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英検準1級 - 合格までを振り返って

はじめに

9月の話ですが、実用英語技能検定(以下、英検)における準1級に合格しました。書こう書こうと滞納を続けた挙句、こんな時期になっていました...。

自身の経験を振り返り、合格に向けて行ってきたことや試験当日に意識していたことなどをこちらで共有したいと思います。

私の場合は、一発合格ではなく、2019年度の第3回に落ちた後の合格でしたので、不合格時と合格時の変化がスコアとして分かりやすい例なのかもしれません。

前回の不合格時のエピソードについては、以下の記事を読んでいただければと思います。今読み返すと、あまり内容が無い気がして恥ずかしい記事ですが...(笑)

構成としましては、以下の3点に大きく分けてお伝えしていきます。

・結果

・合格に向けて

・二次試験、本番

特別なことは何もしていないと思うのですが、合格体験談の一例として、今後準1級を目指される受験者の方々の参考になれば幸いです。(※自身の振り返りも兼ねているので、多少冗長かもしれません。適宜読み飛ばして下さい。)

結果

タイトルの通り、なんとか合格することが出来ました。

詳細は以下の画像の通りです。

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1級合格に向けて注目したい点としては、一次試験合格にはまだまだ距離がある一方で、二次試験の合格には非常に近い点です。Speakingが良いスコアだったということなのですが、そんなに評価をしてもらえるとは思っていませんでした。ただ、当日は良いコミュニケーションを取れたんじゃないかという多少の自負はあったので、詳しくは「二次試験、本番」の章でお伝えしていきます。

また、冒頭でお伝えしたように2019年度の第3回は一次試験で不合格でした。その結果が以下の画像になります。

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上記の合格時の結果と比較してみてると、各技能について以下のようなスコアの変動がありました。

Reading:-12(641→629)

Listening:+59(545→604)

Writing:+68(583→651)

これらの変動については、前回の不合格から立てた戦略通りになったため嬉しく思いました。特にWritingに関しては、お作法と多少の表現力を身につけるだけで、70点近くスコアが上がったことに驚きです。Listeningに関しては、前回よりは聞き取り易いものの、正直難しかったという印象がありました。各技能の学習については、次章でお伝えしていきます。

合格に向けて

以前の不合格結果から、リスニングとライティングがまだまだ合格圏内に達していないことが分かっていたので、1次試験の不合格後の4ヶ月の間、この2点を注力することとしました。以下では、4技能に分けて学習法と使用した教材をそれぞれ紹介していきます。

リーディング

リーディングに向けた対策は、前回から試験まで特に何もしていなかった気がします。BBCやCNN等の記事を読むことが多かったので、今思い返すと日々のリーディングはそこで補っていたのかもしれません。

一度目の試験の際は、過去問を3周だけした覚えがあります。単語帳もほとんどしていなかった気がします...。一応、パス単の出る度Bまでは1周くらいした気がします。個人的には大学受験で登場するような主要な語彙さえ補充しておけば、あまり珍しい語彙は補充しなくて良いような気さえしています。1級はそういかなさそうな気配がしますが...。

個人的に気に入っているのは、Instagram上でCNN, BBC, Guardianといったメディアのアカウントをフォローし、日常的にリーディングをしておくことです。Instagram上の方では公式サイトと違って、ダイジェスト版(?)のような短めの文量に抑えられており、時間的にも精神的な障壁の低さとしても、読みやすい形式となっています。特に私はついついInstagramを開きすぎる悪癖がありますので、これは有効でした...(笑)またその際に、iPhoneのメモ機能を活用して、知らなかった語彙は必ず辞書で調べ、リストアップしています。

リスニング

試験までの間は、特にリスニングのトレーニングばかりをやっていた記憶があります。3月と4月はライティングではなくほとんどリスニングのトレーニングをしていました。

リスニングが昔からとても苦手だったことや前回の1次試験でもかなり苦戦をしていたためもあり、優先的に時間をかけました。得意とは言えなくても、この苦手意識を克服しない限りは次の試験もきっとダメだという意識が強くありました。

具体的な方法としては、ほぼ毎日地道なオーバーラッピングとシャドーイングの繰り返しをしていました。使用した教材は以下の2つになります。

トレーニングのプロセスは、

素直に問題を解く→オーバーラッピング→慣れてきたらシャドーイング

の流れで行っています。

オーバーラッピングの際の個人的な注意点としては、思考停止になって単に読むことにだけ集中してしまわないようにすることです。英語は日本語と違って、詳細な情報を後に続けていく特徴がありますよね。実際、スクリプトを見ながら読んでいく訳ですが、読むのではなく、この特徴に意識を向けて音声に続けて発声をしていました。

