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〔雑記帳〕憧れ

私はいろいろな人に憧れる。自分が筋金入りの運動音痴なので、スポーツ選手はもちろん、足の速い人、球技が上手い人、持久力がある人、ブランコが上手い人など、ことごとく憧れてしまう。正直、同じ人間とは思えないくらい、雲の上の存在だと感じている。

また、頭が良い人にも憧れる。知識量が膨大で何でも教えてくれそうな人、頭の回転が速い人、発想力がすごい人。ポロッと出てくる一言が絶妙な人や、物事の核心を本能的に突ける人。どのタイプにも憧れるし、話していると刺激的でワクワクする。

見た目で憧れることも、もちろんある。ドラマを見ていても、あまりの美しさや格好良さに一瞬見とれてしまって、ストーリーと関係なく「ほお~」と溜息が出てしまったり。その他、アーティスト、ミュージシャン、俳人や歌人、作家など、「わあ、すごい!」と思うとすぐに憧れてしまう。

けれど、最も憧れているのは、実はそこまで遠い人たちではない。身近にもいるが私とは正反対の人たち、毎日を丁寧に正しく生きている人たちだ。
私は怠け者でズボラ。疲れたらすぐサボろうとするし、子どもが独立してからは料理の回数もめっきり減った。土日はダラダラしているし、やるべきことを後回しにしてしまうのは夏休みの宿題から変わっていない。そんな私と違って、コツコツと毎日やるべきことをやって、勤勉で、目立たないけれど気が付くと二歩も三歩も先にいるような人がいる。その差は縮まることなく、時が経つほどに大きくなっていて、もう生き方そのものが美しくて、とても真似できない。

最近、炎上するようなことしか出来ない、身の丈に合わない自己顕示欲や承認欲求の塊が増えたように感じる。大した努力もせず、注目を浴びたい、あわよくば称賛されたいからと、センスの欠片も無い迷惑行為に走る人たち。彼らの生き方は、私には安直で卑しく見えてしまう。憧れの人たちのように美しく生きられなくても、せめて悪目立ちするような生き方だけはしたくないと、私は思っている。

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