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高血圧を改善する良い習慣

纏め血圧を下げる習慣は?(生活習慣修正により大きく血圧が下げれます!)

前回と引き続き高血圧ガイドラインに準拠して執筆しています。


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上記図は生活習慣の修正により大きく降圧できることを示しています。


例えば減塩により5mmHg降圧できる

運動により4mmHg降圧できる

体重1kg減量することにより1.1mmHg降圧できる

節酒により3.3mmHg降圧できる


ことがわかっています。

次項目で掘り下げていきます。

①減塩→『食卓塩ではなく岩塩を使用しましょう』

減塩(6g/日以下を目標)により血圧を約5mmHg低下できます。

特に肥満の方は大きく効果を期待できるようです。

しかし、減塩を徹底することにより、食の楽しみが低下さがり『人生まで味気がなくなる』のは、減塩を習慣として持続できない可能性があります。


そこで食卓塩から岩塩に切り替えてみてはいかがでしょうか?

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塩の中に含まれるナトリウム濃度に高血圧は比例することが多いですが、いわゆる食卓塩は高濃度のナトリウムを含みます。

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岩塩はナトリウムの含有率は低く、ナトリウム以外のミネラルを豊富に含むために旨さを引き立てます。

減塩対策の一つとして、食卓塩から岩塩に代替してみるのもひとつかもしれません。

②栄養学的アプローチ(野菜(カリウム)、食物繊維)

減塩に栄養学的アプローチを組み合わせることでさらに降圧を期待することができます。

野菜の成分で降圧作用を期待できる成分はカリウム

カリウムは、降圧作用が期待できることがわかっています。1)

カリウムは野菜、果物にたっぷりと含まれており積極的に摂取しましょう。

カリウムを多く含む食材
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-k.html

腎障害、肥満の方は、カロリー摂取量を考えみると果物摂取は一日80kcalを超えないようにしましょう(バナナ一本、リンゴ半個まで)

食物繊維

https://note.com/nekokoshi/n/n5ee429ce8077

現代人の最重要栄養素の一つとして食物繊維があります。

食物繊維は水溶性と不溶性に分別されますが、特に水溶性食物繊維

①腸管内においてNaの吸収を抑制してくれる(Naが強力な血圧上昇要因)

②腸管フローラを整え、高血圧を引き起こします悪玉菌を駆逐

③水溶性食物繊維は、【短鎖脂肪酸】に変換され腎臓に働きかけて降圧作用(RAA系を阻害)します。

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各種ガイドラインでも食物繊維は一日20g摂取することが推奨されています。

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しかし日本人の若年層、壮年層において一日5-7g程度食物繊維は不足しており、努めて摂取する必要がありそうです。



食事の際は充分に咀嚼をしましょう。
肥満により高血圧は引き起こされますが、これが最も簡単なダイエットの方法かもしれません。
早食いは血糖値の急激な上昇をもたらしますが、満腹感を得るためにも最悪です。
1回あたり30回以上咀嚼をすることで、脳内の結節乳頭核を刺激し、満腹感を得ることができます。


③適正体重の維持(肥満は慢性炎症を引き起こす)


自己紹介①の記事でも記載させて頂きましたが、肥満は慢性炎症を引き起こし、老化やいろいろな病気のもととなります。

自己紹介①  https://note.com/nekokoshi/n/n3a68e62bfaa8

『体重1kg減量することにより1.1mmHg降圧できる』ことにより肥満の方(BMI25以上)はまずは減量をしてみてはいかがでしょうか?

また肥満でなくても、内臓脂肪が蓄積していると慢性炎症により高血圧を引き起こしますので注意が必要です。




④運動→

毎日30-60分の有酸素運動により4mmHg降圧できます。

運動のその他効能としては、【慢性炎症】、【内臓脂肪蓄積】、【うつ病】にも有効です。

運動療法についてはhttps://note.com/nekokoshi/n/nbc77cbcd6840



⑤節酒

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大量飲酒により高血圧を引き起こします。またそれ以外にも発癌、脳卒中のリスクを高めます。

適正な飲酒量はエタノール量として

男性20-30g/日以下(ビール中瓶一本、日本酒一合、焼酎0.5合程度)  

女性10-20g/日以下程度です。

高血圧の方は日々の飲酒量はそれ以下にしましょう



⑥禁煙

一本喫煙することにより、15分以上血圧上昇を起こします。

受動喫煙でも同様の変化が起こります。

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現在日本において、喫煙が原因で年間約13万人の方がお亡くなりになっています。

少しお話しがそれますが、喫煙は【最高のストレス解消】【最大のリラックスできる嗜好品】【頭が冴える、仕事の能率アップ】といったことをよく聞きます。


はたしてそうなのでしょうか?

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上記図をご覧ください。喫煙者において、喫煙後30分が経過すると血中ニコチン濃度が減少し、不安、ストレスなどの禁断症状が出現します。そこで喫煙することにより、禁断症状が解消され、ストレスが緩和すると錯覚するだけなのです。ストレス緩和レベルは決して非喫煙者を上回ることはなく、あくまで元のレベルに戻っただけなのです。
ニコチンは体内から消失するのが早いために、30分ほどで次の一本を欲するようになります。それにより体内での最適な血中ニコチン濃度を無意識に維持するようになっているのです。

つまり喫煙者は幸福感、脳機能は喫煙時のみ非喫煙者と同等、タバコを吸っていないときは

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       図 喫煙者、禁煙者別にみたストレスの変化



依存状態は常にストレスを抱えることになります。
上記図は喫煙者、禁煙者のストレスの変化を図評したものですが、
喫煙者は禁煙者と比較し日常生活においてストレスを常に多く抱えて生活していることがわかります。

まとめ

生活習慣の修正は各項目

Purevidence株式会社CEO 消化器内科専門医
井上浩一 拝

1)Manabu Yoshimura, Hakuo Takahashi a
Role of Sodium, Potassium, Calcium, Magnesium on Blood Pressure Regulation and Antihypertensive Dietary Therapy
栄 養 学 雑 誌Vol.49 No.253~62(1991


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