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IELTS「7.0の壁」 働きながら乗り越える

正社員の看護師をしながら、6カ月で6.0レベルから7.0まで引き上げた経験について書きたいと思います。
王道から姑息な手段までやりきった、私の6カ月のリアルをお見せします!

⦿はじめまして

まずは私の基本情報から。

①自己紹介

1994年生まれ、しし座の女です。
看護職として総合病院の病棟で働いています。
英語を専門的に学んだことはなく、中高・大学の授業で習った程度。
2021年11月に海外大学院受験を思い立つまで、外国人と英語で会話した経験は、ALTの先生と、海外旅行で空港や現地の人と話したことがあるだけでした。
海外大学院受験&奨学金獲得については、他記事にまとめようと思います。

IELTSは2回受けました。
1回目 OA 7.0   L 8.0  R7.0  W 6.5  S 7.0  (学習開始6カ月後)
2回目 OA 7.0    L 7.5  R8.0  W6.5   S 6.0 (学習開始7か月後)
実は1回目で必要なスコアが取れていたのですが、あらかじめ2回目を申し込んでいたので(1回目は練習と思いこむことで、リラックスして受けるため)、一応2回目も受けました。
2回目は、スピーキングで緊張して口が回らず、点数が下がってしまったのが心残りです。

②もともとの英語力

留学経験皆無、英語の英才教育なし、4歳まで海外暮らしの経験はあっても記憶はなし。中学1年生でBe動詞から始めた、「英語は少しできる」と思ってる程度の、普通の人間です。

20歳で大学に受けさせられたTOEFLスコアは、76点。
IELTS換算すると、6.0。
当時の自分としては、結構できているほうだと思っていました。

ただ、このTOEFLスコアから、すでに7年が経過しており、
英語を使用する場面はほぼないまま、勉強するモチベーションもなく…
IELTSの勉強を始めた時点では、6.0の英語力もなかったかもしれません。
お金がもったいなくて、勉強を始めたときには受験しなかったので
正確なスコアは不明です。

③必要だったスコア

第一志望の大学院受験の条件
OA 7.0   各コンポーネント 6.5

奨学金応募の条件
OA 7.0

ちなみに、イギリス看護師免許申請の条件
OA 7.0    各コンポーネント 7.0  ただしWritingのみ 6.5

というわけで、IELTSの目標を7.0に定めて勉強し始めたのですが、国立大学文系に通う妹(超優秀。交換留学もしてる。しかもおしゃれ。)から、「IELTS7.0は、難しいと思うよ。まぁ、頑張って(半笑い)」と言われました。本当に半笑いだったかは電話だったのでわかりませんが、声が半笑いでした。
私、無謀なことに挑戦してるんだわ…と震え上がった瞬間でした。

⦿効率よくスコアを上げる 大事な心構え

私は英語の専門家ではなく、英語学習のプロでもありません。
なので、これが正解というつもりはないのですが、
短期間で働きながらスコアを上げるには、以下の3つがポイントだと思いました。

①模擬試験を解く時間は勉強時間ではない

IELTS対策されてる方はもれなく、この公式模擬試験シリーズをお持ちかと思います。私も、13~16の4冊を買いました。

模試を解くと、時間かかるし、疲れるし、達成感あるのですが、
実は新しいことを学ぶ時間ではないのです。
これまでの勉強の成果を確認する時間であり、これまでの勉強の質や方向性を確認することはできますが、解いている時間は実質的に知識やスキルを増やすことはできません
もちろん、模試を通して問題形式に慣れる、時間制限に慣れることは必須ですが、そのために大事な時間を割きすぎないことが重要だと思います。

ただ、模試を復習する時間はもちろん、「勉強」です。
Rreadingの精読をする、Listeningのシャドイングをする、Writingの添削を受けて修正したりモデルエッセイを写経する、Speakingの自分の話す音源を聞きなおし本当に言いたかったことを繰り返し言い直すなど、模試の髄まで吸い尽くす勢いで丁寧に復習していました。

