【超短編小説】いつかモフモフ
いい歳をして、と笑われるだろうが、
我が家の猫に近づくことが長年の夢だった。
たしかに、障害がある。猫が私以外の家族になついているのだ。猫にとって私は不要な存在なのかもしれない。
一つ目は猫は妻にべったりだということだ。猫が我が家にやってきて10年。日ごろ身の回りの世話をする妻を母猫のように慕っている。冬は妻の上が猫の特等席だ。うらやましい。
二つ目は娘にも心を開いているということだ。猫が我が家にやってきた時、娘はまだ小学生だった。格好の遊び相手として一緒にドタバタと家