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嗜好の変化

 子どもの頃は駄菓子が大好きだった。歩いて20秒の所にある駄菓子屋「いのさんく」に走り、毎日100円でお菓子を買うのがこの上ない楽しみだった。

 小腹を満たすのにはスナック系が必須。うまい棒にキャベツ太郎、チーズあられがお気に入り。甘いものはBIGチョコで。箸休めにはフルーツ餅やモロッコヨーグル、ミニコーラなどなど。間に焼肉さん太郎を挟み、締めは梅ミンツ。ああ、駄菓子って良いもんですね。

 そんな私だが、最近駄菓子を食べたいと思わなくなってきた。そりゃ太った中年女が子ども押しのけて駄菓子を買う図はみっともないけれど。あれだけ好きだったのに、すっかり駄菓子屋からは足が遠のいている。

 ついでに言うと、かつてはグミやラムネが大好物だった。なかでも「梅すこんぶグミ」が大のお気に入りだった。その名の通り、梅酢昆布の味がする、ニッチな層にはウケそうなグミである。再販希望だが、叶うかな?

 それが最近ではグミなどが少しも食べたくなくなったのだ。その代わり、昔は大嫌いだったクリーム系の洋菓子が食べられるようになってきた。ケーキとかシュークリームとかあんなに嫌いだったのに、今では美味しいと思う。

 母が言う。そのうちあんこやかりんとうが欲しくなると。幸い(?)まだその域には達しておらず、饅頭やかりんとうなどはあまり食べたいと思わない。もう少し歳を取ったら欲しくなるんだろうね。

 嗜好の変化はお菓子に限定されるのか、食事に関してはそんな変化を感じない。昔から我が家は「草や葉っぱを食べている」と叔父に言われたように、粗末な食事である。母が肉嫌いなので、食卓に上がらないのだ。

 それでもこの巨体を保っているのは、食事だけでは足らず違うものを食べているせいだ。なぜこんにゃくやキノコが好きな体質ではないのか(両方とも好みではない)。炭水化物大好きな私である。

 さて、嗜好の変化を感じつつ、たまには洋菓子でも買ってみようか。いや、ハマると危険だぞ。心の中でせめぎ合いながら、横目でケーキのショーケースを眺める私。いつかあんこやかりんとうが食べたくなる日が来るのだろうか?

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