私は、休みの日で元気があれば実際の試験時間で試験問題を解き、午後から夜にかけて復習の時間としました。
元気のない休みの日(そんな日もありますよね)は、無理して模試を解かず朝はゆっくりして、午後から夜まで単語と文法に取り組みました。
でも、実は、勉強時間の観点から見ると、模試を解いた日と、解かずに午後からやった日とでは変わらないんです!
模試の日は午前いっぱい問題を解いてるだけなので、勉強ではないわけです。そう思うと、休みの日は毎回早起きして…という必要がないのが分かるかと思います。
働いていると、時に勉強に割ける時間が取りにくい時期もありますが、模試を解かなければ勉強時間がもっと確保できるので、この考え方は重要だと思います。

②単語を制する者が4技能すべてを制す

勉強時間が確保できたとして、さてなに勉強しよう、と悩む時間がもったいないと思ったことはありませんか。
わたしは、なにしようかな、と思ったらとりあえず単語を覚えていました。語彙を増やすことが、なによりも即効性のある学習だと思っていたからです。
量としては、iKnowのTOEFL用の単語集をつかって約2500語覚えました。

語彙を増やすと…
Reading 読むスピードがぐんっと速くなる。この単語、どういう意味だろう、なんて悩む時間が、一番もったいない。正答率も当然上がる。
Listening 知らない単語が出現すると動揺してそれ以降何も聞けない、という現象が減らせる。聞き取れてもスペルが分からない、なんてこともなくなる。
Writing 同じ単語を繰り返さない、文と文をつなぐ表現を知ってて効果的にはさむ、ちょっと難しい単語を適切に使う、全部スコアアップの要素。
Speaking Writingと同じく。

どの単語帳がお勧めかは、比べたことがないのでわかりませんが、どの教材を使うとしても、ぜひ耳と口も使うことをお勧めします。
4技能すべてに語彙力が効くことはお示ししましたが、そのためには、
単語は必ず、文字だけでなく音声も使って勉強することが重要です。
・意味と用法の理解
・音で聞いて意味とスペルが分かる
・例文の音読(発音注意しながら) 例文で使えそうなのは暗記も◎

単語帳の説明だけではどう使うのか、似た意味の他の単語とどう使い分けるのか、分かりづらい時があるので、そういう時は辞書を引くか、
このごろはChatGPTに聞くと例文を含めて解説してくれるので重宝しています。

③どうせ留学するので、近所からちょっと変人に思われてもいい

極論ですが、私はこのくらいの気持ちでやっていました。
つまり、シャドイングやスピーキングの練習を、駅まで歩きながらやってたんです。
コロナ禍のおかげでマスクをしていたので、口元が隠されていたのもあり、一人で歩いているときは常にブツブツつぶやいていました
時に、電車が空いているときは、電車の中でもつぶやいていました。
近所の小学生に気づかれて、ちょっと変な目で見られたことがありますが、
私は誰にも危害を加えてないし、時間を有効に使いたいだけの善良な市民なので、特に気にせずにブツブツしていました。

でも、疲れてたらそこまでする必要ないとも思います。
ときには、ぼけーっと何も考えずに歩くことも大事だと思います。

⦿最初の3カ月にやったこと 

具体的に、勉強開始から前半の3カ月でやったことを紹介します。
単語はもちろん、はじめから直前まで6カ月間ずっとやっていました。

①文法・語法の復習

王道中の王道ですが、ネクストステージ、ヴィンテージみたいな、大学受験用の参考書を1冊準備し、しらみつぶしに全部復習しました。学習を始めるにあたって、これはとてもおすすめです。英語が得意と自分で思っていましたが、仮定法とか、時制の一致とか、分詞構文とか、うろ覚えだったことが確実に自分のものとなりました。
特に、自動詞っぽい他動詞、他動詞っぽい自動詞については、どの参考書もまとめていると思うので、要チェックです。
文法だけでなく語法もぜひ。Writingでのミスを防ぐには、ミスを指摘されて学ぶより、先に知識を入れておくことで時間短縮になります。

