス対応するのになんたる怠慢。
ネット環境がない場合はどうするのだろうか。求められればインボイスを発行する義務が法的にはあるはずなので、ネットしか対応しないというのはその義務を果たしているのか疑問だ。
(実はコールセンターにネット環境がないと言えば特別対応してくれるとかあるんだろうか。またはインボイスが欲しいような会社はネット環境がないなんてことはないという判断なのだろうか。自社の対応でもこの辺は気を遣ったので、NTTはどんな整理をしているのか気になる。)

特に回線契約が多い会社は大変だろう。インボイスを集めるだけで大変だ。
また、電話回線の料金以外の収納代行という罠も隠れている。例えば、電話回線の料金と同じ引落の明細にインターネットプロバイダ料金が入っていることがある。その場合は、電話回線のインボイス専用サイトではなく、プロバイダ契約の管理サイトからインボイスを出力する必要がある。なんなんだこの手間は。
他の通信事業者も同じようなものがあるので、電話回線以外の料金については別でインボイスを取り寄せることを意識しなければならない。

ユーザを無視した親方日の丸丸出しなNTTの対応は本当に腹立たしい。総務省か国税庁に怒られてほしい。
少し客観的に見れば、決済を管理しているシステムが複雑すぎて、インボイス対応をさせることが難しかったんだろうと推測している。「技術的には可能」だが金か時間がかかりすぎるとかだろう。確かにものすごい量の取引を日々決済している大規模な金がらみのシステムを改修するのは大変だ。
それじゃあ外にインボイスの出力システムを作っちゃおうというのも理解はできる。

しかし、理解はできるがもっとどうにかならんかったのか、というのがユーザーとしての感想だ。
下手するとこれを機会に他の通信事業者への乗換を考えている企業もあるんじゃないかと勝手にNTTの心配をしているほどだ。

まとめ

そもそもインボイス制度がめんどくさい制度で、そこにこういった企業のクソ対応が重なると本当に心が折れそうになる。
いろいろ勉強したり調べたりしながらなんとか乗り切ったし、それでスキルアップしたかもしれないというポジティブな面もあるにはあるのだが、もうこんな面倒なことはこりごりだ。しばらくは法令準拠対応は御免蒙りたい。

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