阪神の今季を振り返り、来年以降の編成を考える4、補強、ドラフト

こんにちは。

ここまで三回に分けて戦力分布を見てきました。今回は、ここから補強、およびドラフト戦略について考えていこうと思います。

<前回までのまとめ>
捕手:ポスト梅野世代の獲得が必要。高卒大卒問わず数年以内に藤田選手と競わせる存在を獲得する必要あり。

一、三塁手:現在二軍で専門で守っている選手が育成の藤谷選手程度なので、育成目的で高、大卒の三塁手を獲得したい(一塁手専門はDHのないセリーグでは原則獲得しにくい)。

二遊間:レギュラーで打力のある選手が糸原選手しかいない状態。打力のある即戦力の獲得が求められる。

外野手:糸井選手の高齢化に伴い、近本、サンズ両選手に続くレギュラーが欠けている。即戦力が求められる。

中継ぎ:藤川投手が引退したものの、スアレス投手のクローザー定着、藤浪投手のセットアッパー定着などにより比較的盤石。島本、守屋両投手の復帰などもあるため緊急性は低い。

先発:こちらは藤浪、岩貞投手の中継ぎ転換などもあり層が薄め。即戦力の獲得が求められる。

このような形でした。ここから、どのように補強を進めていくか考えていきます。ところで、補強の方法としては主に、ドラフト、トレード、FA、外国人の獲得、他球団の戦力外選手の獲得が挙げられます。私見ですがこれらの特徴としては、

ドラフト:投手は即戦力が比較的ちらほらいるものの、野手は一年目から活躍する選手は多くはありません。これは例えばここ10年の新人王が投手14人、野手6人であることからもその傾向の一端が窺えるのではないかと思います。一方で、野手で一年目から活躍する選手は二遊間、外野手のポジションの選手が多いように感じます。

トレード:トレードにもいくつか種類がありますが、お互いに戦力が充実しているために二軍に幽閉されてしまっている選手のトレードでは比較的トレード即戦力というパターンもありますが、メインは環境を変えればブレイクしそうな若手から中堅手前の選手が多いように感じています。また、阪神には残念ながら充実しているポジションというのはありませんので、トレードは若手を獲得する手段に限られそうです。

FA:FAは最も即戦力を獲得しやすい方法だと自分では考えています。ランクによっては人的補償が必要になることもありますが、人的補償によって移籍した選手がそのFAの選手ほど活躍するかは未知であるため、筆者はFA獲得には賛成派です。

外国人:外国人の獲得も即戦力を獲得しやすい方法ですが、FAに比べると日本野球に適応できるか、といった問題があるため、少し信頼性が落ちるかなといった印象です。また今年はコロナウイルスの影響もあり、どこまで視察ができているのかも不明であるため、新外国人はなかなか獲得しにくいのかなと思います。また、ポジションについてですが二遊間の選手は比較的少ない印象です。野手では主に打力を求められるため、一、三塁、レフトの選手が多く感じられます。

以上から、投手の即戦力はFA、外国人、ドラフトで獲得しやすく、野手の即戦力は外国人、FA、(センターラインのみドラフト)で獲得しやすいということになります。また、世代交代を図るための若手の獲得手段としては、トレードとドラフト、ということになります。よって、この事実を上の補強ポイントとまとめると、

捕手:若手の獲得が目的なので、ドラフトまたはトレード
一、 三塁:若手の獲得が目的なので、ドラフトまたはトレード
二遊間:即戦力が求められるので、ドラフトまたはFA
外野手:即戦力が求められるのでFAまたは外国人またはドラフト
先発:即戦力が求められるのでFAまたは外国人またはドラフト