②オンライン英会話

私はDMM英会話を使っていましたが、事務局の対応に失望する事件があったので、やめました。Native Campに切り替えましたが、どちらも質は変わらないかなと思います。

大事なのは!
毎日やることです。私は最初、そもそも外国人と英語を話すこと自体に慣れるのに半月かかりました…。調子が出てきてからも、日によってよく話せる日と、言葉が出ない日とあり、でも、毎日やることでコンディションに左右されなくなってきた気がします。

教材は、英会話の会社が用意するものを活用するのも手ですし、模試にでている問題を先生にシェアして練習してもいいし、ネット上にある練習問題のリンクを送って時間を測ってやったりもしました。
同じ質問を、先生を変えて何度もやること、教えてもらった語彙を使って前回よりもよりよく話せるようになることが大事だと思います。

英会話の先生はとてもやさしいので、時にはIELTS対策ではなく、25分間愚痴を聞いてもらうだけのこともありました。オンライン英会話は、時にカウンセリングの効果もあると常々思っております。

③模擬試験を解く

初めは、気合十分で、休みの日のたびに模試を解いてました。いま振り返ると、時間の無駄遣いだったなぁと思います。

⦿後半の3カ月にやったこと

①Writingの構成・構文を叩き込む

自分なりに勉強して3カ月がたち、はじめて有料の添削サービスをつかってエッセイを添削してもらったところ…なんと、5.5点でした。しかも、時間をかけてじっくり書いたやつ、文法やスペルも調べて丁寧にチェックしたやつです。
ショックでした。せめて6.5くらいにはなってるかな、なんて。甘かったです。

本屋に駆け込み、Writing対策本をすべて見て、こちらを購入しました。

表紙に、5.5⇒6.5⇒7.5へとスコアUP!と書いてあって、
その頼もしさにすがりつくように購入しました。
その日から、私はこの本のすべてを紙に書き写すという形で勉強が始まりました。
モデルエッセイ部分の写経をされている方もいるかもしれませんが、
私は、日本語で解説しているエッセイの書き方のポイントすら、ルーズリーフにまとめなおし、すべてのポイントを暗記するようにしました。
それくらい切羽詰まっていました。
結果的に、まとめなおしたルーズリーフは試験当日に直前まで眺めるお守りとなりました。

この本には、エッセイライティングの基礎、応用、テクニックのすべてが詰まっています。Writingが6.0未満の方の場合、エッセイを一つ書く時間があれば、ぜひこの本の内容を1ページでも身に着けたほうがいいと思います。
試験の2週間前に、ようやく私はこの本の大筋をマスターしたぞ…!と感じたので、また添削サービスを利用してみました。
そしたらなんと、夢の6.5!よかった!

試験当日も、ちょっと想定外なテーマではありながらも、無事に6.5を勝ち取ることができました。

②Speakingの直近で出ているテーマで練習する

IELTS Speaking 2023 などと検索すると、こんなサイトがでてきます。

なんと、最近のSpeakingのテストで実際に出た質問が収集されているんです。Twitterで知り合った方から、Speakingの質問は、4カ月ごとに入れ替えがあり、他でどのような質問をされているか知れば、ある程度は予測できるということを知りました。
これは…なんと姑息な…と正直思ってしまいましたし、そんな手段を使って点数を取ることにうしろめたさがありました。
が、IELTSの試験は高額だし、何度も受けなおせる経済状況ではないこと、
きかれた質問を口外してはいけない、というルールはなさそうだったので、
思い切って最後の1週間だけ、最近聞かれた質問を中心に練習しておきました。

結果としては、1つだけ、ウェブサイトで見て練習していた質問があたりました。ほかは、普通によくある質問と、今までに練習したことのない質問とがあり、結局は普段の練習がものをいう、と思いました。

