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ストーリーエッセイ・ハコニワのリンクさん。「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」

月日が流れるのは早い・・・。
ようやく本腰入れて冒険を再開した
我がリンクさん。

しかし。ハイラルを離れていた時間はあまりにも長かった。何しよう・・・。途方に暮れる勇者はアテもなく旅立つのでした。

アイツとの再開。

見慣れたハイラルのはずなのに、
まったく記憶がない。
いったいここはどこなんだ?
見覚えすらない土地で孤独を感じたリンクさん。

「あ!そうか。ガウル平原だ!!」

そこは「巨神界」ですね。
ハイラルではありません。
異なるゲームを思い出すとは。
よほど記憶を失っていたのでしょうか。


記憶違いのメモリーを読み込んでしまった
リンクさん。
訪れた先で不意にキレイな湖が見えてきました。水が透き通っていてとてもキレイ。

「美味しそう!!」と近づくリンクさん。

その時聞こえてきたのは、あのマモノの足音。
蘇る戦闘本能。武器を構えバトルモードに突入!!

現れたのはスライム型の
”手も足もない”マモノ・チュチュ。

どこでも生まれ、
どこでも湧き出る謎の多いマモノだ。

「なんだチュチュか」

ヒリヒリした神経を張り巡らせ、
食うか食われるかの
瀬戸際バトルを望んでいたのに、
まさかのチュチュにガックリ。

「武器どころか手も足も使わないぜ」と

水場に飛び込みチュチュを挑発。
リンクさんも泳いでいては手も足も出せません。
リンクさんの謎の動きに警戒するチュチュ。
何を狙っているのやら・・・。



挑発に乗ったチュチュは、
怒りに任せて水場にトッシン!!
なんとチュチュはその場で溺れてしまいました。



「文字通り”手も足も出なかっただろ?」

久しぶりにハイラルの大地を踏んだリンクさん。大地の名前は思い出せないけど
戦いのカンだけは失っていなかったようです。

以前の記憶がないおかげか
気分はまるでNEW GAME。

新生リンクさん。
目的もアテもないハイラルの冒険は
今始まったばかり。

「次は何しようかな。」

・・・いやいや。
ゼルダ姫のことは・・・忘れているようです。

落とし穴。自ら掘る。

見事?チュチュを撃退したリンクさん。
光るチュチュゼリーの向こうに浮島を発見!

湧き上がる好奇心を抑え込むことなく直進!


「なんじゃこりゃあ。」

水面から浮き出ているのは巨大な植物のカサ。
人ひとりが乗れる大きさもさることながら、
びくともしない頑丈さに驚きを隠せません。

「インスタ映えしそうだ」

一瞬でも”映え”を意識してしまう現代人。
SNS時代を生きているのはリンクさんも同じ。
彼も"今"を生きる世代なのです。

カメラを構え、視線を水面にうつしたその時
何かが視界を横切りました。

「魚」です。


「うわぁ・・・おいしそう!捕まえよう!」

瞬間で判断したリンクさん。
映えの意識も早いですが
それ以上に狩猟本能はもっと早い。
彼はすでに狩人として覚醒していました。

「エレキゲットしよう」

”エレキゲット”とは水が電気を通す性質を使い、
水場に電気を流すことで魚が気絶して捕まえやすくなる方法。


”電気の実”を構え、魚めがけて放り込みます!!
電気の実は弾け、水場にエレキフィールドが広がります。

しかし!!ここで異変が!!

広がり過ぎたエレキフィールドに巻き込まれたか
投げた電気の実が近過ぎたのか、
自ら投げた電気の身でGAME OVER。


「ぐはっ・・・。魚にやられるとは・・・。」

朦朧とする意識の中、
失いつつなる記憶が呼び戻されます。

「リンク・・・リンク。聞こえますか?」
「こ・・この声は・・・?」

聞き覚えのある懐かしい声。さわやかに頬を撫でるそよ風のような優しさに溢れた声。

「そうだ・・・ゼルダ姫を・・・探さないと」

かすれゆくゼルダの声。

「リンク・・・。(早く私を探してください。次は100年待ちませんから。)」

「ごめん・・・。ゼルダ・・・。」

「さかな、とれなかったよ・・・。」

さかなは別として自ら投げた電気の実が
”ショック療法”によって大切にしていたものを
ハッキリと思い出せたようです。

こんなカッコ悪いことは

ミンナニナイショダヨ。



・・・ちなみにこのGAME OVER。
ヤラレ方で”色”が変化します。探してみてくださいね!


