見出し画像

言葉の花束ーアキの詩集No.4

1.「人生は授業のようなもの」


人生において
どんな経験も
必要な科目だと思う

間違いや失敗だってそう
それを履修することは
成功や正しさを得るための
必修科目かもしれない

人は段階的に成長する

成長段階に応じ
色んな知識やスキルを獲得する

昔、分からなかったものが
ある時から分かるようになり

昔、挫けたことや
躓いたことが
ある時から克服できたりする

そうして
成長に応じ
失敗や間違いを履修して
身につけた正しさや生き方は

単に知識として知っているだけの
それらよりも
基盤が磐石でぶれない

だから
愚かなことや失敗を禁じるのは
あまり勧めない

その人が得る
生き方や正しさを得られないために
履修している必修科目だと思うから

他人ができることは
一緒に考えて
見守り
成長を促すくらいだろう



2.「絶対的正義信仰者の特徴」


絶対的なものを信じ
崇拝して
それ以外を攻撃し
批判する人は

私は信念が強いとは思わない

権力があったとしても
根っこは
弱い人なんだと思う

自分の考え以外を認めず
受容しようとしない
出来ない

自分の進行するものが
侵害されるのが怖いから

だから攻撃や批判をする
そういう人は
獣的な本能に忠実な人だ

一方
他の考えの人に歩み寄り
認め受容する人は
そういった人よりも進歩した
理性的な人だ

私はそういう理性的な人を尊敬し
そうなりたいと思っている



3.「当たり前の幸せ」


当たり前のように
今日を過ごし

当たり前のように
明日を迎えられる

平穏な日々を
毎日送ることのできる
幸福に感謝したい


当たり前のように
衣食住が保障され

生きるために
物も人の命も
奪う必要がない

当たり前のように
平和を享受できる幸せ


当たり前のように
誰かと言葉を交わし

交わした言葉を通じて
情を交わす

当たり前のように
笑い合えることができる幸せ


当たり前のように
五体を使い
言葉を話すことができ

自分の身の回りのことが
自由にできる
意思を伝えることができる

当たり前のように
自分のしたいことができる幸せ

当たり前のように
学びたいことが学べる
知りたいことが知ることができる

他にも
沢山あるよね

普段意識していないだけで
気付いていない

当たり前と化している
幸せの数々


自分にとって当たり前としている
その幸せが

他の誰かにとって
当たり前ではないかもしれない

そう思うと
その幸せの意味についてよく考えて

それを当たり前としていない人の分も
幸せに生きないといけない

そして
その当たり前を
もっと当たり前にしていくために
貢献していかなければならない

そういう想いに
自然と駆られていくんだ


ただのきれい事では
終わらせたくない

私は
その当たり前の幸せを作るために
何ができるだろうか?

その問いの答えを
日々模索している


4.「私は強くなった」


魔法なんて使えなくていい

何か特別な力があれば
それで他人よりも優れた人だと言えるのか?

そんなことで
すごい人になれるとしても
私はそういう人を
すごいと思うことはないだろう

だって
人と人が関わるこの世界で
必要とされるスキルは
そんな特別な能力ではない

語彙力や社交性は
もちろん必要かもしれない

けれど
人との関わりの中で
中枢に置くべき
一番大切なものは

相手を思いやる心や
気遣いなど
お互いを尊重し合う心だろう

それが備わっている人は
たとえ口下手だとしても
わりと人間関係が上手くいく

私はそういう人を
目指したい

特別な力やスキルを持った
選ばれた人間
昔は憧れたけれど

人を思いやれる温かな心があれば
生きていける

そう思えるほど
私は強くなれた


そして
出来るならば
自分で道を定め
自分で道を開拓していく

そんな人生を歩みたいと
本気で望んでいる

受け身な自分のままではいられない

自分の良いところは伸ばし
弱いところは受け止めつつ
補填していく方法を見つける

自分を成長させて
生きていきたいと思えるほど
私は強くなった



5.うちの可愛い子とお昼寝


今日は
ぽかぽか陽気の
お昼寝日和だ

やることを全て終えて
何もすることがない

よし
昼寝をしよう!
ということで
柔らかい枕を頭の下に置いて寝る

リラックスしていく最中に
のそりのそりと近寄ってくる気配が

そして
脚の上に乗って
ゴロゴロと喉を鳴らし
寝そべった

やっぱり来たな
うちの可愛い子

ああ
脚の重みが
痛気持ちがいい

初めて出会った頃は
掌サイズで
あんなに軽かったのに

脚がしびれるくらいに
大きく
重くなって

この成長が
嬉しいような
悲しいような

ああ
トイレ行きたいけど
この可愛い子を起こすのは気が引けるし

何より
この空間と時間が
愛おしい

トイレをしばらく我慢してしまうくらい
心地良かったよ

最高のお昼寝だったよ

お昼寝には
やっぱり
うちの可愛い子がいないとね


6.「ヒトを想い労る心」


執着ではなく
人を想い労る心は

自分の心を強くし
心を美しく
豊かにしてくれる

他人の人生は
変わってやれない

自分の人生は
自分でしか生きられない

けれど
誰かのために生きる人生が
自分の人生にとってかげがえないものになり

自分を人として強くし
自分に生きがいや
生きる目的をもたらすならば

自分の人間性がさらに向上する

そういう人が増えて
支え合うこと
想いあうことがもっと
世間に浸透していけば

世界はもっと
色んな人達にとって
生きやすくなるのではないだろうか?

