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【京都芸術大学イラストレーションコース(通信)学習記録】4年次配当科目(卒業制作&ポートフォリオ)

前回は学部共通科目&スクーリングについてまとめました。

今回で京都芸術大学での学習記録は最後。卒業制作&ポートフォリオについて記載していきます。


卒業制作

・卒業制作「花と暮らすカレンダー2025」

花と暮らすカレンダー2025
作品説明(web卒展に掲載したものと同じ内容)
作品画像(web卒展に掲載したものと同じ内容)

こちらの作品は3月の期間中、web卒展に出展し、なんとコース奨励賞をいただけました…!(アーカイブでの掲載は辞退したため現在は見れなくなっています)
現地での卒制制作展(3/10~3/17)と、「京おどりin春秋座(4/6~4/21)」でも受賞作品としてパネル展示していただきました。やった~~!


・企画について

卒業制作は企画→制作→プレゼンという流れで制作します。
実は最初は全く違う内容の卒業制作を作ろうと考えており8割くらいまで企画をつくっていたのですが、企画締め切り2日前にできないと判明し急遽変更しました。。
もともと背景込みのイラストが描きたくて、ARで立体的に動かしつつ音響も入れてみたいなことを考えていたのですが、使おうとしていたソフトが日本ではiPhoneにしか対応していないと判明し、用途への説得力が弱くなるのと添削で問題が発生しそうだったので取りやめました。今思うと完全な上位互換の方がいたのでやめて良かったです(小声)

急いでいくつか案を出し、その中で”独りよがりにならずに社会に発信する”という観点から一番言い訳ができるというかツッコまれなさそうなテーマを選び、めちゃめちゃ焦って企画書を仕上げました。間に合わなかったら留年というプレッシャーで泣きそうでした…。

こんな経緯で卒業制作の内容を決めました。結果としては、周りの方のアドバイスを参考にブラッシュアップしていくことで、企画的には良いものができたので逆に良かったな、と思っています。…が、卒業制作が始まる10月からでなく、もっと早い段階からやりたい内容を見つけ、実現性などを十分検討しておくことを強くオススメします。


・制作について

卒業制作では各フェーズで提出タイミングが数回あり、全体での意見交換や講師とのオフィスアワーなどでたくさんの意見をもらい作品をブラッシュアップしていきます。

初期案は花言葉の感情表現をテーマに、キャラクター+カレンダー+花言葉と豆知識というシンプルなものでした。企画変更した影響で時間がなくイラストが死ぬほど雑なのは見逃してください…。

企画 一次提出

この提出のあとオフィスアワーに参加したところ、担当の先生がたまたま花屋さんでバイトしていた経験があり(!)、花の飾り方やお手入れ方法などがあると初めての方でも手に取りやすいのではないかとアドバイスを頂きました。スペース的に一枚に入れ込むのは難しかったため、いっそ両面印刷にしてしまおう!と考え、表面にイラスト+カレンダー、裏面に花の情報を入れるというスタイルに変更しました。

企画 最終提出

ここまでカレンダーはリングタイプの卓上カレンダーを想定して制作していたのですが、お店で見た木製スタンドのカレンダーがすごく可愛くて、花と飾るという作品テーマにもマッチしていたので、思い切ってレイアウトを調整し木製スタンドに立てる形に変更しました。コストが上がって販売は不可能になってしまいますが、今後採算を無視した作品作りができる機会はそうそうないし、卒業制作として自分が良いと思った形で作り上げたいと考え変更を決断しました。
イラストもシンプルなデザインに合わせて等身を若干下げ、描き込み量を調整しています。

制作 一次提出

この後は変更等なく、ひたすらイラストを描いて描いて描いて仕上げました。時間がなさすぎてオフィスアワーにも参加できず、全イラストが完成したのが提出日2日前…本当に間に合って良かったです…。。


