見出し画像

独立記念日に考えたこと

七月四日の独立記念日には花火大会が恒例である。打ち上げ花火が大好きな私としては、必ず花火大会を開催している場所へ見に行く。花火は夜9時半から始まる事が多いのだが、現地には6時入りをして場所取りをする。花火が始まるまでの3時間超の間、そこで演奏しているバンドの音楽を聴いたり、夫と話をしたりとして過ごす。その時に、アメリカに住んで20年近くになると渡米する以前に比べて、幾つかの私の考え方が変わったことなどを話した。

1)大人は大人の役目を果たす。
2)国に対して敬意を払う。
3)警察、消防、国防や軍隊等の私たちの普段の生活を安全に過ごせるための仕事をしている人達に対する日々の感謝の気持ちと敬意を持つ。
4)学歴に敬意を払う。特に最高峰の博士号の敬称は医者でなくてもドクターである。
5)賢い人は素晴らしい。

まずまとめて、ひとつめとふたつめ。アメリカでは大人が大人として機能していると言うのが理想である。子供は大人に不満があっても従う。公共の場で子供の行儀が悪ければ、親の責任なのだから、その親に自分の子供をなんとかしてくれと注意するのは普通のことだ。そして大人は子供の手本とならなければならない。

国歌が流れる時、起立して胸に手を当てる。自国の国歌ではなくても、その国に敬意を称して正しい姿勢をとる。私がアメリカの中学校で働いていた事のことだ。毎朝スピーカーから国歌が流れ、全先生と全生徒が起立して胸に手を当てる。ある日私は作業室にいてパソコン作業をしていた。この部屋には私一人だし誰も見てないし、立たなくてもいいか、と作業を続けていたら、何故かその時間に廊下を歩いている生徒が椅子に座った私を見つけて、走って寄って来て私に言った。ちゃんと立って胸に手を当てないとダメなんだよ。私は、ごめんなさい、と曲の途中からだが、その子と一緒に起立して胸に手を当てて曲を聴いた。後から考えると、学校は生徒に国家に対する敬意を教育していたのだから、大人で学校職員であった私は、手本となる様に率先してすべき行動だったのだ。私がアメリカ人ではないなど関係ない。生徒に教育するという視点では、私も大人として手本を見せなければならなかった。それから、スポーツ観戦に行った時や独立記念日の花火の前等に国歌斉唱する際は、きちんと大人としての振る舞いをしている。日本人だから胸に手を当てなくてもいいとかではなく、私は周りの子供に見せるために胸に手を当てているのでる。

みっつめ、警察、消防、国防や軍隊等の私たちの普段の生活を安全に過ごせるための仕事をしている人達に対する日々の感謝の気持ちと敬意を持つ。パトロールをしている警察官を見ると、いつもありがとうと笑顔で手を振るし、またそれは私は悪いことしていませんよという合図でもある。消防士が道路で寄付を集めていれば少額でも寄付をするし、寄付金集めのなんちゃって消防士もいるのでそこは気をつけてほしい。そして、独立記念日には国防に関わる全ての人たちに感謝をする。日本では自衛隊、警察や消防に拍手でいつもありがとうと伝える機会が年に一度でもあるだろうか。いつもお国のために、私たちの地域のために、私たちの平和のために働いていただいてありがとう。

よっつめ。以前、〇〇○の東大方程式を見た。東大卒、東大院卒の方々が現在働いていて、月収を発表している人たちがいた。あまりにも低くて驚いた。バブル直後に私が短大卒で正社員として働いていた頃の給料より低い。日本最高峰の大学の東京大学大学院博士号を持っていて、30年前の短大卒より低い給料って、日本はどうなってるんだ。その人曰く、その仕事を選んだ理由が自分が興味がある事が最優先でお金の条件は自分の順位の中で最下位だったらしい。人はみんな違っていていいのだけど、でも、もう少し博士号ってものを大切にするべきではないのか。博士号なんて普通の人は中々取れるものではない。私にとって東京大学大学院博士号保持者とは、とても頭の良い人であり、勉強をするのが好きで、努力の人でもあり、それらを兼ね備えた人がほとんどであると思っている。国として、もう少し博士を大事にしたほうがいいのではないか。このままだと、貴重な人材が海外に流出するのが増えることはあっても減ることはないのではないか。

そして、賢いことは素晴らしい。大人として大人の意見を持つことが普通であり、大人なのに子供っぽいことは普通ではなく、バカを演じて人気者になることはないという文化が心地よい。

アメリカは素晴らしいばかりではない。日本よりしっちゃかめっちゃかにとり散らかってるし、納得できないことも嫌な面もたくさんある。その反面、アメリカにも良いところがたくさんある。私はその良いところが好きで、居心地がいい。

日本の花火大会は素晴らしい。ここアメリカでも日本並みにレベルの高い花火大会もたまにはある。どちらにも共通しているのは、花火大会終了後の大渋滞である。人混みの中、超満員電車に押し込み乗車で帰宅するか、駐車場からすでに大渋滞で、駐車場の外に出るまでに30分以上、下手すると1時間は車の中で前の車が動くのを待つ。どちらにしても気が滅入るものであるが、素晴らしい花火を見るためなら仕方ないと諦めている。そしてまた来年も花火を見に行くのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?