誰がために
生きることが
自分のためになること

それは
ヒトへの優しさだったり
時に厳しさだったり

その根本は
相手への思いやりであって

自分がどんなに苦労し
傷ついても
誰かを守りたい
支えたいという気持ちだったりして

全てをひっくるめれば
みんな
愛情から起こることなのだ

だから
私は愛のある人間になりたいし
そうであるよう
努めたい

私の愛する人々を守るために
ヒトを想い労る
そういう人間でありたい


7.「私は魔法が使えない」


私は魔法が使えない

このかんかん照りの空を曇らせ
過ごしやすい気候にすることができない

だから
クールな格好で街中を歩き
汗かきながら水分補給をし
日陰で涼みながら
暑さをしのぐしかない


私は魔法が使えない

やらなければならない仕事を
一瞬で終わらすことができない

だから
一つ一つこなしていくしかない
時間がかかっても
責任がある仕事だから
忠実にこなすしかない


私は魔法が使えない

だから
人の心を覗き
読むことができない

だから
相手の表情や言葉から観察したり
丁寧に話を聞いてあげたりして
察するしかない


私は魔法が使えない

でも
自分の体があり
意志がある
心がある

だから
何かを成し遂げられる

工夫して
対処もできる

決して
何も出来ない訳じゃない

魔法が使えないことは
使えるよりも不便だとしても

私は不幸だと思わない

苦労や悩みの尽きない人生でも
これだけ今
輝けているならば


別に
凄い力がなくたって
いいじゃないか

努力して何かを成し遂げること

分からないものに対して
それがどういうものかイメージすること

トラブルに対して
あれこれ対策を考えること

不便がもたらすプロセスが
自分のスキルや価値を上げ
人生を面白いものにしてくれている

魔法が使えたら
味わえない
経験できない


私は魔法が使えない

だから
そんな私が好きだし
そんな自分の人生が好き


8.「あのときつないだ手」


あのときつないだ

やわらかくて
もみじのように
小さな手

娘は
どこへ行くにも

その小さな手で
私の手をぎゅっと握って
離さなかった

それが
いつの間にか
私の手を離し

自由に
どこへでも
行くようになった

もう
私の手引きはいらない

自らの意志で
歩いて行けるんだと思うと

嬉しいようで
どこか切ない思いに
さいなまれた

「お母さん危ないよ」
そう言って
私の体を支え
手を引いて歩く娘

あのとき頼りなさげに
私の手を握っていた
小さな手は

こんなにも
しっかりとした
大人の手になっていた

あのときは
私が導いてやらなきゃ
生きられない
か弱い存在だったのに

今じゃ
私の手を引いて歩き
支えてくれる存在になっていた

あのときつないだ手は
再び私の手を握ってくれている


9.「たこやき」


買い物ついでに
買った
たこやき持って

帰ってきたら
あなたがいない

いつもならいるのに
何で今日はいないの?

まぁ
別にいいよ

一人で全部
たいらげるから

何となく
2人で分けて
食べてもいいかなと思って
買っただけだから

ただの思いつきだから
別にいいよ

あぁ
おいしそう

こんなにおいしいものを
独占できてラッキー

でも
1人で食べるには多いな

これで太ったら
あなたのせいだからね

おいしい
けど
ちょっと残念
あなたと食べられないのが

何て
あなたには絶対
言わない


10.「霧の露」


あなたは突然
私の目の前に現れて
私の心を
あなたで覆い尽くした

周りが見えなくなるほど
霧に取り囲まれたように

つかみ所のない
不思議さのあるあなたに
心惹かれて

あなたに触れたくて
あなたに向かって手を伸ばした
何度も何度も

でも
空を掴むだけ

じれったい
それがいっそう
あなたへの執着心をあおり
私はあなたの虜となった

そんなことを
幾度となく繰り返して
気がつけば

あなたは
すっと消えていた
何の前触れもなく

徐々に
霧が晴れたように
自分自身と
自分の状況が見えてきた

私はあなたに心狂わされた
周りには相当滑稽に見えるほどに

霧に包まれていた頃は気付かなかった
私の愚行
私のあなたへの想い
届いても相手にもされないのに

その他大勢への対応と同じく
普通に対応されるだけ

愚かなことだ
無駄なあがきだったと
気付きもしないと
霧が晴れてから気付いた

いや
愚かだったとしても
虚しさは
不思議とない

霧に包まれていた頃の思い出も
あなたへの想いも
霧の露のように
美しいと感じる

あなたという霧の残した露は
現実のそれのようには
消えはしないだろう


11.最後に


いかがだったでしょうか?

5.「うちの可愛い子とお昼寝」の可愛い子とは、愛猫のシマちゃん(♀子猫)です。

今回も、哲学的詩もあれば、ほっこりした感じの詩もあって統一感がありませんが、少しでも心に響いて下さったのであれば幸いです。

お読み下さりありがとうございました。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?