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心の病気
父が亡くなったあと、直後なのかしばらく経ってからなのか自分でもわからないのだけど、とにかく自分で自分のことを変だと感じた。
最初は体調が悪いのかと思った。
生まれて初めての眩暈。恥ずかしながら眩暈と思わなく、何これ何これ!と怖かった記憶がある。程なく吐き気、冷や汗、恐怖と共に呼吸が荒くなり心臓の鼓動が大きくなって、手足が硬直して呼吸がしにくくなったのだ。
動けなくなり吐きたくても、亡くなった父が倒れた時にした嘔吐を思い出し(見ていないのに)吐くことすら怖くなり、ますます呼吸が荒れ体が動かなくなった。震えもすごかったらしい。
旦那が救急車を呼び、夜中まで点滴をしてもらいタクシーで帰った。
CTもレントゲンも酸素濃度も血液検査もしてもらい何の異常もなく、家に帰ってもただ眩暈のような頭のふわふわ感と胸のドキドキ感は治らなかった。今夜は、と言っても朝方になっていたけど、ゆっくりぐっすり眠れるようにと生まれて初めて安定剤を処方してもらった。デパスだった。飲んだのに眠れなく、ただ頭が興奮状態でまたおかしくなったらどうしようと不安だった。
それでも次の日はほぼ普通に戻っていて、何だったのだろうという疑問は解けず、それでも日常の生活は止まらないので気にしないようにしながら生活をしていた。
これが異変を自覚した時。
その後はいつもどこかが気持ち悪かったり痛かったり、その度に病院へ行くけど異常なし。突然右耳が聞こえなくなり眩暈がして通院したり、腹痛と胃痛が何日も治らなく胃カメラを飲んだりもした。
家にいても何もしたくなく、でも父がいなくなったことで私含め家族が楽しく暮らさなくてはと笑顔を絶やさず。一人になった時は部屋の中でうずくまり、ただ時間が過ぎるのを待った。
決まって夜寝る時は吐き気がして胸がドキドキして、救急車に乗った日を思い出し怖くなり眠れなくなった。旦那に気付かれないようにじっと動かず寝たふりをして、吐き気と戦っていた。
病院へ行くことはやめた。どこも悪くないと言われるから。
そんな感じで10年近く一人我慢して、嘘のニコニコ顔で母に寂しさを感じさせないように過ごしていた。
ある時、インターネットで「ウツ病」の記事を偶然見た。その流れで「パニック障害」「不安神経症」「過呼吸」なども見つけた。
そうか、私は父が亡くなり泣きもせず頑張りすぎたのかもしれないと思った。10年も一人で我慢してしまった。もう以前の私の性格ではなくなってしまったと、通院する病院を間違えたのかもしれないとやっと理解した。
家族といながらも私は一人だった気がする。今もそれは続いている。一緒にいながら孤独。むしろ一人になりたい。どうして父が亡くなった時に泣かなかったのだろう。母を支えなければ、親戚に迷惑がかからないようにしなければと、頑張りすぎたのが良くなかったのかもしれない。でももう戻れない。
あんなに楽天的な性格だった私が、今では心配性で神経質で怖がりになってしまった。
一応普通の生活はしているけど、何かの拍子に怖い症状が出る。でももう我慢しない。今はメンタルクリニックへ通っている。眠れないのなら寝ましょう、ドキドキハラハラするなら安定剤で気持ちを楽にしましょうと言ってくれる先生。
つい最近まで眠剤以外の薬はなくても過ごせていたのに、去年のあることからまた昼間も安定剤を飲まなくてはやっていけなくなってしまった。
今なら思える。どうしてなのよ!って。これまでの、大丈夫!大丈夫!と自分に言い聞かせる生活はもう嫌。
次は現在再び心身症になってしまった話などを。