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冷やし担々麺とピーマンの肉詰め

みなさん担々麺はお好きですか?
ラーメンという食べ物は実に多種多様で、醤油、味噌、塩味はやはり三大巨頭でド定番ですし、ここ10年だと二郎系や家系、まぜそばなどのがっつりごりごり系も負けず劣らずの人気を誇っていると感じます。
いつの年も進化を止めないラーメンカテゴリですが、中でも担々麺は、私的ラーメンランキング5位以内に入るくらいには大好きで、ラーメン屋さんのメニューにあるとついつい注文してしまう一品です。

先日YouTubeをだらだらと視聴していた時に、定期的にチェックしているYouTuberさんが冷やし担々麺を作っておりました。
動画が進むに連れてあれよあれよと担々麺の口になった私は、数年前に作った冷やし担々麺がなんとも絶品に仕上がったことを都合良く思い出し、その日の夕飯は冷やし担々麺を作ることに決めたのでした。

拙い記憶を辿りながら買い物を済ませ、帰宅して間もなく調理に取り掛かりました。
我が夫婦は万年ダイエッターなので、肉味噌作りの際はたんぱく質を意識して鶏むねのひき肉を使用し、豆板醤やコチュジャン、お味噌などの調味料で味付けしていきます。
完成した肉味噌は急速冷凍にブチ込み、冷やし担々麺がぬるくなるのを極力防ぎます。
中華麺を時間どおりに茹で、茹で上がったら氷水でぬめりを取りながら冷やし、よく水気を切ります。

ここまでは完璧でした。
さていよいよ味の要となるスープ作りです。
私は業務スーパーの「花椒辣醤」がラー油の中で圧倒的に好きなので、それとピーナッツ和えの素、微塵切りにしたねぎや各種調味料を丼に入れ、仕上げに豆乳を注ぎます。
ここで時を少し遡り、お買い物シーンを振り返ります。
豆乳、調整と無調整どっちにしよう……?
冷やし担々麺作りで使い切ることはなさそうなので、残った時に飲みやすい方が良いな、と思っていたところ、夫も調整豆乳にしよう♪と背中を押してくれたので調整豆乳を購入しました。(韻を踏んでいますね)
パッケージに「やさしい甘さ」と記載されているのが引っ掛かりましたが、深くは考えないことに……。

これが仇となることを知らないままに、仕上げに冷やした肉味噌をのせ、見るも鮮やかな冷やし担々麺が完成しました

一口食べて思ったこと。
「……甘い……」

それはまるでココナッツミルク。
花椒のスパイスとピーナッツと豆乳によって作られたココナッツミルクの味と香り。
私はココナッツミルクが大の苦手で、己の手によって己の天敵を作り上げてしまったのでした。
うぅ……前回は美味しく作れたはずだ……これはとても食べ切れない……。

一方の夫はこりゃたまらん!と安々と平らげ、1/3程で箸が止まってしまった私に対して「食べても良い?」と遠慮がちにお伺いを立てるのでした。

我が家では失敗してしまった料理を「バケモノ」と呼んでいるのですが、久方振りにバケモノを生み出してしまったショックで私はやや落ち込んでいました。

そんな私を見て夫が、「俺が作ったピーマンの肉詰め思い出して」と一言。
なんのことかと考える間もなく瞬時に思い出したあのピーマンの肉詰め。
猫無双家で生み出されたSSR級のバケモノ。

数ヶ月前、夫婦で例の流行り病を患いました。
私が数日先に罹患した為に、夫に家事のすべてを託し療養していた時にソイツが現れました。
心ばかりのソーシャルディスタンスを設けながらの食事、美味そうなソイツをありがたや~と口に運んだ瞬間、口の中に電流が走りました。

ウヒョ〜〜〜!!!しょっっっぺ〜〜〜〜〜!!!!!!

夫の方を見ると、何事もなく食べており、私の味覚がいかれちまってるのか……?と錯覚しましたが、他の食べ物に関してはいつもどおり美味しく食べられていました。
作ってもらっておいて意見するのはちょっと……いやしかしこれは正直食べられないぞ……?私がこの世に生を受けてからこんなにしょっぱいものを口に入れたのは初めてだ……ていうか夫なんで平気な顔して食べてる?!
と、心の中で葛藤を繰り返し、どうしても残してしまいそうだったので正直に「しょっぱくないですか」と夫に聞いてみたのでした。

翌日に夫が発熱し、検査は陽性、味覚がイカれちまってたのは言うまでも有りません。

……あれ?もしかしたらまだ味覚がイカれちまってて冷やし担々麺も美味しかったのか?と、綴りながらに感じてしまったのはここだけの秘密です。

本日もご拝読いただき、ありがとうございました。

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