・プレゼンについて

制作した作品について3分のプレゼン動画を制作します。
そのプレゼン用に作品の撮影を行いました。
ちなみに我が家にオシャレスペースはない&壁紙も机もイメージに合わなかったので、最終的な撮影には背景シートを使用しました。今後色々使えるかなぁと思って購入しましたが、リメイクシートとか使って自作すればもっと安くすむかも…。

プレゼンテーションスライドについては、去年の卒制プレゼンを公開してくださっている方が何名かいて、制作時にとても有難かったので、私もプレゼンスライドと内容を掲載します(個人情報の部分は消しています)。今後取り組む方の参考になれば幸いです。

プレゼンテーションスライド

自分で自由にデザインを作りたかったので、イラレでスライドを画像データとして作り、パワポに貼り付けてプレゼンを行いました。録音はいろいろ試した結果、私はOBSが一番使いやすかったです。(パワポの録音機能をそのまま使おうかと思ったのですが、スライド1枚ごとに録音が勝手に区切られるので喋っている途中でスライドを切り替えると音が途切れてしまい断念しました)

プレゼン内容については、3分プレゼンの文字数目安は900文字程度らしいのですが、話したい内容が多すぎて、削っても削っても結果1146文字になりました。。最近は動画倍速視聴する人が多いし早口めのほうが飽きずに聞いてもらえるから…と自分に言い訳して早口めに喋り規定時間ぎりぎりで動画作成しています。

また、このプレゼンについても、オフィスアワーに参加して講師の方にいろいろアドバイスいただいてたくさん修正を行いました。個人的にプレゼンならこの先生!と希望を出してその先生にアドバイスいただけたので本当に勉強になりました。実体験を入れたり、その分野へのリスペクトを盛り込んだりなど、説得力のあるスライドにすることができたように思います。


・卒制まとめ

卒業制作 評価:S97
理解力:S+、表現力:S、発信力:S+のコース専門の自己最高得点…!!ほんとに???という気持ちがかなり強く担当してくれた先生が優しめだったんだろうなとは思いつつめちゃめちゃ嬉しいです!!!
ここまで記載したようにオフィスアワーや意見交換など複数回あり、意見をもらって修正を重ねるごとにどんどん良くなっていったので、たくさんの力を借りて取れた評価だと思います。オフィスアワーは任意参加ですがめちゃめちゃ良いので是非是非参加をオススメします。プロの意見ってやっぱりすごい…!

それはそれとして、卒業制作が完成して一番に思ったのは、絵が上手くなりたい!!でした。完成はさせたものの、この絵がもっと魅力的だったら絶対欲しいプロダクトになるのに、私の絵の力が足りなくて完成度が下がっているという現実がすごく悔しかったです。描きながらこの絵があのイラストレーターさんだったら…と何度も思いました。3年間イラストを学んで成長も感じましたがまだまだまだ精進していかなければ…!


ポートフォリオ

・テーマと用途

ポートフォリオも企画→制作という流れで取り組みます。
用途は「出版社やSKIMAでの装丁依頼へのアピール用」として制作しました。テーマは「ストーリーを大切にしたイラスト表現とともに、様々な世界観のイラストを見てもらう」です。
ポートフォリオではテーマと用途と作品の一貫性がすごく重視されるので、課題以外の作品数が少ない私は、これまで課題で描いたいろいろなジャンルのイラストに一貫性を持たせるにはどうしたらよいかと考え、ストーリーをテーマに出版社用としてポートフォリオをまとめました。
もちろん自分が物語を読むのが大好きで、本の表紙イラストの仕事に強い憧れがあるというのも大きな理由の一つです。

出版社用としては縦長のほうが良いかな?とは思いましたが、コロナ禍以降のリモートワーク増加で持ち込みが減っている&web受付やPCでの閲覧を理由に横長のデータとして作成しました。一応必要に応じて印刷にも対応できるようページ順なども考慮しています。


・ポートフォリオ

作成したポートフォリオを掲載します。(個人情報部分は伏せています)

