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高知の八彩帖(ヤイロチョウ)25・「海」

 かつてとある会社のサイトに連載していたショートエッセイです。高知のあれこれを書いています。

 今回のテーマは、時期が外れますが「海」。ちょうど夏の初めに書いたものです。高知の海はアクティビティに最適!雄大な太平洋の水平線を眺めていると、心がスーッとします。どうぞお読みください。

 海開きとともに、本格的な夏が始まる。県土の半分が太平洋に面した高知県。県民誰しも、オリジナルの遊び場を持っているのでは?海水浴に磯遊び、潮干狩りに釣り、そしてマリンスポーツ。いくらでも遊び放題だ。

 小学生の頃はアウトドア好きの両親に連れられて、毎週のように海や山を遊び回っていた。週休2日ではない頃のこと。日曜日が来るのをまだかまだかといつも待ちわびていた。砂浜を見ると海に入りたくなる私と弟。もっとも弟は泳げないため、溺れかけた(!)のを助けに行ったこともある。

 弟の頭が浮いたり沈んだりしているのをのんきに見物していたのは、お花畑の我が両親。次沈んだら助けに行こうと、ゆったり構えていたそうだ。何やってるんだ(呆)⁉︎

 磯では潮溜まりにいるイソギンチャクやアメフラシの類を、棒でつつきまわるというイタズラをして、胸をスッとさせた。あれ、結構爽快ですよ(イジワルな私)♪

 季節になると岩場にくっついている「ニナ(貝)」を採り、家で湯がいて食べた。時々ヤドカリが混ざってたりして。今ではほとんど採れなくなりましたね。

 ある年のこと。いつものように両親と私、そしてペットのニワトリ(!)と、磯遊びをしに某海岸を訪れた(ニワトリを連れて行くか⁉︎)。すると先客がいる。なんと、身体中にお絵かきをしていらっしゃる(←ボカした表現)御一行様のプライベートビーチになっているではないか!その数20人あまり。

 もうわき目もふらず一目散に引き返した。結局海では遊べないわ、ニワトリは乗り物酔いをし顔面蒼白でグッタリするわで、せっかくの楽しい気分がだだ下がり。その日は哀れなニワトリを介抱するだけで終わり(悲)、忘れられない1日となったのはいうまでもない。

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