③MagooshでReadingとListeningの問題を解く

妹の彼氏から、MagooshというIELTS対策の有料サイトを紹介され、活用していました。
IELTSだけでなく、TOEFLなどの対策できるバージョンもあるようです。

Magooshは、ReadingとListeningの問題をPC画面で解く練習として活用しました。また、SpeakingやWritingの添削サービスもありますので、総合的に練習できます。
ものすごくお勧めかというと、そうでもなく、問題の質や解説の質が時にあまりよくないと感じることもありました。
ただ、普段は紙で練習していると、いざPC画面の操作に慣れていない、PC画面だと集中力が続かない、といった問題がおきるので、時間とお金に余裕があれば、やってみてもいいと思います。

④元気と余裕があれば模擬試験を解く

この時期には、ReadingやListeningはコンスタントに7.0以上の点数が取れていたので、あまり模試を解く必要はなかったのですが、時間の感覚を忘れないようにする目的で、月に3回くらい模試を解いていました。

⑤BBC Learning English 

言わずと知れた、BBCがつくっている英語学習者向けコンテンツです。
一旦リスニングとして、内容理解するまで繰り返し聞きます。かならずスクリプトが掲載されているので、オーバーラッピングを繰り返し、内容をだいたい覚えたら、覚えたての単語や表現を使って内容の要約を誰かに説明する練習をしました。気に入った箇所はまるごと暗記しました。

6 minutes English を中心に、Speakingで使えそうなテーマを意識して選びました。例えば、偉人などを紹介する内容の場合、Speakingで「尊敬する人はだれか」「会ってみたい偉人はだれか」といった質問に答えるときに使えます。

⦿個人的にはおすすめしたいこと

①twitter をほどほどにやる

twitterでIELTSに詳しい人をフォローするのはおすすめです。大事だと思ったことや、使える英語表現は、紙にメモして自分のものにしていました。

あと、試験を実施している団体が、たまに無料で受験できるキャンペーンをやっていますので、それに参加して受験料を節約することができます。
私自身、2回受けたうちの1回は無料で受験させていただきました。
こういうキャンペーン、抽選と書いてあっても熱意を伝えた人が当選することがほとんどなので、しっかり自分の夢を語るようにしましょう。

ただ、気づくと時間がとられるのがtwitterなので、スマホの機能を使って1日30分以上見ないように設定することをお勧めします。

②たまに有休をとる

有休のとりやすさは職場によっていろいろだと思いますが、私の職場は非常に取りやすいので、勉強するためだけに有休を使っていました。勉強時間が足りないと焦って睡眠時間を削ったり悩んだりするより、たまに有休をとって足りていない勉強時間を巻き戻すことが健全だと思います。
もちろん、誰もがそれをできる環境にないことは重々承知です。ただ、有休とれる方であれば、ボーナスタイムとしてたまに有休を挟むことは安心材料になります。

③得意と不得意を見極める

これまでの英語学習は受験英語と論文の読み書きのみだったため、ReadingとListeningは初めから得意でした。できることは気持ちがいいので、はじめの3カ月はついつい気づくとこの二つばかりやってしまっていました。
学習を始めてすぐにIELTSの試験そのものを受ける必要はないですが、添削サービスを利用して、早いうちから自分のWritingとSpeakingのレベルを確認することをお勧めします。私は後半の3カ月でWritingにだいぶ焦ることになりました。

おわりに

働き方や疲れ方、時間の使い方は人それぞれだと思います。
ただ、やみくもに模試を解いて丸付けをする方法では、どれだけ時間があっても足りないのは確かです。単語を後回しにしてスコアアップもまず無理だと思います。週の最低40時間を労働に取られている限り、なりふり構わずやらないと、短期間の7.0達成は難しいと思います。
私の体験が、これから大学院進学や移住を目指す方の参考になれば幸いです。

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