ポートフォリオ


・内容について

「出版社 ポートフォリオ」で検索するといろいろな方のポートフォリオデータや、こうするといいよ!という記事などが閲覧できるので、その内容を参考に制作を行っています。
印刷した場合にはなりますが、抜き取って回覧したり、イラストを見た時に探さなくてもすぐに連絡ができるよう全ページに名前と連絡先を入れるとよいとあり、私のポートフォリオでも同様に記載したのですが、キャラクターデザイン以降のページで入れ忘れていました…。バカ~~~!気づいたのが提出締め切り後で、評価公開まで添削の先生気づかないで…と祈ってました。。

テーマがストーリーということで、表紙はインスタをイメージしてデザインしました。内容も書籍がメインということで、採用した場合をイメージできるように、実際に印刷&本の形にして撮影した写真を盛り込んでいます。

反省点は、ストーリー大切にしてるよ!アピールのために各イラストの設定などを書いているのですが、ばーっとみたときに全体的に文字があまりにも多すぎました…。読む気が失せるレベルだと思うので、もっとシンプルなデザインにすれば良かったなぁと思います。
あとはどうしても全体で見た時に卒制が浮いている印象があります。卒制を入れるのが必須なので、苦肉の策としてキャラクターデザインとして入れましたが、ポートフォリオに入れることも考慮した卒制にしたほうが楽ではあるかと思います。余裕があれば…。


・ポートフォリオまとめ

評価
企画(第一課題)
:A87 理解力S、企画力S、構想力A
制作(第二課題)
:A84 理解力S、企画力A、構想力A、造形力A+、表現力A+

最終評価:A86

評価は第一課題→第二課題でちょっと落ちてしまいましたが、いい点数なのでヨシ!
ポートフォリオではイラスト自体の枚数が少なくて結構苦労したので、今後取り組まれる方は一貫したテーマの自主制作イラストを描きためておくとかなり楽になると思います。
この3年間で制作したイラストを探して、まとめて、完成したときには少し感慨深い気持ちになりました。卒制と同時進行ということもあり大変ではありましたが完成させることができて良かったです!


3年間を振り返って

まず、最初に立てた目標の達成状況です。

・なんとなくじゃなく意図を持って色を塗れるようになる → ○
色彩基礎やデジタル着彩の授業で色と少し仲良くなれた、と思います!ものに対する色や光の感度が上がり、世界が広がった…は誇張しすぎかもしれませんが、理解は深まったと思います。まだまだ甘いので継続して勉強したいです。

・パースを理解し背景を描けるようになる → ○
パースわけわからん状態からは抜け出しました!3D使えるようになったのも大きいです。背景に対する拒否感は完全になくなり、無力感はまだ若干感じますが、背景込みのイラストが一番大好きなので、描けるようになって嬉しいです!

・有償で依頼を受けられるようになる → ×
これは完全に自分の怠慢です。。アカウント作成すらできていないので、これから…これからやります…!

・大卒資格の取得 → ◎
文句なしの◎です!諦めずに完走できてほんとにえらい!大卒やった~~!


ここまで勉強してきて、このコースの学習内容はしっかり吸収して練習を継続できる人には確実に力になる良くできたカリキュラムだと思いました。ただ、良くも悪くも広く浅くなので、幅広く勉強はできますが、やりたいことが明確にあってタイムパフォーマンスを重視するなら他の道の方が良いかもしれません。

自分は練習をサボっていたので伸び率が低く反省です…が、課題として強制的に、自分一人では億劫になってしまうような勉強(特にイラレやパース)ができるシステムは自分には合っていたように思います。
何より好きなことを勉強して大卒の資格が取れたのが凄く嬉しいので、入学して良かったです!

今後もイラストの勉強は継続して、自分が欲しくなるような絵が描けるように頑張ります!

以上で京都芸術大学イラストレーションコース学習記録は終了です。
ここまで長い長い記事を読んでくださりありがとうございました!



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