また、トレーニングを通じて、発音の知識はリスニング力向上に関わる大きな要因なのだろうと実感しました。例えば、rとlの発音の違いやsとshの発音の違いなどを理解している人としてない人とでは、トレーニングの効果にも違いが現れてくるように思います。単に声に出せば良いということではなく、スペルに応じた発音を理解して上で実際に発音することが、リスニングの向上に繋がるのだと思いました。不思議なことに、自分が発声できる音は自然と聴きとり易くなったと感じています。

ライティング

試験1ヶ月前の5月からは、焦ってこちらの教材で準備を始めました。

本教材の良い点としましては、表現の補充・基本的な構成・トピック別の特訓の3点でした。この本に触れるまでは、ライティングの基本的な構成や表現力がなかったため、個人的には良い底上げになったと感じています。

表現を覚えるために、ノートを1冊用意して、模範解答中の知らない表現に絞って実際に書いてみるといったことを日々繰り返していました。その中で慣れてきた表現があれば、自分で例文を考えてみて書くといった方法に切り替えていました。

英検のライティングでは、さまざまなトピックについて意見を求められます。例えば、「Are social networking services good for society?」や「Is advertising beneficial to society?」などです。試験で課されたトピックに対して、いかに強い(それっぽさのある)アーギュメントが出来るかが鍵になります。単に語彙や文法力の問題ではなく、社会問題の原因について述べ、客観的な主張ができるか否かがスコアの獲得を左右します。この教材では、そういったトピックの模範解答とアーギュメントを強めるために意識すべきポイントが、20以上のトピックそれぞれで解説されています。

トピックへの対応力をつけるために行なっていたこととしては、白いノートや紙に一つのトピックを書き、そこに矢印や線を付け足して、課題やメリット・デメリットなどを書くといった練習を個人的にしていました。

また、構成についてですが、下記の2点を本書から学びました。前回試験を受けた際はこういったお作法(?)のようなものはつゆ知らず、構成を無視して無茶苦茶なことを書いていた気がします。(笑)

・主張・理由・要約の構造などを書くといった練習を個人的にしていました。

・理由に説得力を持たせるサポート(事例など)

この2点を守った上で、表現力を養っていけばきっとライティングのスコア向上に繋がるのではないかと思います。

スピーキング

二次試験に向けて取り組んだ教材はこちらです。確か7月末頃に一次試験の合格発表の通知が来ました。8月末の二次試験までの約1ヶ月間はこの教材に取り組んでいました。

前半には表現力を養うためのフレーズと例文のセットが紹介されており、後半には実際の試験と同じ形式の練習問題とその解答・解説が記載されているといった内容です。個人的には、前半部分の内容は知っておくと良いものの、後半部分の内容を優先した方が良さそうだと感じました。というのも、練習問題の解答・解説が充実していたためです。解答・解説の中から、実際の試験で使えるような汎用性の高い表現に絞って定着させていきました。

表現の定着をするために行なってきたこととしては、音読と独り言の繰り返しでした。まずは、解答の内容を頭でイメージしながら、音読。次に、音読に慣れてきてフレーズとイメージがセットで覚えれられるようになってきたら、今度は文なしで独り言を時間のある時にしてみる。多少感情を込めてつぶやいた方が覚えやすいような気もしています。

結局、どの教材を使ったとしても、試験で使いやすそうな表現を蓄積していくことと幅広いトピックに対して意見と理由のセットをある程度述べられるようにしておくことが肝心だと思います。

二次試験、本番

ここからは、二次試験当日にどういった点を意識して面接官と会話をしたかについて述べていきます。

級の確認と簡単な質問

ここでは、級の確認の後に軽い自己紹介をします。面接官にも依ると思いますが、自分の場合は、自己紹介の内容をふまえて軽い質問やアドバイスがされました。

この時点で第一印象が決まってくるはずなので、相手の目を見る、聞き取りやすい発音と声ではっきりと述べる等の態度の面を良く見せるように意識していました。

また、自己紹介の内容としては、自分がなぜ英語を勉強しているのかであったり、今の心境を面接官にスムーズに伝えることをして、会話に積極的な姿勢もアピールしてみました。もちろん、話が長くなりすぎては面接官を困らせるだけですから、出来るだけ簡潔に伝えることも大切だと思います。

こういった工夫の効果があったか否かについては定かではないのですが、2次試験のAttitudeの得点は3/3で満点でした。このセクションは面接の得点とは直接関係がないと聞いたことがありますが、もしそうだとしても、この後のナレーションとQ&Aに良い流れを作るためにも重要なのではないでしょうか。

ナレーション 

ここでは、4コマのイラストの描写から状況説明を行います。イラストが記載された問題カードが手渡され、内容を考えるための1分間の準備時間が与えられます。その後、2分間のナレーションをします。2分間を超えると、途中終了となってしまうため、時間には気をつけて4コマごとの内容を考える必要があります。

