気力が出ないときは目標を小刻みに設定しよう ー 『うつ美大生』
「美大生がうつ病になった話」第12回です。前回→「うつ病と認知行動療法の話」今回は目標設定のお話でした。
うつ病になる人は完璧主義、真面目な人が多いので、うつになってからも「散歩にいかなければ」「家事をしなければ」と焦ってしまっているかもしれません。
家でジッとしているよりは体を動かす方がいいのですが、病気の人がすぐに健康な頃と同じような行動をとれるわけではありませんよね。
今は病気なのだから「こんなこともできない…」なんて自分を責める必要はありません。まずは自分でもできる範囲のことを見つけて行動していきましょう。
目標は小刻みに設定しよう
うつ病には散歩が良いとよく聞きます。
太陽光を浴びると脳内の幸せホルモンであるセロトニンが分泌されやすいとかなんんとか。
しかし、たかが散歩と言いますが、散歩にいくまでって
「ベッドから出る→顔や歯を洗う→髪を整える→着替える→朝ごはん食べる→外に出る」って感じに、意外とやることが多いんですよ!
うつになると、こういった日常のルーティーンでさえやるのが難しくなるので、散歩に行くって本当はめっちゃハードルが高いことなんですよね。
(だから気安く「家にこもってばかりいないで外に出た方がいいよ!」とか言わないで…)
これだけのハードルがあるにも関わらず、いきなり「今日は絶対に散歩にいく!」と目標を定めてしまうとハードルが高くて結局行けず、目標達成が出来なかった自分を責めてしまったりします。
なので、いきなり高い目標を設定するのではなく目標を小刻みにする!
高いハードルは最初は越えられないので、まずは小さなハードルから挑戦しましょう。
まずは「ベッドから出る」もしくは「起き上がる」を目標にしてみる。これなら気力がなくても何とか出来そう、という目標を設定しましょう。
それができたら、次は部屋を出る、顔を洗う、着替える、スマホを見る、水を飲む、など出来そうなことをやっていきます。
もし、どこかの段階で「これ以上は無理そう」と思ったら、無理せず休んでくださいね。
最終的には「散歩に行く」ができればいいけど、それまでに達成できた目標を振り返ってみて、自分を褒めてあげましょう。
もちろん何も達成できなくとも、今日一日、今この瞬間を生きている、それだけでも褒めたっていいんです。今日を生き残れてる自分を褒めてあげてください。
ギリギリの体力と精神力の渦中で生きているって、それだけで十分に賞賛に値することなんですから。生きてるだけで100億点満点!!!
出来た自分も出来なかった自分も肯定してあげながら日々過ごすと、自分に自信がもてたり行動しようという気力が徐々に生まれてきます。
そうして体力も徐々に戻ってくる事で、物理的に行動できる回数も増えてきます。
そうして、高いと思っていたハードルも、いつの間にか越えられるようになっていたりします。
その状態に慣れたとしても、「こんなこと出来て当たり前、出来なかったらダメ人間」なんて思わず、調子の悪い日は休んでくださいね。
一度ハードルを越えたとしても、翌日には出来ないかもしれない。でもこれって健康な人でも同じことが言えますよね。(仕事で疲れてるからとか、雨で調子が出ないとか)
目標を達成したりしなかったり、少しずつ前に進んだり戻ったりしながら、だんだんとハードルを高くたくさん越えられるようになると思います。
焦らず、疲れたら休んで少しずつやっていきましょう。
目標は小さく、達成出来ても出来なくても自分を肯定する、出来たらうんと褒める、これを意識してみてくださいね。
次回は「うつ病と理解者の存在」についてのお話です。
お読みいただきありがとうございました。
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