阪神の今季を振り返り、来年以降の編成を考える2、内野手


こんにちは。

前回に引き続き、シーズン終了前ではあるもののドラフト会議がもうすぐということで、今回は阪神のドラフトで補強ポイントはどこなのかを考えていくために、現状を把握して行こうと思います。今回は内野手です。

<やり方>
各ポジションごとに、レギュラー、一軍控え、二軍、プロスペクト、構想外として分けていきます。そして、まとめた上でドラフトでの補強必要性を考えていきます。

1. 一、三塁手
レギュラー:一塁手 ジャスティンボーア(32)
      三塁手 大山悠輔(25)
一軍控え:陽川尚将(29)、荒木郁也(32)、原口文仁(28)
二軍:板山祐太郎(26)、マルテ(29)、片山雄哉(26)
プロスペクト:藤谷洸介(24)
構想外:

阪神お決まりの層の薄さを露呈しているホットコーナー。それでも今年のレギュラーは例年よりも高い成績を残しています。まずファーストには鳴り物入りでメジャーから来たボーア選手。年俸と期待値の高さから批判も浴びているようですが、一年目で現在までに16本塁打は立派でしょう。マルテ選手を除いてここ数年でロサリオ、ロジャース、ヘイグとなかなか活躍できなかった助っ人が多い中では十分及第点だと思います。明るいキャラクターもグッド。年俸がやや高いのがネックですが、糸井選手の契約最終年、藤川投手の引退と高年俸の選手が昨年に続いて起こっているため、残留を個人的には希望しています。そして何よりサードのレギュラーをようやく実力で掴み取った大山悠輔選手。ドラフト一位で一本釣りした際にはえー、という声が上がり、昨年はコアができていない中で四番固定されていた大山選手一人に負担が集中した結果批判が相次いだりとなかなか逆風な中で、今期マルテ選手の離脱をきっかけにレギュラーに定着。現在はキャリアハイを更新する26本のホームランを放ち、岡本選手とホームラン王争いを繰り広げるまでになっています。育ってくれてありがとう。
この二人の活躍の一方で、一軍控えにはこれらのポジションをメインポジションとしている選手はいません。原口選手は基本捕手であり、ボーア選手の休養日に一塁に入ることもあるといった形、そして陽川選手はユーティリティープレイヤーとして(今年の打撃で内外野守れるのはかなりポイントが高いと思います)、そして荒木選手はもっぱら守備固めでベンチスタートが多いです。例えば陽川選手は外野でスタメン出場することもあるため、そのような際には一軍控えのレベルの選手がほとんどいないということになってしまいます。すでにこのレギュラーの二人、特に大山選手は替えが効かないクラスの選手ではありますが、それにしてももし怪我をしたら誰が出場するのかと思うとゾッとしてしまいます。本来は開幕スタメンを大山選手と争い勝ち取ったマルテ選手が一、三塁両方守れ、一軍控えとしてかなり高レベルなはずだったのですが、再三の怪我により一軍復帰どころか来季の契約まで雲行きが怪しくなってしまいました。個人的には好きな選手なので残って欲しいですが、どうなるでしょう。二軍のサードは育成の藤谷選手と二遊間も守ルーキーの遠藤選手が守っていることが多い印象です。藤谷選手は打者転向のためなかなか時間がかかっていますが、今季は一時ホームランが多く出た時期があるなど、少しずつ伸びてきている予感がします。
以上のことから、一軍のレギュラーのレベルは高いですが、控え、及びプロスペクトの薄さが目立ちます。セリーグはDHがないということもあり、なかなか一塁手専門の選手の獲得はしづらいのですが、打力があり、一塁三塁も守れるような若い選手を獲得したいところです。

2. 二遊間
レギュラー:木浪聖也(26)
      糸原健斗(27)
一軍控え:北條史也(26)、植田海(24)
二軍:熊谷敬宥(24)、上本博紀(34)
プロスペクト:小幡竜平(20)、遠藤成(19)
構想外:

