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映画「WAVES」

この映画の2時間15分は、誰にでも起こりうる現実。
形や大きさ、捉え方は違えど、人間誰もが衝突すること、そう感じました。
もちろん、前半の兄の人生も、後半の妹の人生も、どちらも自分自身経験するかもしれない(もしくはしている)出来事だと思う。

一つ上手くいかなくなると、それを拍子に全て崩れ落ちていくような感覚。
それらを音や光で上手く映像化していて、きっと五感が鋭い人って常にこう言う感覚なんだろなーと感じる。そして同時に自分も、風景の色や光を記憶のパーツとして、強く覚えている瞬間があると気付く。
他者のそう言う瞬間を、映画館でずっと傍観しているような、そんな作品でした。

この映画の見どころは、言葉ではなく映像の中の音や色で、主人公の気持ちを映す、エモーショナルな表現方法です。
とても絵的で美しく、こういうタイプの作品好きなんだけど、同時に今現在起こっている事柄を示す表現方法がリアルで、前半部分で私は少し気分が悪くなりました…。
(こんな感じですぐ影響されるから、映画館でホラーとグロは見ない)

恐らく洋楽に詳しいと、もっともっと楽しめる作品なんだと思います。
登場人物が言葉を語る前に、彼らの心境を表す音楽が流れる。ミュージカルは本人が気持ちを伝える為に歌を歌うけど、作中では、彼らは歌わない。アーティスト達が代弁するかのように、歌詞が流れだす。
なんか、そう言う部分も思春期的というか、現代感があって良かった。

自分自身の五感を研ぎ澄ました状態で、観てほしい!

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