見出し画像

映画パンフレットあとがき(の下書き)

2021年1月18日月曜日。柏駅前の喫茶店でこのnoteを書いている。この文章はそのまま映画パンフレットのあとがきにも使う予定だ。そういえば共同脚本の片山君から「パンフレットに監督の紹介がないゾ」と言われたが、紹介するほどのプロフィールはないので、よかったら最後のQRコードから覗いてください。

思い返すと映画の着想は2019年の年末、そこから妄想と暴走が始まり、いろいろな人に声をかけ、撮影にこぎつけた。今こうして50分近い編集映像ができ上っていることが、そもそも夢なんじゃないかと思える。

なんで映画を創るんだろう。コロナの中でよく言われたが映画や演劇、ライブなどいわゆる「エンタメ」は「不要不急」で「なくても死なないもの」と思われがちだった。しかし友人のエモチンの言葉で今でも強く覚えているのが「クリエイティブには力がある。その力のせいで、時に人は死んでしまったり、あるいは生きて行けたりするんだよ」という一節だ。

泥酔していた本人は1ミリも覚えていないようだが、僕はその言葉に衝撃を受けた。受けたと同時に、「ぶわっ」と、中学・高校・学生時代に熱狂していた「映画というもの」を、どうしてもまた創りたくなったのだ。

シナリオも撮影映像も何度も見返しているとだんだんゲシュタルト崩壊してきて、「もはやこれは面白いのかどうなのか」分からなくなってくる。ただ確かなことは、映画の関係者から最近「このキャラクターの前日譚が見たい」「こういうスピンアウトはどう?」という声や提案を聞くことがあり、その時に“自分が創造した世界が歩き始めている”感覚を味わった。

空想の世界の戯れと言ってしまえばそれまでなのだが(実際SFだし)、真っ白な何もないところから、観たことのない世界の片鱗が浮き上がり、誰かが歩き出す・・・これを興奮すると言わず、どう言えばいいのだ。

「大人になったらいつかまた映画を撮る」という「とるとる詐欺」をウン十年続けてきたが、齢52にして、少なくとも自分の予想をはるかに超えたスケールで映画を撮ることができた。クラウドファンディングで支援してくれた人たち、映画に関わってくれたキャストやスタッフへの感謝はもちろんだが、最後に自分に「お前、よくやったな」と言いたい。(言っておく)

設定資料集を編集していてページ数が全く足らず、「ああ、自分もこのREUNIONの世界が好きなんだな」と思う。機会があれば、「あの日の続き」を撮りたいと思うし、今回の映画関係者には舞台に立つ役者やライブハウスで活躍するミュージシャンが多いことから、映画の枠を超えた「映画と演劇」「映画とライブ」のコラボレーション企画にも、夢をはせている。

あ、文字数がいい感じになった。最後まで読んでいただきありがとうございました。

酒場SF映画 監督 北御門 潤

かんとくのプロフィールはこちら

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?