試験当日の自分は、2分間を超えてしまい最後の4コマ目までを説明し切れない事態だけは避けようと必死でした...(汗)参考にしたスピーキングの教材では、1コマあたり3文近くの文量を述べると良いと記載されていた気もしますが、自分の場合は1コマ2文程度の文量で、ほぼ間を作らずに最後の4コマ目までをナレイト仕切りました。体感的には1分半くらいだったように感じました。

試験終わりの帰り道、少しボリュームを欠いたナレーションだったではないかと不安をめぐらせていましたが、実際の得点は14/15でした。ここで言いたいことは、ボリュームはある程度あれば良く、適切な表現で描写を説明する点と黙ったり考え込み過ぎたりせずに極力スムーズに話し切るスピード感を出す点が高得点につながるのではないかということです。

また、その他に気をつけていた点としては、1コマ目の文量を抑えることです。これは、後のコマでの時間調整がし易くなることを見越していたためです。問題カードは起承転結が見てわかり易い4コマの構成となっています。そのため、最後のコマまで話し切りストーリーを完結させることが評価の向上につながるはずです。1コマ目で時間を取り過ぎてしまうと、残りの3コマを話すための十分な時間がとりづらくなりますよね。逆に、1コマ目を簡素に終えれば、2コマ目か3コマ目で少し文量を持たせた表現を話すだけの余裕が生まれます。私の場合は、1分間の準備時間で2コマ目と3コマ目を見比べて、文量をもたせやすそうだったり、知っている表現で話しやすそうな方のコマに焦点を当てて、話のネタを他のコマより1文程度多めに考えていました。

1コマ目→問題カード上の1文+長めの1文(状況描写や登場人物の心境)

2コマ目→2文(同様)

3コマ目→長めの2文か短めの3文(同様)

4コマ目→2文(状況描写と結果を締めくくる一文)

イメージとしては、上記のような感じです。

Q&A

ここでは、面接官からの質問に答えていきます。質問の数は全部で4つです。1つ目の質問では、ナレーションで用いた問題カードの指定のコマにおける登場人物の立場に立って何を考えるかが問われます。残りの3つはナレーションの内容に関するトピックについて聞かれます。私の場合、老夫婦が家庭で過ごす中、お爺さんがぎっくり腰になりお婆さんが介護をしなければならなくなった、といったナレーションでした。1つ目の質問は「If you were the elderly man on the 4th picture, what would you be thinking?」で、残りの質問では、高齢化社会をトピックとして色々聞かれました。覚えている範囲だと、「Do you think that the Japanese government help improve the aging society?」や「Do you agree with the idea that companies are supporting for elderly people?」が質問された気がします。

準1級攻略でよく言われることですが、各質問に3文程度の文量をもって返答できると、量としては十分です。ただでさえ答えにくい質問がされるのに、3文も話すのは大変そうだなと自分も始めの方は思っていましたが、主張の型を押さえれば意外と難しくなかったです。以下がその型です。

主張 + サポート1・サポート2(余裕があれば) + 結論

サポート部は、例証でも良いですし、良い具体例が思いつかなければ仮定法などで主旨の正当性を主張しても良いかもしれません。結論部は、出来るだけ主張とは違った表現を用いたり、パラフレーズを行って言い換えたりするとより良いと思います。あまり良い表現が浮かばず返答に詰まるようでしたら、始めに述べた主張のまんまを繰り返してもいいかもしれません...(笑)奥の手です。

また、その場に必要な語彙が頭から抜け落ちていたり、良いアイディアが浮かばなかったりして、試験中にどう伝えれば良いか戸惑うことはどうしてもあります。適切な単語を忘れてしまったり知らなかった場合、似ている何かを一つか複数出して、「something like that」を使って私は乗り切りました(笑)他には、「That’s a tough question for me...」や時間が欲しいなら「Could you give me just seconds?」を言って、考える時間を少しだけ貰ったりもしていました。もちろん使い過ぎは印象を下げかねないので、1度きりの奥の手ぐらいの感覚が良いかもしれません。

最後に

英検はTOEICやTOEFLなどと違って、社会的評価があまり高くない試験だと思いますが、これまでの試験勉強を通じて4技能全体を見直せる良い機会になったと感じています。これまでライティングとリスニングを相当疎かにしていたんだと気付かされました...

来年は大学院試験があるため、しばらく先になりそうですが、英検一級の取得などにもチャレンジしてみたいと思います!

長々とここまで読んで頂きありがとうございました。ご指摘等がございましたら、ぜひコメントでお伝えいただけると嬉しいです。

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