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「自由に生きる」ために「面倒なこと」をあえてする

このところ、「自分らしく生きる」ということをテーマにして文章を書いているのだが、実際に「自分らしく生きよう」と思ったら、気をつけないといけないことがある。
それは「面倒くさいし、まあ、こんなもんでいいか」という精神に侵されないようにすることだ。

今回はこの「面倒くさいし、まあ、こんなもんでいいか」という言葉をめぐって、「自分らしく生きるための道」を考えてみたい。

「面倒だ」と感じることも、「こんなもんでいいか」と妥協することも、私たちにはしばしばあるが、どうしてそのように思うのか?
そして、そこにはどんな問題が潜んでいるのか?

一つずつ説明していこうと思う。


◎「自由」の重さに多くの人は耐えられない

そもそも「自分らしく生きること」は、けっこう「面倒くさいもの」だ。
考えねばならないことがたくさんあり、やらなければならないことも多くある。
しかも、自分がいったい何をすべきか他人は「答え」を与えてはくれず、常に「自分の道」を自分で選択していかなければならないのだ。

それは決して「楽な生き方」ではない。
絶えず学び、成長し、自己超克していくこと。
「自分らしく生きる」ためには、そういったことが必要になるのだ。

逆に、何でも他人から言われたとおりにし、社会に適合するよう努めるなら、私たちは楽に生きていくことができるだろう。
私たちが「自分」を押し殺し、従順な駱駝(らくだ)であるうちは、社会は私たちに居場所を与えてくれるし、生きていけるように守ってさえくれるのだ。

だが、もしも私たちが「自分」を主張して社会に迎合しなかったら、私たちは孤軍奮闘を余儀なくされる。
「自分の選択」の責任は自分で取らなければならず、私たちを守ってくれるものは何もない。
そして、それこそが「自由」というものだ。

よく言われることだが、「自由」と「責任」はいつもセットになっている。
もしも「自由」を欲するなら「責任」を負わねばならないし、「責任」を負いたくないなら「自由」は諦めるしかない。

このため、「自由」は時としてひどく重い。
そこには用意された「正解」はなく、保証された「ゴール」もない。
「自由」を求める時、人は「道なき道」をたった一人で歩いていかなければならないのだ。

私たちが時として自分から積極的に「自由」を捨ててしまうことがあるのは、ひとえにこのためだ。
多くの人にとって「自由」なんてまっぴらごめんなのだ。

「自由に生きること」はあまりにも危険に思え、多くの人には不可能に感じられる。
なぜなら、「順応すること」より「自由に生きること」を選んだら、孤立無援になるかもしれず、後ろ指をさされて非難されるかもしれないからだ。
だったら、周りの言うことを聞いて、おとなしく敷かれたレールの上を生きていったほうが良いと、ほとんどの人は思うわけだ。

だが、「自由」ほど魅力的なものは他にない。
その証拠に、できることなら「自由」に生きたいと、心の底では誰もが望んでいる。

しかし、「自由」はあまりにも危険であり、私たちに「勇気」を求めてくる。
「自分の道」を自分で切り開く勇気を。
それで、ほとんどの人は怖気づいてしまって、「自由」から逃げ出してしまうのだ。

◎「自由」から逃げるとき、主観的には「面倒だ」と感じる

ただ、多くの場合、当人には「自分は自由から逃げ出したのだ」とは自覚されない。
なぜなら、「自分は自由から逃げている」という自己認識は、当人のエゴを傷つけるからだ。
そのため、ほとんどの場合、認識のすり替えが無意識におこなわれることになる。

「自由」から逃げている時、当人は「自分は逃げている」とは思わない。
代わりに、「なんとなく生きてるのが虚しいけど、頑張るのも面倒だし、こんなもんでいいか」という煮え切らない人生観が現れてくることが多い。

「自由」を捨てて、ロボットのように他人の言いなりになっていれば、生きることが空虚に感じられて当然だ。
だが、当人はそこから抜け出そうとも思わないし、そもそも抜け出す仕方がわからない。
だから、「頑張ったって何が変わるとも思えないし、こんなもんでいいか」と、現状維持を選んでしまうわけだ。

確かに、それでも本人は困らない。
たとえ現状維持を選んでも、生きていくことはできるし、「辛くて仕方ない」というわけでもないからだ。

ただ、自分の胸にぽっかり穴が開いたような「虚しさ」を味わうことは避けられない。
そして、「別にそれでもいいか」と思うからこそ、人々は「自由」を平気で捨ててしまうのだ。

だから、もしも「面倒だし、まあ、こんなもんでいいか」と思うことが生活の中で増えてきたとしたら、それは注意したほうが良い。
なぜならそれは、私たちの心が錆び付き始めているサインだからだ。

◎私たちの頭は「面倒くさい」という感情によって、私たち自身を「現状維持」に閉じ込める

このような状況を解決する方法が一つある。
それは、「面倒なこと」をあえてやってみるということだ。

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