となります。こう書いてしまうと全てのポジションにドラフトが含まれているため意味のない議論になりそうですが、逆にドラフト以外で補強できる部分を考えた上で、真にドラフトで獲得すべき選手を考えていくことにします。
<FA>
今年FAする選手は下記のサイトを参考にさせていただきます。

https://toranokoshien.com/2020/08/17/2020fa/

このうち、阪神の補強ポイントである先発、外野手、二遊間に該当するのは
Aランク:山田哲人(二塁手)、西川遥輝(外野手)
Bランク:大野雄大(先発)、福田永将(三塁、外野手)、小川泰弘(先発)、田中広輔(遊撃手)、島内宏明(外野手)
Cランク:梶谷隆幸(外野手)、辛島航(先発)、塩見貴洋(先発)
です。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8f7d439af6425b72c09cbc3642c04911775ee256

このあたりの記事を参考にすると、このうち阪神入りの可能性がありそうなのは、大野投手、西川選手あたりのようです。個人的には島内選手も調査して欲しいところです。もしこれらの補強が成功すれば、先発と外野手の厚さがますため、二遊間の補強に注力することが可能です。

<外国人>
今期の外国人は8人体制という大掛かりなもので、一部から批判もあったものの、結果としてみればマルテ選手の怪我、ガルシア投手の不振などもあり、獲得しておいてよかったと個人的には思っています。詳細は以前の記事に譲りますが、今期退団する選手としては、呂投手、ガルシア投手、そして怪我の状態によってはマルテ選手を想定していますので、先発及びマルテ選手退団の場合には野手を一人ずつは獲得したいところです。しかしながら先述の通りこちらはコロナの影響をもろに受けるため、実際のところどれくらい獲得可能性があるのかは不明です。

<トレード>
こちらも先述のとおり、阪神にはいわゆる充実した層のポジションがないため、伸び悩んでいる若手から中堅の選手同士のトレードが現実路線ではないかと思います。例えば補強ポイントである大山選手の後釜候補を、松田選手の後釜として多くの三塁手若手を抱えているソフトバンクなどから獲得できると非常に大きいのではないでしょうか。

ここまでをまとめると、ドラフトで獲得する必要があるのは上から優先度が高い順に

即戦力の打撃の良い二遊間
即戦力の外野手
高卒の内野手
高、大卒の捕手
即戦力の先発

となりました。もちろん大野選手がFAで来るとは限りませんが、ここ数年阪神の外国人は投手の方が当たりが多いことなども踏まえ、先発投手は優先度を下げました。また一、三塁手と言っておきながらここで内野手となっているのは、二遊間の選手が一、三塁にコンバートされるのがしばしばある話であるためです。ではいよいよここからこれらに該当するドラフト選手を見ていこうと思います。なお、筆者は別にアマチュア球界に詳しいわけではないため、一般に世間で言われている選手たちをリストするにとどまります。また、即戦力先発は今回優先度が低いため上位での指名をしないと想定しており、ビッグネーム以外の選手で即戦力となる選手というのはドラフト前には想定しにくいため今回は省きます。

1. 即戦力二遊間
牧秀悟(中央大学、二塁手)
元山飛優(東北福祉大、遊撃手)

牧選手はドラフト1位か、外れ一位候補になっているようです。

2. 即戦力外野手
佐藤輝明(近畿大学)
五十幡亮汰(中央大学)
来田涼斗(明石商)

なお佐藤選手はサードも守れ、そして即戦力というよりは数年かかるだろうと言われていますが、ドラフト1位候補であるため名前を挙げさせていただきました。

3. 高卒内野手
細川凌平(智弁和歌山、遊撃手)
小深田大地(履正社、三塁手)

細川選手は外野コンバートとの噂もあります。

4. 高、大卒捕手
関本勇輔(履正社)
古谷将也(成田)
内山壮真(星稜)

内山選手はショートを守っていたのですがチーム事情によりキャッチャーも行っていたようです。また関本選手は阪神OBの関本賢太郎選手の息子さんであるため、下位で指名できるようであれば獲得してほしいなぁと思っています。

以上になります。これらの選手が指名されるのか、筆者もドラフト会議が来週ということで楽しみにしながら過ごしていこうと思います。読んでいただきありがとうございました。

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