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名もなき花
名もなき花をかんざしに
君は僕の後ろで踊っている
気配だけを感じて笑顔になれる
振り向けば遠くまで来た
住んでいた街は遥か向こう
覗き込む太陽は
今日も熱を発して
旅に付き添う
帰り道は崩れ去って
巻き込まれた人たちを
思いやる余裕もなく
良き思い出だけを巡らす
前方には花もなく
耕された大地だけが剥き出しで
種が植えられるのを待っている
僕はポケットに入った僅かな種を
願いをこめて蒔く
踏み締められても芽が出るように
花が咲き実が成るように
君が踊る舞台を彩るように
そしてまた新たな種を収穫しに
この荒野を生きのびるのだ
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