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さよなら、東京オリンピックー文春VS五輪組織委ー

「今の日本はあなたが世界に見せたい日本ですか!?」

オリンピックを描いた大河ドラマ「いだてん」で、田畑政治は嘉納治五郎にこう訴える。

1940年は、はじめて日本でオリンピックを開催できることになった年だ。それは、1912年に日本が初めて参加したストックホルムオリンピックからの嘉納治五郎の念願だった。

ドラマでは、ストックホルムオリンピックへの日本の参加は近代オリンピックの父クーベルタン男爵から柔道の創始者である嘉納治五郎に依頼するところから始まる。嘉納は、オリンピックの「平和」の理念に共感し二つ返事で参加を受ける。

そして、嘉納は、いつの日かオリンピックを日本で開催することが夢となる。嘉納のもとには、優秀な仲間が次々に集まってくる。特に、田畑政治は水泳において、大きな成果を果たす。

そして、ついに1940年、念願の東京オリンピックの開催が決定される。しかし、誰もが知っているとおり、このオリンピックは実際に開催されることはなかった。

理由は、日中戦争が始まったこと。そして、軍部により反対されたためだ。最後まで開催することを諦めなかった嘉納は、カイロでのIOC総会から日本に帰る船の上で病死してしまう。

しかし、冒頭の田畑政治のセリフのように、やはり、1940年の東京オリンピックは開催されるべきではなかったのだろう。なぜなら、オリンピックを開催するということは、今の日本を世界に見せることだからだ。

そして、今の日本とは。

2020年の東京オリンピックは開催が延期された。

そして、2021年。いまだ、コロナをまったく抑えこむことはできず、感染者と死者は増え続けている。

また、週刊文春の報道では、振付演出家MIKIKOが発案し、IOCから好評を得たオリンピック開会式の案(AKIRAオマージュでめちゃくちゃ格好よさそう)が、電通の佐々木宏にのっとられ、「渡辺直美を豚にする」という、誰が聞いても異常な(めちゃくちゃダサい)案に変わりそうになった。

これも、文春が報道し、佐々木宏が辞任する形で事なきを得たが、報道がなければ、このふざけた案を考える男の演出のもとオリンピックの開会式は行われていた可能性がある。しかし、これらの「のっとり」のせいで、MIKIKOはすでに辞任(ほとんど排除)しているので、今後の展望はまったく明るくない。

そして、今、この報道をした文春を五輪組織委員会は、業務妨害で極めて遺憾だと公式に発表した。

「開会式の演出内容が事前に公表された場合、たとえそれが企画の検討段階のものであったとしても、開会式演出の価値は大きく毀損されます。加えて、組織委員会には、様々な代替案を考案するなど、多大な作業、時間及び費用が掛かることになります。」

もはや絶句するしかない。まさかの逆ギレだ。

MIKIKOを排除した時点で、MIKIKOが考えた案を使うことなどあり得ないだろう。それなのに、彼らは、まだMIKIKOの案をパクって使おうとしてたのだろうか、、、。

というか、こんな運営を行ってる時点で、オリンピックの業務妨害をしているのは、自分たち自身であることが、わからないのだろうか。多額の税金使ってふざけたこをやられて、キレたいのは、こちらの方なのだが、、、。

こんな発言が世間にどのように受け取られるかわからないほどの人間が運営している組織なのだと、あらためて痛感した。(そりゃ、森さんがああでも、誰も何も言えんわ、、、)MIKIKOが辞任したのは正解だった。こんな組織に長くいては、自らのクリエイター人生自体が終わってしまう。

田畑政治が嘉納治五郎にあのセリフを言った時からはるかにレベルが落ちてしまうが、それでも、言わざるを得ないだろう。

「今の日本はあなたが世界に見せたい日本ですか!?」

たぶん、「もちろんそうです!」とかなんとか言うんだろうな、、、。マジで終わってる、、、。