鳥谷選手が急激にショートの守備を劣化させてから、大和選手のFA、北條選手の脱臼などもあり、いつまでも正遊撃手が定まらないなか、今年は木浪選手がルーキーシーズンよりも守備を改善させ、レギュラーを掴み取ったかのように見えたのですが、昨年よりも打撃成績が悪化し、完全なレギュラーとはファンからは思われていないように思います。今年はボーア、サンズ両選手の活躍等もあり.250打てていればファンも文句は言わなかったように思うのですが、残念です。来年は菅野選手から2本のホームランを打った素質のある打撃を開花させてもらえればと思います。一方でセカンドにはキャプテンの糸原選手が不動のレギュラーの座を獲得したのではないかと思います。他球団に山田選手、阿部選手、浅村選手、外崎選手と言った打てるセカンドが多いこともあり、打力が物足りない、あるいは守備範囲が狭いといったことを言われることもありますが、上本選手が怪我以降なかなか全盛期のような活躍をできていない中、一年間怪我なく.270打ってくれ、守備も平均より少し下程度で済んでいるため非常にいてくれてありがたい選手です。今年は離脱直前は長打も増え、強打の二番を実現してくれていただけに、有鈎骨骨折は非常に残念でした。しかしそれでもシーズン中に復帰するなど流石のキャプテンシーだと思います。またレギュラーの近本選手、木浪選手、大山選手が比較的積極的な打撃をするため、待球型で出塁率型の糸原選手はなおさら貴重です。来年は怪我なく一年間上位打線を引っ張ってもらいたいと思います。
 このようにレギュラー陣は比較的固まりつつある一方で、このポジションも例に漏れず控えの層の薄さが目立ちます。上本選手は阪神中堅野手スッカスカ問題の中で数少ない実績のある打者であり、ある意味でセカンドのバックアップとしてきちんと働けているともいえますが、特にデータなどはないのですが年々打席での粘り強さがなくなってきている気もします。大和選手の放出などは北條選手が次の正遊撃手と球団が想定していたためだと勝手に考えているのですが、その北條選手は一度はブレイクしたものの、不振や怪我により気づけば中堅の年齢になってしまいました。今年は怪我の影響かショートの守備がどことなくぎこちなく、木浪選手が打撃が振るわない中打撃でも差をつけることができずにいます。一方で、終盤セカンドで起用された際には軽快な動きを見せていましたので、セカンドの糸原選手のバックアップとして来年は計算した方がいいのかもしれませんが、是非またレギュラーに戻ってきて欲しいと思います。他に二遊間を主戦場とする選手としては植田選手と熊谷選手がいます。植田選手は主に代走守備固めとしてその立ち位置を確立しつつあります。熊谷選手も植田選手とやや立ち位置が被ってしまう上に打撃もそこまで良いわけではないので、早く自分の役割を確立したいところです。プロスペクトには、高卒二年目の小幡選手とルーキーの遠藤選手を抱えています。小幡選手の活躍は今年の嬉しい誤算の一つでしょう。木浪選手の抹消によりショートのスタメンを掴むと、定評のあった守備だけでなく、打撃でも.250近く打率を残すなど及第点の成績を見せています。本人は一番ショートを目標にしていたと言っているので、これから出塁率の高いバッターになってもらえればと思います。また遠藤選手は、最初二軍でプロの壁にぶつかっていたようですが、先日初ホームランを放つなど少しずつ階段を登っている印象です。
 以上のように、木浪選手、糸原選手のレギュラーに、ショートでは小幡選手という有望株が出てきている、というのが現状になります。糸原選手が怪我で離脱している間攻撃力がかなり低下したように感じる(近本選手とクリーンアップが繋がりにくくなった気がします)ように、打力のある二遊間の選手が欲しいところです。世代的にも木浪、糸原両選手が社会人出身ということもあり中堅ですので、大卒で即戦力の二遊間が取れると世代の幅が広がり良いのではないでしょうか。

<今回のまとめ>
一、 三塁手:ポスト大山選手として、若い三塁を守れる選手を獲得したい。
二遊間:打力のある大卒の選手を獲得したい。

今回は以上です。ありがとうございました。

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