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病気と共に

 さて、もうご存知の方もいらっしゃると思うが、私は「広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)」と「双極性障害(躁うつ病)」のかけ持ちである。発達障害は生まれつき、躁うつ病は大学生の時に発症した。

 とにかく私は「普通の人」になりたかった。だって物心ついた時から、「自分は他の人となんか違う」っていう感覚があったからね。母は私の特異さを心配し、3歳の時に病院を訪れている。

 しかし40年前は、発達障害という概念すら無かった時代。「頭が良いんでしょう」という診断(?)を下され、何の療育も支援も無く、大変な苦労を味わいながら人生を歩んで来た。

 今の世の中で発達障害がメジャーになったことは、私のような気の毒(と言うのか)な人々を生きやすくする上でも、良いことだと思う。ただ、何でもかんでも少し標準からズレていたら、発達障害にするのはおかしいとも思う。

 結局発達障害の二次障害で躁うつを発症し、一生薬を飲まなきゃならなくなったから、たかが発達障害とあなどれないよ。ストレスがかかり続けると精神疾患になるなんて、おお怖い!

 私の特性は、実を言うと自分ではあまり分かっていない(おいおい)。とにかく他者とのコミュニケーションの取り方が奇異で、人との距離感が無い。幼少期、人見知りも親の後追いもしなかったらしい。自分と他人の区別が曖昧なのだ。

 良いことと言えば、誰でも偏見なく仲良くなれること。初めての人だろうが、旧知の人だろうが、ペラペラと親しげに話しかけるため、びっくりされることは多々。失敗も多々。

 それから、人の話をよく聞けない。内容を間違ったふうに捉えてしまう。そのせいもあるのか、子どもの頃は忘れ物ばかりしていた。少しADHDも入っているせいかな?

 日時の観念がよく分からず、手帳やスケジュール帳に強いこだわりがある。アップルウォッチやスマホは、次のスケジュールを入力して、その都度確認している。

 過集中がひどく、気付いたらネジの切れたぜんまい人形のように動けなくなっている。疲れの感覚が分かりにくい。これは作業所で配慮してもらってる。

 発達障害だけでなく、私の場合躁うつもあるから、気分のコントロールも大切。上がり過ぎて大変な目に遭ったことは数知れず。鬱で動けないことも数知れず。ああ、病気なんて嫌だよ。

 数年前、精神障害者福祉手帳を取得した。このおかげで、障害年金を貰えるようになり、少し安心した。施設や交通機関の減免もあるし、生活に不安な人は取得しておいて損は無いよ。ただ、医師の診断書は必須ね。

 私の見ている世界と、大多数の人が見ている世界は違うんだろう。とにかく「普通の人」になりたかった。でも、私はワタシ。生まれ持ったこの自分でどう生きていくか。病気と共に、私はワタシを生きよう。

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