敵に塩。ボコにキノコ。


魚は逃すは、ゼルダは思い出すはで大変(?)な1日になったリンクさん。
自分の使命を全うするため、
さらにハイラルを徘徊します。

「自分の使命はマモノを倒すことだ」

なんか違う気もしますが、
平和なハイラルにマモノ退治は必須項目。
マモノ殲滅を新たな目的に、
リンクさんは新しい大地へと降り立ちます。

「ボコブリンだ!!」

高台に構えるは偵察部隊のボコブリン。
彼は監視役。
近づく敵を見つけることが、彼の役割なのです。

「なんとか気をそらさないと。」

見える範囲ではボコブリンが3体。
このまま正面突破してはあっさり囲まれて
多勢に無勢です。まずは
偵察部隊のボコの”気を紛らわす作戦”
に出ました。

「そうだ。あのボコならこれが使えるかも」

取り出したのはハイラルでよく見かけるキノコ・ハイラルダケ。
赤くて巨大なキノコで森などでも自生しています。食べても大きくはなれません。

弓に取り付け、狙いを定めるリンクさん。
彼の目は獲物を狙う狩人。しかしボコに当てるつもりはないようです。


弓を引き絞り、
監視ボコの”足元”に狙いを定めた様子。
狙い通りならハイラルダケはボコの
足元に届くはず。

サンタクロースからのプレゼント!のように
いつの間にか届いたハイラルダケ。

ボコたちも驚きを隠せない様子。突然キノコが現れたら、そりゃビックリします。




「食べてる間に奇襲をかけよう」

しかし、リンクさんの狙いは外れ、
”一口”で平らげてしまったボコブリン。
予定通りの作戦通りにはいかず、
結局突撃したリンクさんでした。


風がハコんだ冒険。

奇襲作戦は失敗に終わり、
不満を募らせたリンクさん。
次のエモノはどこだ?とすっかり戦闘狂になったダークリンクの登場です。

崖を登り坂を登り、
朝陽が照りつけるハイラルの大地。
そこに拠点を作り、
またしても平和を脅かすボコの群れを発見!

「今回はノープランだ。このまま突っ込む!」

よもや戦闘狂のリンクさんを
誰も止めることができません。
無常にも散っていくボコの群れ。
バーサーカーリンクさんの圧勝でした。

「やっぱパワープレイはサイコーだね!」

ご機嫌なのも束の間。
突然”赤い月”が空を染めます。

”赤い月”とは定期的にハイラルに昇る怪奇現象。

”赤い月”が昇ると、
魂と化したマモノたちが肉体を持って再生し
ハイラルを席巻。
つまり、先ほどのボコもすでに復活。

「またかぁ。もうちょいラクに戦いたいわぁ」

よくよく観察してみると、
一帯は先ほどのキレイな水に囲まれています。
ここで閃いたのが、「飛ばしてしまおう」という作戦です。

取り出したのは・・・


”コログの葉のうちわ”

”コログの葉のうちわ”は
ひと吹きで大風を起こすことができ、
主に帆に風を当て水上移動に使う武器です。

ドサクサに現れたチュチュに当て、
予備実験してみます。

「カルイカルイ!!」

チュチュは難なく風に煽られ、
水場に落とされてしまいました。
チュチュは体重も軽く、知能も低いため問題なく落とすことに成功しました。



「次はボコたちだな!」

”コログの葉のうちわ”を携え、
向かった先は今ほどに復活したボコブリンたち。
まずは葉を構えることなく、
突進回避で溺れさせる作戦にでます。

リンクさんの予想は虚しく空回り。
ボコブリンたちはチュチュより知能が高く
自分が”水に弱い”ことも把握しているため、
泳ぐリンクさんに近づいてはきませんでした。

「そうカンタンにはいかないか。」

回避作戦は失敗に終わり、
当初のバトル計画に作戦変更。
そのまま倒すかと思いきや、水に浸かったことで冷静さを取り戻したようです。

「せぇ〜のっ!!」

バサ!!っといううちわの煽る音と共に、
渦巻いた大風がボコブリンを吹き飛ばします。
なすすべなく水場に落とされるボコブリン。
風の強さと仲間の溺れる姿に動揺しています。


うろたえるボコの抵抗も虚しく、
あっさりと水に流されるボコたち。
ボコが軽いために使える、
リンクさんの”新しい必殺技”とも言えるでしょう。


「風はこうやって”自由”に使えるんだぜ」


かつて”風の勇者”は風を操り、コログの葉で自由に空を舞っていたという伝承が残っています。

時は変われど風がハコんだ冒険は

今も続いているのです。


オープンエアー。

ハイラルを流れる心地のいい風は、
今も昔も変わらず吹き続けている。
風はどこから吹くのかどこにいくのかは
風の向くままにしかわからない。

目的地はひとそれぞれ。
マモノ退治に明け暮れるもよし。
キノコ狩りに勤しむのもアリ。
気分で決めるのもいい。

風に決まった通り道は存在しない。
時にはぶつかり反発しあったかと思えば、
突然手を取りあい大きくなることもある。

捉えどころのない正体が”風”。
その生き様はまさにアドリブ。

その日その時その瞬間で、
気が向いた時にだけハイラルを流れる。
誰に言われるでもなく、
操られるのでもなく風自身が決めている。

もしかしたら、風
自身もわかってはいないのだろうけれど。

だからこそ、
リンク含めてマモノまでも
ノビノビと暮らしている。

バーサーカーと化した我がリンクだって、
なるべくしてなっただけ。

明日のリンクさんは、
また変わった形で現れることだろう。
心地よさを纏い、いつでもどこでも変わり続ける
”時の自由な風”を吹かせながら。



今回のお話しは
はじめてさん向けのヒントも詰めてます!

コケでした〜。

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