株式価格を予測する方法
株価を決める最大の要因
株価を決める最大の要因は何か?こう聞かれると意外と答えられない人が多いのではないだろうか?それは以下の式で表せられる。
株価 = 1株当たり純利益(EPS) x 株価収益率(PER)
だから純利益と株価収益率を予想できれば、株価を予想することができることになる。
企業利益とは
企業利益とは、当たり前だが企業の売上から費用を引いた利益のことである。それは企業の利益だが、要するに誰のものかと言えば、株主のものである。
だから企業利益とは株式投資で株主が得られる利益そのものであり、その上下は当然株価に影響を与える。株価のほとんどの部分は金利と利益で決まると言える。
ところで株価を決める最大の要因は金利と企業利益なのだが、マクロ経済には貯蓄投資バランスと呼ばれる以下の式が存在する。
貯蓄 = 投資 + 貿易黒字
一国の生産水準をYとする。輸入をIM、輸出をEX、消費をC、投資をI、政府支出をGとする。すると、支出面から見たGDP(国内総生産)=Yとすると、Yは次のような恒等式で表わされる。
(EX-IM)は経常収支である。 ここで、租税をTとして上記の式を変形すると
となる。(Y-T-C)は民間貯蓄であり、(T-G)は政府貯蓄であるから、貯蓄をS(=民間貯蓄+政府貯蓄)とすると
となる。つまり、経常収支(EX-IM)の大きさは貯蓄と投資の差に等しい。
以下はマクロバランスの式である。
(家計貯蓄-家計投資)+(企業貯蓄-企業投資)+(政府貯蓄-政府投資)-(輸出等-輸入等)=0
企業貯蓄とは企業の現預金等の内部留保を指し、政府貯蓄は(政府税収-政府消費)によって求められる。政府、企業、家計といった部門別の貯蓄投資バランスは、黒字であれば当該部門が資金余剰となり、赤字であれば資金不足で借入を行ったことを意味する。
国内の各部門の貯蓄投資バランスの合計は、経済全体の貯蓄投資バランスであり、これは経常収支に一致する。そして貯蓄とは経済主体である家計と企業と政府がその年に貯蓄できる金額のことだが、企業の貯蓄のことを企業利益と呼ぶ。
貯蓄 = 投資 + 貿易黒字
この式を解釈すれば、投資と貿易黒字の総額を家計と企業と政府で分け合うことになるわけだが、投資が増えれば分け前が増え、投資が減れば分け前が減るわけである。
そしてこの式から分かる興味深い事実は、この式には消費が含まれていないということである。それは驚くべきことに、消費の増加が企業利益に直接的には無関係だということを意味する。
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