読書ログ:Hacking Growth グロースハック完全読本
Hacking Growth グロースハック完全読本の感想です。
kindle版が物理版の半額でした。安い。
何を期待して読んだか/なぜ読んだか
・仕事で行き詰まっていたから
・UX DAYS TOKYOの読書会の題材になっていて、自分に締切を課すにはちょうどいいなと思ったから
役に立った情報は何か(かいつまんで)
アハ・モーメントの概念
アハ・モーメントとは、顧客がサービスの有用性を感じてくれる瞬間のこと。Twitterの事例では「興味を持っている人からのニュース・近況が安定して流れてくること」がアハ・モーメントでした。「登録後すぐに30人以上をフォローするようになった利用者はサービスへの愛着と継続率が高い」という事実の理由を探っていくとこのアハ・モーメントに行き着いたということです。
サービス運営においてマジックナンバーを探ることはよくあると思うのですが(この事例だとフォロー30人以上)、それの根源的な理由を突き詰める必要性について事例も込みで学んだことはなかったので新鮮でした。
ステップごとにグロースハックの方法が解説してある点
これいいかも!と思って読み始めた本が新規サービス立ち上げの段階にしか使えんやんけ…ということがたまにあったので…
この本はユーザーの獲得・活性化・維持といった段階ごとに取れる手段が書いてあったのでよかったです。既存サービスやってますって人が安心して読める感じ。
素早く(でも闇雲ではなく)検証を重ねていくことの大切さ、方法
これは本当色々な本で「PDCA」とかって言葉で言われ尽くしてることだと思うのですが、事例込みなのでより説得力があったなあと思いました。あと闇雲に数打ちゃ当たる!というスポ根っぽいことは書いてなかったのでちょっとほっとした。
本の中で出てきたアメフトの例(通常攻撃の合間にミーティング的なものを挟むが、休まずに攻撃を続けたある大学のチームがめちゃくちゃ躍進した)とか、海外っぽい例が多かったのはちょっととっつきにくくはあったのですが…
期待と違った/いまいちだったところはどこか
チームビルディングの理想像と現実を比べてしまった
この本ではグロースハックチームの作り方を一章かけて丁寧に書いてあります。
リーダー・プロダクトマネジャー・マーケター・デザイナー・アナリスト・エンジニアで構成することを勧められているのですが、個人的にはこの人数に専任でついてもらうのはすごく難しいな…と思いました。グロースハックの実験的なもの以外も含めて何をするにもエンジニアの工数が足りない…となっているような状況では迅速に進めていくのが厳しそう。一章目がこのチームビルディング項目だったのでちょっと心折れそうになりました
あとデータとデータアナリストの重要度が良くも悪くもかなり高いです。社内での暗黙のルール(不文律と称されている)を破ってデータドリブンでやっていこうねという方針の本なので仕方ないのですが、ちゃんと分析できる整ったデータとアナリストを用意しないと始まれないところもありそう。あとはそのアナリストをどうやってグロースチームに引っ張ってくるかだなあ(実力があるアナリスト、実験的な部署よりとりあえず堅実に売り上げ詰める部署からも引きが強そう…)
そう簡単に行くかよ〜!という恨み節みたいな点を挙げてしまいましたが、そこをねじ伏せるために執行役員レベルにバックアップしてもらうといいよ!みたいなある程度政治的な方法も書いてあるので、理想論ばっかり!という印象ではなかったです。念のため…
(自分宛に)どんな時に読み返すべきか
・グロースの事例が欲しい時
・組織横断型のチームを作ろう!となった時の教科書として
・Reproのいわたさんが非常に丁寧で分かりやすいレビューをされているのでこっちも読んでね
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