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第13話:アイアイ飲み会でお持ち帰りされそうになる。

今や「合コン」は死語なんだってね。
最近の若者は合コンをあまりしないうえに呼び方としては「飲み会」って
普通に言うみたいだ。

「合コン=合同コンパ」がダサ過ぎる言葉になっているからなんだって。
なので、死語は使わず「飲み会」でいこうかな。

僕もアイアイも何事もなく平和な日々がずっと続いていくと思っていたん
だけど・・・

ある日、ちょっとした事件が起こった。
アイアイの会社の女子数名で飲み会をすることになったらしく、メンバーが
足りないから「佐藤さん来てくれない?」って誘われたらしい。

その日は昼過ぎからずっと雨が降っていて寒くてうっとおしい日だった。

基本的に若い男がダメなアイアイは断るつもりだったらしい・・・。
でも 顔出しだけしてくれたらすぐ帰ってくれていいからって言われて、
結局、じぶしぶ参加することにした。

頼まれると断れない性格、お人好しな性格。

店につくとすでに男も女も揃っていて、適当に空いてる場所に座った。
アイアイはひときわ可愛いかったので、たちまち鼻の下を伸ばした男どもの
餌食になった。

宴もたけなわ・・・勧められるままに酒を飲まされて、ダメダメと思ってる
うちに酒が一気に回ってしまって起きていられなくなってその場に横になった。
そしたら誰かは分からないけど、男のうちの誰かが

「送って行くから」って言ってる声は聞こえたのは覚えてたみたいだ。

タクシーに乗せられて、どこかへ連れて行かれそうになった。
朦朧とした状態で車の窓から外を見たら、自分のマンションとは違う方向。

やばいと思うと一気に酔いが覚めた。

タクシーが止まった隙にドアをあけて、振り向きもせず逃げたらしい。
雨の中を必死で走った。
あまりに急激に動いたため気分が悪くなって歩道の植え込みに吐いた。

それでも、捕まったら何されるかわからないと思ってどこをどう走ったか
覚えてないまま、気がついたら駅まで来てたらしい。
駅舎に逃げ込んで男が追いかけてきてないか様子を見たそうだ。
で、すぐに僕に連絡が入ってき。
警察に電話するより、僕に来てほしかったみたいだ。

「パパさん・・・助けて」
「すぐに来て・・・お願い、早く来て・・ 」

「どうした?、なにがあった・・・いまどこ?」

「駅にいる・・・早く来て」

僕はすぐにポンコツワーゲンで駅まで走った。
こういう急いでいる時にかぎって時間が経つのが遅く感じる。
駅のロータリーを回ったら駅舎の入り口付近に立ってるアイアイを発見。

「ずぶ濡れじゃないか・・・何があったの?」

アイアイを僕を見て、堰が切れたように、おいおい大泣きした。
とりあえず理由を聞くのは後だと思ってアイアイを車に乗せて僕の
家まで連れて帰った。
家につくと急いで風呂を沸かしてアイアイを入れた。

僕が風呂から出ようとすると、ここにいてって言うから
だからずっと湯船の端っこに手を置いて、アイアイのそばにいた。
ヒマだからアイアイのおっぱいをツンツンしたい衝動に駆られたけど、
今それをやるとめっちゃ怒られそうだったらからやめた。

風呂から出たアイアイは、少しは落ち着きを取り戻していたようだった。
で、彼女からからことの詳細を聞いたと言うわけ。

女の子が夜遅く、知らない人がいるような飲み会になんか行ってると
そういう怖い目に会うことだってある。
女性は常に不利な立場にあるからな。

それはアイアイも分かっていたと思う。
だけど、こういうことは滅多にないことなんだと思うけど・・・。

そもそもアイアイは人に頼まれると断れない性格。
バカを見る性格、損をする性格、騙される性格。

頼まれても、きっぱり断る勇気とズルい部分も多少は持たないと・・・。
まあでも、そこがアイアイのいいところでもあるんだけどね。
それにちゃんと貞操観念も持っているし、誰とでもいいってわけじゃない。

だいたいは立ってられないくらい酒を飲んだのがいけなかったんだ。
そこにスキが生まれるからね。

もうちょっとで知らないニイちゃんに遊ばれて犯されるところだったよ。
それにアイアイの心に多少なりとも傷を残したことは確かだね。

つづく。

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