【超短編小説】バレちゃった
「家でパンを焼いていそう」。それが私の第一印象だった。
小学生の頃からそう言われ続けてきた。きっと福々しい外観のせいだろう。家庭的な女性だと周囲に思われ続けてきた。学生時代の彼からも手作りのお菓子を期待され、それが叶わないと彼は私から離れていった。
時は流れ私は会社員になった。仕事の疲れで日々体は重く、朝目覚めても疲れが取れない。鏡を見れば口角炎が目立つ。毎日自炊すべきなのだろう。
休日にはパンでも焼いてみたい。しかし、それは無理だった。ひとり暮らしをして分かったが、毎