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東京の家賃は高額なサブスクである

東京に戻ってきて早5ヶ月。正確には関東に戻ってきたのであって、東京に住んだことはない。

かつては通学、今は通勤にかかる時間に苦しんでいる。都内の大学へは実家から毎日2時間かけて通っていたし、今は1時間半かけて都内の職場に通勤している。学生時代は少なくとも今ほど生き急いでいなかったので朝が早いのが嫌だったがまぁ電車で寝てればいいか、と思いながらなんとか6年間過ごしてきた。一方今はそんな感情になれない。なぜ毎日実質3時間の残業をしなければならないのか、と自分に問い続ける日々だ。

そろそろ都内に引っ越そうかと考えているが、職場が近くなる以外に東京にはどんな利点があるのだろうかと思う。友達に東京信者がいて、東京はコンパクトで欲しいものがすべてある、だから抜け出すことなんてできない、というようなことを言っていた。

東京で手に入るものってなんだろう。美味しいつけ麺屋?各地のアンテナショップ?ブランド品の店?関東というくくりで考えれば他にもあるかもしれないが、私のようなレベルでは「東京ならでは」というのはこの程度しか本当に出てこない。

これは東京のせいではなくあくまで私の行動範囲が狭く好奇心に乏しいせいなのだが、そんな私が都内に引っ越してバカ高い家賃を払うことにどれほどの意味があるのだろうと考えてしまう(実際、時間を買うという点で大いに意味はあるし、悩むところではあるのだが)。特に、私は今社宅(独身寮)に住んでいるので住んでいる周囲の相場と比べても破格の家賃で住まわせてもらっている。都内に引っ越すということはその福利厚生の権利を放棄するということで家賃は以後全額自己負担。今より家賃が10倍以上になることも全然あり得る。

都内での暮らしは味わい尽くせないサブスクサービスのようなものだと思う。高額な家賃を払うことで東京の暮らしを定額使い放題で満喫できるわけだが、私にはそのなかのサービスがあまり魅力的に映らない。日々使わないサービスに安くない金額を支払っているなら解約してしまおうという気になるのは当然のことであり、都内に住んだとて時間の創出以外に得られるメリットがない、という状況に私が耐えられるか分からない。だったら今の社宅に住み続ける方がいいのではないかと思う自分もいる。悩みは尽きない。

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